秋アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』はオタクが共感できる人生の教科書!? 青山吉能さん・鈴代紗弓さん・水野朔さん・長谷川育美さんインタビュー│青山さんの演技を見る際は抱腹絶倒の覚悟が必要!?
2018年より芳文社『まんがタイムきららMAX』にて好評連載中、はまじあき先生による人気4コマ漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』。本作は、極度の人見知りで陰キャな少女・後藤ひとりが《結束バンド》というバンドに加入し、伊地知虹夏、山田リョウ、喜多郁代の3人の個性的なメンバーとともに成長していく様が描かれます。
本作のTVアニメが、2022年10月8日(土)より放送開始。アニメイトタイムズでは、TVアニメ放送に先駆け、結束バンドのキャストメンバーである後藤 ひとり役・青山吉能さん、伊地知 虹夏役・鈴代紗弓さん、山田 リョウ役・水野朔さん、喜多 郁代役・長谷川育美さんにインタビューを実施!
出演が決まった際の心境やオーディションの思い出、原作を読んだ際の印象、アニメ序盤での注目ポイントなどを伺いました。
腰を抜かす、小躍り、ベッドにダイブ!?
――出演が決まった時の心境について教えてください。
後藤 ひとり役・青山吉能さん(以下:青山):事務所でマネージャーから聞いた時、嘘だと、そういったドッキリだと思っていて、結構薄い反応をしました……。
一同:(笑)。
青山:どうやら本当のことだったらしく、大きな声をあげて崩れ落ちたのをすごく覚えています。実際に腰を抜かすってこういうことなんだなと。
――オーディションの時のことは覚えていますか?
青山:本作では、テープオーディションのあとに、掛け合いでのスタジオオーディションの形式でした。このご時世でスタジオに集まるのが厳しいなか、スタジオオーディションも減ってきていますが、結束バンド4人での掛け合いをできるのが嬉しくて喜びを感じながらお芝居をした記憶があったような……なかったような(笑)。
伊地知 虹夏役・鈴代紗弓さん(以下:鈴代):なかったの!?
喜多 郁代役・長谷川育美さん(以下:長谷川):なかったんかい(笑)。
青山:すごく新鮮な気持ちでやりましたね。そのときはこの3人と出会っていなかったので、結束バンドのメンバーを聞いたときはなるほどなと思いました。
――お三方はいかがでしょうか?
鈴代:忘れもしない……正月明けの新年でした。オーディション時に原作を拝見しましたが、もうこんなのやりたいに決まってる、やりたい!という強い気持ちがありました。マネージャーから電話で合格を聞いたときはちょうど引っ越しの日で、掃除した何もない綺麗な部屋で小躍りしたのを覚えています(笑)。
実は、今日履いているスカートはスタジオオーディションに進んだと連絡をいただいたあとに、イベントがあったら履きたいと思って買ったもので。受かったわけでもないのに買っちゃったなと思いながらスタジオオーディションに臨ませていただきました。実際に履けてよかったです(笑)。
山田 リョウ役・水野朔さん(以下:水野):受かっていたとしたらそろそろ連絡が来るかなと構えていましたが、ずっと連絡が来ていなかったのでダメだったのかなと思っていました。
ですが、ちょうど家でのんびりとしていたらマネージャーさんから電話がかかってきて、怒られるのかなと思いながら恐る恐る電話に出ました。そうしたら、「リョウちゃん役、受かりました」と連絡を受けて、嬉しくてベッドにダイブしました(笑)。
テープオーディションでは、きらら作品ということもあり、事務所の方から「もっと可愛く」とディレクションをいただきました。ですが私のイメージでは可愛いではなく、違ったイメージがあるんです。リョウちゃんは可愛さが全くないわけではないのですが、絶対にこの声質だと自分のなかで決めていたので、そのイメージで挑ませていただきました。
長谷川:受かると一切思っていなかったので、
絶対に私じゃないなって。これで喜んで、もし結果が違ったときに落ち込んでしまうので絶対信じないぞ、と思っていましたし、マネージャーさんから受かったことを聞いても、信じられなかったです。
オーディションの話になりますが、実はテープオーディションの際にセリフを読むテープとは別に、思いを伝えるような1分程度の動画を撮ってほしいという項目があったんです。
青山・鈴代・水野:あった~!
青山:PR動画みたいな、テーマは自由でなにをしてもいいような内容でした。
鈴代:私は意気込みと自己PRでした。
長谷川:みんな違ったんだ! あとは、テープオーディションではなかなか見ないような量のセリフがあったよね。
青山:確かに!
