この記事をかいた人
- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
──さきほど怒りの感情についてのお話がありましたが、近藤さんと石見さんが怒りの感情を抱いているところって想像ができないです。
石見:私だったら拳銃を向けられた瞬間に逃げると思います(笑)。
近藤:(笑)。この作品、ガヤを録るときに汚い言葉をたくさんぶつけるんです。そこで皆さんストレス発散されていて。
石見:(笑)。
近藤:ガヤ録りがはじまった瞬間に形相を変えて叫び出します(笑)。すべての鬱憤を晴らすかのように。
──近藤さんも? なんだか意外です。
近藤:はい(笑)。なごみは普段は可愛らしいところがあるのでみんながオラオラ言ってるのが羨ましいなと思っていたんです。だからガヤでは「おりゃああ!」と(笑)。楽しいです! 特に(しぃぽん役の)黒沢ともよさんがすごいです!(笑)
石見:「奥歯ガタガタ言わすぞ!」とか(笑)。
近藤:他にもいろいろ(笑)。オラオラなガヤもありつつ、アキバで勧誘しているメイドたちの声も当てているのでぜひ見ていただければと。
──おふたりは同年代なので、感覚的に近い部分や、似ている部分もありますか?
近藤:同い年なんです。前々から石見さんのことは存じ上げていましたし、共演してみたいなと思っていたんです。同じ作品にいても、分散収録が多いのでなかなかお話ができなかったんですよね。この作品でがっつりと共演できたのですごく嬉しかったです。
石見:私もです! 私が仲良くしてるお友達の番組のゲストに近藤さんがいらっしゃっていて。直接お話したことがなかったんですけど、そこで同い年ということを知り「会ってみたいな」と思っていました。同い年の声優さんってなかなかいなくて。
近藤:そうなんですよね! 一個上、一個下は多いんです。確か2話のアフレコのときに「同い年ですよね?」と話しかけた記憶があります(笑)。いつも何かしら話しかけていて(笑)。6話のときに「髪の毛を切られている!」と思い話しかけた記憶があります。
石見:髪の毛のこと気づいてくれて嬉しかった~! 私自身人見知りで「自分のことは誰も興味ないだろうな」と思ってしまって……話しかけられると嬉しいんですけど、なかなか自分からは話しかけられないんです(笑)。
近藤:私も人見知りなんです。でも「(石見さんと)話したいな!」と思って勇気を出して話しかけました。
石見:嬉しい~! でもまだお酒を酌み交わしてないんですよね……。
──姉妹の契りがまだ!
石見:そうなんです(笑)。お酒を交わしたい。
近藤:私は交わせないタイプなんですよ(苦笑)。でもオレンジジュースでも酔いますよ(笑)。
石見:それでも全然大丈夫! 次に取材してもらう頃にはマブになってるかもしれません(笑)。
──ねるらを演じきって、石見さんが改めて感じた本作の魅力は?
石見:現実に近いところがあるように感じています。アキバでこんなことが行われているわけはないんですが(笑)、感情に訴えかけてくる作品。理屈ではなく……人間臭さと言いますか。一人ひとりの生き方が決して美しいわけではないんですけど、人間って良いところも悪いところもあるじゃないですか。悪い人にも良いところはある。そういうところが私は好きなんです。
例えば店長。一見めちゃくちゃに見えるんですけど(笑)、店長にも良いところがあるし、誕生日サプライズを考える優しい心も持っていて。店長はねるらちゃんを利用しようとしましたけど、なごみちゃんにとっては店長が悪い人には映ってなくて。
良い人の話になってしまうんですが、“良い人”って自分にとって“都合の良い人”だと思うんです。例えば、世界を滅ぼす人が現れた時に世界を救ってくれた人はヒーローですけど、滅ぼしたい側にとっては、救ってくれる人はヒーローではない。そういうことに気付かされます。
──それぞれの大義があるわけですものね。
石見:そうなんです。その中にある人間ドラマがおもしろいなと思いながら見ています。私、そういうお話が大好きなんです。セリフの裏にも意味があるような、ちょっとドロドロした物語。最近だと『花束みたいな恋をした』という映画が好きで。「良いよ」という言葉は実は良くない。そういう日常の小さな共感をうまく組み込んだ作品ってすごいなと。
──お話を聞いていると、石見さんはクリエイティブなところにも興味があるんですね。
石見:憧れでもあるんだと思います。そういう脚本だと自然と言葉が出てくるんです。噛まないというか。お世話になった脚本家さんは「一度自分で声に出す」ということをおっしゃっていたので、それも関係しているのかもしれません。
近藤:(頷きながら)わかります。あと、さっきおっしゃってた「人間ドラマがおもしろい」という話にも共感します。とんとことんの人たちって店を守るために戦っているんですよね。憎しみをきっかけに動くのではなく「やられたらやり返す」精神というか……。人としての善の心を感じられて、キャラクターの印象も変わっていきました。
──なごみを演じていく中で、変化があったんですね。
近藤:敵の人たちも信念を持って戦っているけど……憎しみを動機に戦っている人が多いので、個人的には良くないなと思っています。とんとことんの「本当の正義を貫く」姿に心を動かされますし、戦いに勝つことを誇りに思う風潮を変えようとする存在がなごみちゃんなので。ある意味、世の中を変える作品なんじゃないかなと思っています。そういう深い部分を考えてしまう、とてもハートフルな作品ですね。
──そして、次回はなごみが……ハートフルな冥途戦争は一体どうなるのか……(笑)。
近藤:(笑)。今後もすごい展開になりますので、楽しみにしていてください!
[インタビュー・逆井マリ]
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
2022年10月6日(木)~TOKYO MXほかにて放送
TOKYO MX・サンテレビ・KBS京都・BS11
10月6日より 毎週木曜 24:00~ 放送開始
AT-X
10月7日より 毎週金曜 21:30~ 放送開始
リピート放送:毎週火曜9:30~ 毎週木曜15:30~
ABEMA:10月6日より 毎週木曜 24:00~
dアニメストア:10月9日より 毎週日曜 24:00~
ほか 各配信プラットフォームにて 10月12日(水) 24:00以降、 順次配信予定!
バンダイチャンネル
Hulu
U-NEXT
ツイキャス
auスマートパスプレミアム
J:COMオンデマンド メガパック
みるプラス
TELASA
ビデオマーケット
Google Play
ひかりTV
Rakuten TV
HAPPY!動画
クランクイン!ビデオ
原作:ケダモノランド経営戦略室
監督:増井 壮一
シリーズ構成:比企 能博
キャラクターデザイン・総作画監督:仁井 学
美術監督:本田 こうへい
美術設定:伊良波 理沙
色彩設計:中野 尚美
プロップ設定:入江 健司、 鍋田 香代子
撮影監督:石黒 瑠美
3D監督:小川 耕平
特殊効果:村上 正博
編集:高橋 歩
音楽:池 頼広
音楽制作:Cygames
音響監督:飯田 里樹
音響効果:中野 勝博
音響制作:dugout
アニメーション制作:P.A.WORKS
和平なごみ:近藤玲奈
万年嵐子:佐藤利奈
ゆめち:田中美海
しぃぽん:黒沢ともよ
店長:高垣彩陽