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『チェリまほ』安達と黒沢が好きな漫画『ラグナクリムゾン』の魅力とは

『チェリまほ』好きのライターが読んだら心震えた──TVアニメ化決定の『ラグナクリムゾン』安達と黒沢が好きな漫画の魅力とは? 読者の予想を超えてくる展開にもご注目

 

『ラグナクリムゾン』の魅力&見どころ

安達と黒沢が好きな漫画『ラグナクリムゾン』。その魅力&見どころをたっぷりご紹介します!

 

極限の力を手にした主人公・ラグナが大切なレオを救い、数十年分の思いが溢れる第1話

竜討伐数一位を誇っている12歳の神童レオニカ(以下 レオ)。彼女はラグナにとって英雄、レオの輝かしい成長を記録できることはラグナの喜びでもあります。彼女の身の周りの世話はラグナがやっています。そして、レオが眠ったあと、一人で剣を振る日々。

しかし運命の日を境に、物語は大きく動くのです。未来の自分とひとつになり、極限の力を受け継いだラグナは、ここで失うはずだったレオの命を救います。

レオが生きている現実。抱きしめ大声で泣いたラグナ。遠い未来の誰かの数十年分の思いがただただあふれた瞬間でした。

第1話で主人公が極限の力を手にし、クライマックスのような展開に。それも本作の魅力です。しかし物語は始まったばかりなのです。

三つで親を竜に喰われて親戚に引き取られ、その親戚も竜に喰われて富豪に買われて、その富豪の屋敷も竜に焼かれたラグナ。いつも生き残る「呪われ野郎」と言われる自分がいていい場所なんてあるのか。そんな彼に、初めて会った時にレオが言ってくれた言葉があります。

「キミのせいじゃないよ 弱いから死ぬの 竜より強ければ死なない ボクは強いよ だから死なない」(コミックス第1巻より引用)

レオの言葉に救われていたラグナ。レオのそばにいたい……それがたったひとつの願いでしたが、大切な彼女を守るために離れることを選ぶのです。“そばにいること”ではなくて“守ること”を選んだラグナの思いに、数十年分もの彼の重みを感じざるを得ません。

過去の自分が許せないラグナ。本当に大切だというなら自分が誰よりも強くなってレオを守らなければいけなかったのです。あの日、今の強さがあればとどれだけ悔やんだか。そんなラグナには計り知れない後悔の念と、滅竜への執着があるのです。

 

第1話 試し読みはこちら

 

伝説の始まり! 常軌を逸した強さを未来の自分から継いだラグナ&性格が悪すぎる「翼の王」クリムゾンが運命の邂逅

 

自分が呪われていると思っているラグナにとって、一緒に戦える者がいるとすれば、それは死んでもいいやつか死なないやつかのどちらか。未来のラグナが言うにはそれはつまりクリムゾンだけなのです。

未来と今を繋いで未来のラグナから力を渡したのはクリムゾン。クリムゾンの目的は自分を含めた竜の全部を滅ぼすこと。滅竜という目的が一致しているラグナとクリムゾンは、未来で共闘していたのです。

クリムゾンと運命の邂逅を果たしたラグナですが、この時代でラグナのことを知らないクリムゾンは正体を隠し、自分はクリムゾンではないと否定しています。(性別も年齢も好きに変えられるクリムゾンは、少女のような姿をしていることも。魔法士(魔法使い)の肩書きを使うこともあります。)

しかしその正体は紛れもなく、かつての「第一位階 」「翼の王」、そして竜の神を殺そうとした反逆者・クリムゾンだったのです。

 

 

ラグナに興味を持つもなかなか信用しない用心深いクリムゾン。ラグナとクリムゾンの邂逅シーンでは、必死に自分の利用価値を示すラグナと、クリムゾンではないと貫き通そうとするクリムゾンのやりとりが非常に面白く、秀逸。正体を現したクリムゾンの、王としての存在感も圧巻です。