長谷川:テープオーディションに加えて動画があると聞いて、どうせ美人か可愛くないと受からないんだと思っていました。そうしたら、奇跡的にスタジオに進ませていただき、記念受験だなと思いながらオーディションを受けに行ったのを覚えています。
青山:あとはオーディションの要項に「本質的に陰な方お願いします」と書いてあって、本質的に陰ってなんだろうなと思っていました(笑)。
一同:(笑)。
長谷川:事務所が誰を選ぶのか、どんな風に見ているのかわかるよね(笑)。
青山:それで私選ばれたの!?って。「おい、マネージャー!」みたいな(笑)。でも、おかげでみんなと出会えたからよかったです。
――ちなみに、撮影したPR動画の内容は覚えていますか?
鈴代: 中学生のときにドラマーに憧れていた時期があって、クリスマスプレゼントで親にドラムのスティックだけ買ってもらったことがあったのですが、とりあえずそのスティックを持ちながら、自分の長所と短所を一言ずつ話して、スティックは持っているけど出してみただけで〜す、みたいなことをした記憶があります…。(笑)テストなどはせず一発撮りして提出した気がします。
青山:何本も撮るようなものじゃないですからね(笑)。
――水野さんは覚えていますか?
水野:いや~実はあまり覚えていなくて。事務所の方に楽器ができるならその話をしてくださいと言われたので、ギターが弾けるというお話はした気がします。
青山:ギター弾けるんだ……。ひとりはギター担当なので弾けたほうが良いなと思ったんです。だから、弾けもしないのに人から借りたギターを持って「頑張ります」と言い、Cの音を鳴らして動画を締めたのを覚えています。
長谷川:私は楽器もできないので、喜多ちゃんに寄った話をしました。喜多ちゃんは名前を呼ばれるのを嫌う一面があって。私もあだ名をつけられるときに「いくみん」と呼ばれるのが大嫌いだったので、「私も下の名前で呼ばれるのが嫌です」といった話をしました。
オタクが共感できる人生の教科書? それぞれが感じた原作の印象
――原作を読んだ際の印象をお聞かせください。また、おすすめポイントがあればお聞かせください。
青山:おそらく共感しないオタクはこの世にいないんじゃないかなと。オタクに限らず、陽キャと呼ばれる人たちでも、絶対に一度は思ったことあるよねという描写があり、読者に寄り添ってくれる漫画だなと思っています。
言葉で表してこなかった感情などを色鮮やかにあの手この手で表現してくれているので、救われるといいますか。
この漫画を読んで色々と学びましたし、人生の教科書だなと思いました。なので、ぜひ皆さんにも読んでいただきたいです。
――鈴代さんはいかがですか?
鈴代: 虹夏ちゃんには虹夏ちゃんの夢や目標があり、ぼっちちゃんにはぼっちちゃんの考えていることがある。みんなでバンド活動をやっていくなかでそんな一人一人の思いが良い相乗効果となっていく過程に、ぼっちの陰要素がプラスされ、テンポの良いコミカル具合と少しスポ根の要素も入った青春感が、いい塩梅で盛り込まれているなと思いました。展開としてもドラマ性があり、そういったところがいい意味できらら作品っぽくないとも思います。それが初めての感覚で、印象として強く残っています。
ほかにも、ぼっちがミジンコやツチノコになったりと顔芸が面白く、そういった表現もかなり新鮮で、楽しく読ませていただきました(笑)。あとは、扉絵がアーティストさんのオマージュだったりしていて、バンドが好きな方にも嬉しい要素が盛り盛りだなと思いました。
水野:最初に原作を読ませていただいたときに、イラストや色合いがすごい可愛らしいので、ほんわかギャグマンガなのかなと。でも読んでみたら、主人公のぼっちが想像していたイメージと違ったことを覚えています。よっぴさんもおっしゃっていましたが、読めば読むほど、ぼっちが主人公のおかげで、自分は陰キャじゃないのかもしれないと思えてきます。
そして、他の登場人物のみんなも優しいんですよね。ぼっちに対しての優しさがあって、青春をしている気分に自分もなれますし、こんな青春をしたかったなと思えるところがたくさんあります。見ていて面白い上にほっこりもできるので、落ち着いた気持ちで読めました。
長谷川:原作を読んだときは、限られた4コマの枠、同じ大きさの枠のまま、しっとりするところはしっとりと、でも面白いシーンは盛り上がってオチをつけて。決められた枠で進んでいくのに、飽きずに読み進められて、すごい面白い作品だなと思いました。
また、可愛い雰囲気の作品かなと思っていましたので、きらら作品とは思えない主人公像に、いい意味で裏切られました。ひとりの奇行には本当に笑わせてもらいますし、ほっこりさせてもらっています。
その中でも、ひとりが輝く瞬間もあり、そういったシーンもたまらないですし、読んでいて嬉しくなったりします。そんなところがこの作品の魅力だなと思います。