アニメ『うる星やつら』ラム役・上坂すみれさんインタビュー|リスペクトを忘れず思い切り楽しもうと思っています
『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』ほか、数多くの作品を世に送り出してきた漫画家・高橋留美子先生。その代表作のひとつである『うる星やつら』の新作アニメが、2022年10月13日(木)よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送開始となります。
アニメイトタイムズでは放送開始に際し、ラムを演じる声優の上坂すみれさんにインタビューを行いました。
世代的には『犬夜叉』のほうが馴染み深そうな上坂さんが、『うる星やつら』と出会ったきっかけとは!? そして、初代アニメでラムを演じた平野文さんからのコメントの感想や、自分なりのラムを演じる上でのこだわりも伺っています。
今回のアニメではじめて『うる星やつら』に触れる方も必見となっていますので、ぜひチェックしてみてください。また、諸星あたる役の神谷浩史さんのインタビューも掲載予定ですので、そちらもあわせてお楽しみに!
気持ち的には『うる星やつら』のほうがリアルタイムで追いかけていた
――上坂さんは初代アニメのリアルタイム世代ではないと思いますが、『うる星やつら』との出会いはどのようなものだったのでしょうか。
ラム役・上坂すみれさん(以下、上坂):元々、70年代後半から80年代のアニメを愛好していたことから視聴しました。当時はまだ原作をそんなに読んでいない頃だったので、毎朝やっていたCS放送を楽しみにしていたことを覚えています。
放送される話数はランダムになっていて、アニメオリジナル回もあれば原作から映像化されたエピソードもあったのですが、まだセル画なので絵柄はレトロな雰囲気がありつつ、話数を重ねるにつれよりシャープに洗練されていくのが印象的でした。キャラクターたちの顔立ちも初登場時から雰囲気が変わっていったので、なんて自由度が高い作品なんだろうと思ったんです。
よく見ると他の作品のキャラクターがいるみたいなパロディ・小ネタも豊富ですし、キャラクターたちを演じるキャストのみなさんもめちゃめちゃ楽しんでいることが映像から伝わってきました。
はじめてこの作品を視聴した頃は声優になりたいなろうなんて考えてもいませんでしたが、観ていると元気が出るし、時々シュールな回もあるし、作品が持つ底知れなさは視聴した当時から感じていました。
――上坂さんの世代の高橋留美子先生作品だと『犬夜叉』が流行っていそうですが、そのあたりはどうでしたか?
上坂:その通りなのですが、放送が夕方から夜帯だったことと当時はひとりでテレビを独占できなかったので、時々しかみられなかったんです。だから誰もまだ起きてこない朝の時間帯がチャンスで、その時間に放送していたCS放送の懐かしアニメを視聴する習慣がついたんです。だから気持ち的には『うる星やつら』のほうがリアルタイムで追いかけている感じがありました。
私の周囲でも『犬夜叉』を追いかけている方のほうが圧倒的に多かったので、もしかしたらそのふたつが同じ漫画家人の作品だと知らずに読んでいる子もいたかもしれません。私自身もみんなの『犬夜叉』の話に混ざりたくはあったのですが、『うる星やつら』をおススメしたい。でも地上波では放送していないし……みたいなジレンマもありましたね。
――大ファンである上坂さんが考える『うる星やつら』の魅力を教えてください。
上坂:一番はやっぱり萌えの目覚めみたいなところでしょうか。私はリアルタイム世代ではないので何とも言えないところがあるのですが、この作品によってコスプレ文化が流行の兆しを見せたり、コミックマーケットが賑わいを見せたりみたいな話を聞いた覚えがあります。
また、70~80年代当時のアニメ作品は、ロボットものをはじめストーリーが重視された印象があり、それらの主題歌では主人公や主役メカの名前が何度も用いられていました。ですがこの作品の主題歌「ラムのラブソング」は、その要素を用いることなく作品の世界に沿っていたので衝撃でした。
後は、私たちがキャラクターを好きになる根本的な萌えの心と言いますか、全ての萌えのオリジナルみたいなところだと思います。今回の新アニメのビジュアルを見た時は、ラムちゃんの可愛さに思わず唸ってしまいました。きっと30世紀くらいになってもやってるんじゃないかと思うくらい、キャラクターたちの普遍的な魅力があるところが一番かなって思います。
どのキャラクターもめちゃめちゃ魅力的なので、ラムちゃんが登場しない回も面白いんですよ。ランちゃんとかおユキさんとか弁天さんとか竜之介ちゃん(※藤波竜之介のこと)とか、みんな絶対に推しが見つかる世界だと思います!