クリムゾンの関心はやはりラグナの強さ。肉体が銀剣と融合し、自ら銀気を生成・放出して戦うラグナに興味津々。その強さは並の上位竜相手なら瞬殺するほどです。

未来よりもずっとずっと早く出会ったラグナとクリムゾン。ここからラグナとクリムゾンの滅竜の戦いが始まるのです。この段階では、まだまだ謎の多いクリムゾン。この後の展開も見逃せません。強くて格好良いラグナと、性格が悪すぎるクリムゾンのおぞましさをご堪能ください。

血族滅亡への道を進むラグナとクリムゾンは、その全てを討ち滅ぼし神を狩ること、そして最終的にはクリムゾンを狩ることを約束していますが、クリムゾンが何故、自身が狩られることを望んでいるのか、未だ謎に包まれています。

 

クリムゾンの華麗なる頭脳戦

クリムゾンの頭の良さは群を抜いており、また指揮能力の高さも見どころ。「第三位階」「風獄竜」ディザス・トロワとの戦いでその片鱗を見せつけられることになります。

クリムゾンは、ディザス・トロワから逃げのびてきた狩竜人たちを束ね、ラグナの銀気を込めた武器を使わせその竜に戦いを挑むのですが、クリムゾンの頭脳戦が凄いこと、そして危険であることを、長年クリムゾンを見てきたラグナは改めて実感しています。

けれど、クリムゾンはこの戦いを戦いとは思っていない、狩りとさえ思っていない。ラグナの銀気を込めた武器を試す実験だったのです。

ここで重要なのは、ディザス・トロワは決して雑魚ではないということです。上位竜の中でもトップクラスの恐ろしい強さを持つ「第三位階」に立ち向かう二流の手勢。僅かな準備期間。しかし、結果的にはクリムゾン側の勝利に終わっています。

竜のことを何でも知っている、性格も能力も狩るのに必要なこと全てを把握しているクリムゾンは、上位竜の弱点「太陽」「銀気」に次ぐ第3の弱点としてある定義を示しています。

 

「翼の王」アルテマティアとの邂逅

「第三位階」ディザス・トロワも大物でしたが、今度は「翼の血族」「第一位階」「天翼竜」アルテマティアという超大物の登場。まだ物語の序盤ですが、ラグナはこの「翼の王」と戦うことになります。

 

 
「時操魔法」で時を操るアルテマティア。育ちと気立ての良さが感じられ、慈悲深い彼女は、神が余計なことを言わない限り人間に優しいのです。

けれど、神の言葉によりどうしても人間を消さなければならない場合は別。それでも、一切の苦痛も恐怖も与えることなく自分が死んだことにさえ気付かぬまま、心安らかに消え去って頂きたい、それがアルテマティアの思いなのです。

ラグナはクリムゾンにあることを忠告されています。もしアルテマティアを発見してしまっても、もしそんな偶然が起きても決して単身で挑まないこと、それをやった時点で今回の狩りは終わりだということ。つまり、ヤバすぎる相手だということです。

しかしラグナは出会ってしまうのです。時を操る「翼の王」と。

時を操る力を前にして、強さに意味があるのでしょうか。配下のゴーレムとキメラと合流し、愉しそうにアルテマティアを狩る作戦会議を行うクリムゾンですが、無敵のようにも思える「時操魔法」も無敵ではないと言っています。クリムゾンはその弱点を突いた計画を立てるのです。

一方、クリムゾンの忠告を聞かず一人挑むラグナ。(これに気付きクリムゾンはキレています。)「時操魔法」に対抗するラグナの戦いは必見です。

強さが「理不尽」の域に達しているラグナを前になんと、アルテマティアは切り札を切るのですが、クリムゾンはすぐさま状況把握し対応しています。さすが……!

