この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
アニメイトが本店やイベントを中心として池袋で盛り上がりを見せる中、その盛り上がりは全国にも広がっていきます。徐々に全国でも店舗数を増やしていき、2015年4月にオープンしたイオン松江店において47都道府県のすべてにアニメイトが誕生することとなりました。
今ではアニメイトの店舗が日本全国に存在していることや、アニメイト通販で全国どこでもグッズが買える状況は珍しくはありませんが、初期のアニメイトを知っている方たちからすると、現在の様子は驚きの状況だと思います。
アニメイトが全国展開にこだわったのには、ある人物の存在がありました。それは、かつてアニメイトの社長を務めた阪下さんです。
本稿の最後に阪下實さんのインタビューを少しだけご紹介します。
ーー47都道府県の出店が目標であったそうですね。その理由は何でしょうか?
阪下:全国のアニメファンに身近にアニメイトを感じてほしいと。大都市にしかお店がないと、なかなかお店に行くことすら難しいけれど、各都道府県に一店舗あれば、より多くのお客様がお店に行くことも叶うのではないかと思いました。アニメグッズとの出会いを作ってあげたいなと思って、出店していました。
次は、1時間以内にアニメイトに行ける場所への出店を目指しました。まだまだ、地方の人にとって、アニメイトは遠いんです。中学生や高校生にとって、電車賃も安いものではないですし、好きなグッズも買いたい。少しでも身近なところにアニメイトがあれば、より利用しやすいのではないかと考えました。
ーーたくさんの人にアニメと出会いをということですね。
阪下:普段はお客様が住んでいる地域の身近なアニメイトでグッズに直接触れていただき、半年に一回でも主要都市の大きなアニメイトに遊びに行く。そういったものが作れたらいいなと。グッズと出会うきっかけはリアルに出会うのが良いと思っています。
ーー今回の取材を通して、アニメイトはお客様ファーストの精神があるなと感じています。それは店舗運営などでも意識したところですか?
阪下:商品展開で悩んだら、まずはお客様とアルバイトスタッフに聞きなさいと、よく言っていました。
お客様、そしてお客様に一番近いスタッフたちがいろいろな情報を持っていますので、そこから情報も吸い上げて良い展開ができるようになったんです。なにかあったらお客様に聞くことですね。
ーーアニメイトで働いていて、楽しかったことはありますか?
これだけ日本のアニメ、マンガの文化が認知されて盛り上がってるところに関われて、お店を作って、イベントをやったり、社員・スタッフのみんなと一緒に関われたのは本当に良かったと思っています。
新店舗のオープンでお客さんが賑わってくれるのは最高の幸せでした。
ーーでは最後に、阪下さんにとってアニメイトとは?
阪下:日本に誇れる文化の根本に関わっている場所。無くてはならないお店じゃないかな。いろんな人への癒しが集まっていたり、何かを得られる場所だと思います。
たくさんの人にアニメとの出会いを。その気持ちだけで店舗拡大をしていたとは驚きです。
幅広い年齢層のお客様にアニメイトを楽しんでいただいているのも、今回取材させていただいたみなさんの想いが詰まっているからなのだろうなと思います。
そしてそれは、リニューアルオープンするアニメイト池袋本店にも受け継がれています。
ついに次回は連載最終回。アニメイトの社長である藤樹潤さんのインタビューをはじめとして、新しいアニメイト池袋本店がどんなお店になるのかに迫ります。
次回もお見逃しなく!
[取材・文/石橋悠]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。