「スタジオ地図 シネマティックオーケストラ2022 ~『竜とそばかすの姫』公開1周年記念~」レポート|細田守監督作品の象徴とも言える夏の青空と入道雲を音楽で体感!
2006年に公開された『時をかける少女』にはじまり、昨年(2021年)に公開され大ヒットを記録した『竜とそばかすの姫』に至るまで、記憶に残る作品を生み出し続けてきた映画監督・細田守氏。
そんな細田監督を支えて続けてきた(※)アニメーション制作会社“スタジオ地図”の10周年を記念したイベント「スタジオ地図 シネマティックオーケストラ2022 ~『竜とそばかすの姫』公開1周年記念~」が、2022年8月14日(日)に東京国際フォーラムで開催されました。
(※スタジオ地図で細田作品を制作するのは2012年の『おおかみこどもの雨と雪』から。それ以前はマッドハウス。スタジオ地図は元マッドハウスの齋藤優一郎氏と細田監督によって設立された。)
当日は東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で作品を映像と音で振り返っていく構成となっており、細田監督作品の象徴とも言える“夏の青空と入道雲”を音楽で体感させてくれました。ここでは、そんなイベントの模様をレポートします。
第1部は『バケモノの子』『おおかみこどもの雨と雪』『サマーウォーズ』の3作品
最初に楽曲が演奏されたのは、劇団四季によるミュージカル化も話題となった2015年公開の『バケモノの子』。「祝祭」「三千世界の迷い子」「充たされた子ども」「胸の剣」の4曲が披露されました。
九太と熊徹の出会い、熊徹の武術を日々の生活の中で覚えようとする九太など、作中の名場面がステージ中央のスクリーンに映し出されていき、息を呑むかのような音の連続で細田作品の世界へと誘っていきます。
続いては『おおかみこどもの雨と雪』から「ほしぼしのはら」「きときと-四本足の踊り」「雨上がりの家」「おかあさんの唱」の4曲。ここでは、『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』の劇伴を担当した音楽家・高木正勝さんが中央に設置されたグランドピアノで演奏してくれた事も会場を大いに盛り上げる一因に。
「おかあさんの唱」では、高木さんのピアノとオーケストラの演奏をバックにアン・サリーさんが透き通るような歌声を響かせました。
第1部ラストは『サマーウォーズ』。細田監督作品と言えば“夏”のイメージが強くありますが、この作品がその印象を決定づけた作品と言えるのではないでしょうか。
そんな『サマーウォーズ』パートでは、「仮想都市OZ」「KING KAZMA」「栄の活躍」「1億5千万の奇跡」「The Summer Wars」の5曲を一挙に演奏しました。
「仮想都市OZ」では映画のスタート時と同じアナウンスが流れたほか、「1億5千万の奇跡」では、花札でラブマシーンと対戦する篠原夏希を応援する世界中の人たちのように、販売グッズの“バングルライト”を光らせるファンの姿も。
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