秋アニメ『4人はそれぞれウソをつく』多田香奈子プロデューサーインタビュー|「この作品に懸けています」と意気込みを語る! アニメ化の意義は「作品の良さがいろんな人に伝わる」こと
作品の良さがいろんな人に伝わるのがアニメ化の意義
――原作者・橿原まどか先生とはどのようなやり取りをされましたか?
多田:オンラインでのミーティングや、アフレコ現場にご挨拶に来てくださったときに、少しお話ししたのですが、アニメ化を喜んでくださって、積極的に協力してくださったので、すごく嬉しかったです。
実はこの作品は、アニメ化の企画を持ち込んだときに連載終了の話があがっていたんですが、アニメ化決定を加味して連載を続けてもらえることになりました。なので、アニメ化で作品の人気を押し上げることが私の使命だと思っています。
アニメのプロデューサーとしては駆け出しで、深夜アニメのメインのプロデューサーを初めて務める人間が言うのはおこがましいんですが、「作品がいい意味で別の形で羽ばたける」ことが、アニメにする意義だと思うんです。
アニメ化によって、作品の良さがいろんな人に伝わるというのは、すごく意味があると思っているので、それをこの作品で体現したいと思っています。
――キャスティングにも関わられていると思いますが、重視したことや、現場でお芝居を聴いて素敵だと思ったことをお聞かせください。
多田:オーディションを全部聴かせていただいたうえで、監督や音響監督たちと集まって、意見を交わして決めました。各々の中にあるキャラクター像を伝え合って、ベストな人に決まったと思いますし、何の悔いもないキャスティングになったと思います。
リッカは、普段と軍人のときの切り替えがすごく難しいので、その声色の使い分けが素晴らしいです。この作品はギャグなので、可愛さだけではなく、汚さ、カッコよさもなければいけないんですよね。監督や音響監督の要望もすごく難しいものになるんですが、田中さんはそれにきちんと応えてくださっていますし、声優さんの一言によって、キャラクターの表情も変わって見えたので、改めて、声優さんのお仕事ってすごく大事だなと思いました。
村上さんが演じる千代は、本当にまるで漫画から飛び出してきたような声をしていて感動しました。声を作っているのではなく、村上さんは千代そのものなんじゃないかと思えるようなお芝居です。そのシンクロ率は話数を重ねるごとにさらにあがっています。
関根はツッコミ役なので、一言で印象に残る、面白くする必要があるシーンが多いのですが、佐倉さんはいろんなバリエーションを出してくださり、本当に技術力のある方だと思いました。「そんなんあんのっ!?」というツッコミがあるんですが、その言い方が印象的すぎて、収録時に監督、音響監督ともに大笑いしたので、ぜひ楽しみにしてほしいです。
翼は、潘さんだからこその、一言では言い表せない中性的な魅力が発揮されています。リッカの装置によって女の子になってしまうシーンがあるのですが、そのシーンの潘さんのお芝居も素晴らしいです。潘さんの持ち味である声の幅広さが存分に活かされているキャラクターだと思いました。