 

 

先の先まで読んで計画・準備し、非情な作戦を敢行するクリムゾンですが、全てが思い通りにいくわけではないのです。ラグナに計画を乱され感情的になり、いろんな表情を見せるクリムゾンからも目が離せません。

 

ヒロイン・銀器姫が満を持して登場

 

 

ここで、満を持して本作のヒロイン、銀器を自在に操る最強王女・銀器姫の登場です。

国外脱出を図るも失敗したラグナとクリムゾンが転移した先はレーゼ王国最強の部隊「銀装兵団」の拠点。第二王女にして、「銀装兵団」団長スターリア・レーゼ (愛称:銀器姫)との出会いを果たします。生まれつき両腕が無い彼女の眼は、物体が発する「気」を捉え、無い腕の代わりに自在に銀を操り、光りながら宙に浮いているのも特徴。

国外脱出を計画している「銀装兵団」はラグナとクリムゾンの目的と合致。ただ、ここで問題が生じています。竜バレの危機に、攻めのスタイルで自ら竜の眼を晒すクリムゾン。けれど、本質を捉えることができる銀器姫には嘘が通じ辛く、クリムゾンは本質を見抜かれてしまうのです。相性が悪いクリムゾンと銀器姫。

 

 
しかし、ラグナの登場で状況は一転。なんと銀器姫はラグナに一目惚れするのです。

一目惚れした相手からの熱烈な共闘要請。団員達の手前、情けない姿を見せるわけにもいかず、結果、安いツンデレみたいになってしまう銀器姫ですが、ただのツンデレ可愛い姫で終わらないのが彼女の魅力。

ホレた男が相手だろうと自分を通す姿を見せる銀器姫には、さすが『ラグナクリムゾン』のヒロイン、と思わせる強さと格好良さが溢れています。

そして、国外脱出を目的とし、「第六位階」「狂操竜」オルト・ゾラ&「第五位階」「爆塊竜」タラテクトラが率いる竜群との大戦が始まるのですが、こちらも見どころたっぷり。

「狂操竜」オルト・ゾラの存在は重要。魔法で薬物の生成ができるオルト・ゾラ。生物を即死させる劇薬から催眠状態にする薬まで様々な薬物を使えます。そんなオルト・ゾラの恐ろしさに対抗する、おぞましい策士クリムゾンに震えてください。

軍師として指揮能力の高さも共通していますが、クリムゾンはオルト・ゾラのことを性格の悪い奴だと感じていて、オルト・ゾラはクリムゾンの手口に嫌悪感と親近感を抱いているのも面白いところ。同じ匂いがするんですね。人間らしさが垣間見えるオルト・ゾラにもご注目ください。

 

 

「翼の王」アルテマティア&「第二位階」ウォルテカムイのロマンス

「第二位階」「雷爪竜」ウォルテカムイについて少しご紹介します。ウォルテカムイは強さが「理不尽」の域に達している存在。クリムゾンでさえ、あれと戦ってはならない、あれはちょっとおかしいと言っています。策で勝てる相手ではない、戦わない為に策を講ずるべき相手、だそうです。

 

 

しかし、いずれ戦うことになる相手。ラグナとウォルテカムイの死闘は必見です!

 

 

そんなウォルテカムイですが、「翼の王」アルテマティアの心をかき乱す存在でもあります。ラグナとの戦いで恐怖を感じトラウマとなってしまったアルテマティアの前に現れるウォルテカムイ。筆者個人的に、好きなシーンです。非情で常軌を逸した強さを誇るウォルテカムイの、アルテマティアに対する言葉と仕草に、不覚にも胸がズキュンとなってしまいました。

神に従順な、いい子ちゃんのアルテマティアに「言えよ オレにどうしてほしい?」(コミックス第5巻より引用)などと迫り、模範解答ではなく本音を引き出そうとするウォルテカムイ。そんな彼の前ではいつもの穏やかなアルテマティアではいられず、感情的になってしまうのです。

この二人のシーンはたっぷりと描かれていて、まさかのキュンシーンの連発がありますので、ぜひ実際にコミックスを読んでお楽しみください。そして、過去にアルテマティアとウォルテカムイの間に交わされた約束があるのですが、ウォルテカムイが叶えてあげたかったことに、妙に納得してしまいます。

 

 

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