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連載10周年の『この音とまれ!』全国大会までの話を振り返る!

連載10周年の『この音とまれ!』いよいよクライマックスへ。最新刊「全国大会編」を読む前に、全国大会出場を決めた時瀬筝曲部のその後を描いた第2章を振り返る! 涙腺崩壊必至!

第2章のあらすじ:1年生が加わり、壁を乗り越えながら“自分の音”を見つけていく(16~26巻)

新1年生2人、百谷名都と由永侑が入部し、9人になった筝曲部。全国に出たいと意欲を示す由永と、どっちでもいいと言う百谷。全国に出すかテストすることにし、コータとチカが1年生を指導。課題をクリアしたため合格を告げ、一緒に全国を目指します。
 
GW合宿を終え、大会まであと3か月に迫った頃、母親が入院したみっつは部活に参加する時間が極端に減少。さらに、由永の音が浮いていることが浮き彫りになります。みっつは楽譜を直すことにし、由永の音質は百谷が爪を替えて演奏することで解決。全国に向けて全力で駆け抜けようとする筝曲部に、また新たな問題が。
 
昔、チカを嵌めた宇月が現れ、チカの暴力事件の動画をネットで拡散。宇月に呼び出されたチカは、誰にも手を出さないでくれと土下座をし筝曲部を守ろうとします。そこにみんなが駆けつけ、大ごとになる前に事態は終息。哲生と先生たちのおかげで、予定通り全国に出られることになります。
 
 

第2章から登場する主な登場人物

 
クラスの対極にいそうな1年生2人。彼らが少しずつ打ちとけていくところにも注目!

百谷名都
チカと同中で、昔荒れていたチカの変わりようを見て興味がわき、筝曲部に入部。未経験の琴も、演奏を見たり聴いたりするだけで完璧に弾けてしまう抜群の音楽センスの持ち主。他人と一定の距離をとって接する。
 
由永 侑
琴を教わっていた祖父が亡くなり琴から離れていたが、時瀬筝曲部の演奏を聴いてこの部に入ろうと決める。人との距離のとり方が下手で、百谷にウザがられることも。チカの優しさに気づき、彼に懐いている。
 
 
チカへの執着心と愛情から、歪んでしまった宇月と筝曲部が対立!?
宇月 誓
チカのおじいさんの家を襲撃させ、暴力事件を起こすきっかけを作った主犯。筝曲部で楽しそうに過ごすチカを見て、チカを取り戻そうと再び彼に接近する。百谷とは腹違いの兄弟。
 
 

見どころ

ここからはおすすめの見どころシーンを紹介していきます。
 
琴についてはもちろんですが、仲間に向き合うことが丁寧に描かれている作品なだけに、言葉の随所に相手を思う気持ちが表れています。なかでも印象に残る台詞を合わせて紹介したいと思います。
 
 

コータが“百谷の音”に向き合うシーン(17巻)

百谷の練習態度に納得がいかなかった部員たちですが、彼の演奏を認め、テストの合格を告げます。
 
「モモヤンの演奏は“ちゃんと本気”だった」と言うコータ。一緒に費やす時間が短いというだけで本気じゃないと思われがちだった百谷は、自分の音を聞いて本気だとわかってくれたコータに、自分がちゃんと弾けていたのは、コータが送った演奏動画のおかげだと伝えます。
 

「演奏を聴いてすっごい悔しかった 負けたくないって思った モモヤンがいたらもっと上手くなれると思う」

百谷への悔しい気持ちを糧に、前向きに頑張ろうとするコータの言葉から、漢気が感じられました。部の中で一番子どもっぽくて甘えただったコータが、この1年で強くなったな、と感慨深いものがありました。
 


 

百谷がみっつの目標“一人前の音”を大切にしていたシーン(21巻)

練習時間が減り、周りと力の差が開いていくことに焦りを覚えるみっつ。「変な意地をはらずに楽譜を簡単にしてもらえばいい」と言う百谷と衝突してしまいます。
 
武蔵から「ちゃんと向き合う前に僕たちのことを切り捨てないでほしい」と言われた百谷は、みっつと話し、どうしてそう思ったか本意を伝えます。
 

「楽譜を簡単にすれば 先輩の目指す音は捨てずにすむと…思ったので…」

合宿に向かうバスの中で少し話しただけのみっつの目標を覚えていた百谷。みっつのことを想って言った言葉だったのです。言い方が悪くぶつかってしまいましたが、そんな不器用なところも可愛く思えてしまいます。
 
 

みっつが楽譜を作り直してほしいと滝浪先生に伝えるシーン(21巻)

いつの間にか見失っていた一番大事にしていた目標を思い出したみっつは、自分のパートを作り直してもらうことに。滝浪先生はみっつに「楽譜を直すのは妥協でも逃げでもない」と言葉をかけます。
 

「お前が周りと自分のために 考えて考えて ちゃんと選んだ一つの道だ 誇りを持ってしっかり歩け」

みっつの背中を力強く押した温かい言葉に、胸が熱くなりました。作り直した楽譜は、全体的に簡単にしつつもソロパートは直さずそのままに。さすが滝浪先生です!
 


  

音が浮いている由永のために、百谷が爪を替えるシーン(23巻)

音質が合っていないのは、自分だけみんなと違う爪を使っていることが原因と思った由永は、爪を替えることを決意。
 
由永に「音質が合わないのは個性だから堂々と弾けばいい」と言い、百谷が爪を替えることに。百谷の演奏によって、由永の音がつながっただけでなく映えるようになります。
 

「お前の音がお前の音のまま 浮くんじゃなくて生きるように ――俺が爪と音を替える」

百谷が筝曲部のメンバーと本気で音楽をやりたいと思った瞬間です。祖父の形見の爪を使う由永のために行動した百谷。人と関わろうとしていく姿に嬉しくなりました。
 


 
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