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- タイラ
- 99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えない間「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行いライターに。
庵野秀明氏(企画・脚本)×樋口真嗣氏(監督)コンビが贈る映画『シン・ウルトラマン』。
2022年5月13日(金)に公開された本作は、上記2人の新作であり、世界的な人気を誇る『ウルトラマン』を扱った作品で興行収入40億円超えとなるヒット作品です。
11月18日より、アマゾンプライムビデオにて『シン・ウルトラマン』の配信が決定! 配信にあわせて、本稿では作品公開後にファンや観客の間で話題となったワードやシーンをご紹介します!
庵野さん、樋口監督が拘った細かな怪獣やウルトラマンの造形や、シリアスながらシュールな展開、SNSでバズったワードなどをまとめます。
次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。
通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。 班長・田村君男(西島秀俊)、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)、非粒子物理学者・滝 明久(有岡大貴)、汎用生物学者・船縁由美(早見あかり)が選ばれ、任務に当たっていた。
禍威獣の危機がせまる中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。 禍特対には、巨人対策のために分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、神永とバディを組むことに。
浅見による報告書に書かれていたのは・・・【ウルトラマン(仮称)、正体不明】。
神永新二:斎藤工
浅見弘子:長澤まさみ
滝明久:有岡大貴
船縁由美:早見あかり
宗像龍彦:田中哲司
田村君男:西島秀俊
小室 肇:岩松了
早坂:長塚圭史
大隈 泰司:嶋田久作
狩場 邦彦:益岡徹
中西 誠一:山崎一
加賀美:和田聰宏
政府の男:竹野内豊
メフィラス:山本耕史
ザラブ:津田健次郎
ウルトラマン:高橋一生
ゾーフィ:山寺宏一
まずは映画のタイトルロゴの演出から様々な禍威獣たちが登場する冒頭シーンについて。
映画が始まると耳馴染みのある音が流れ、タイトルロゴが映し出されるのですが、なんと画面には『シン・ゴジラ』の文字が。そこから更にエフェクトと共に変化し『シン・ウルトラマン』という正規のタイトルが描かれます。
これは本作の元となる『ウルトラQ』『ウルトラマン』のパロディとなっており、開始直後から往年のファンのボルテージをMAXにしてくれる演出ですね。
そこから、活字で状況や用語を説明しながら矢継ぎ早にこれまで起こった出来事、登場した怪獣を振り返っていきます。画面の展開が早く『エヴァ』シリーズでこの演出に慣れてはいるものの、できることなら一時停止してゆっくり見たかったですよね! 今回は配信なので隅々まで楽しむことができます。
独特な演出やスピード感を含め、まさに『シン・ウルトラマン』だなと納得させられてしまう冒頭シーンになっています。
続いては、ウルトラマンの登場と禍威獣・ネロンガ、ガボラとの戦闘シーン。
『ウルトラマンZ』にも登場した電気を喰らう透明禍威獣ネロンガ。こちらは予告の時点でもその姿が公開されており映画公開前から注目されていました。ネロンガが地球で暴れているところウルトラマンがやってくるのですが、その登場シーンの迫力は凄まじいものでしたよね。
「ウルトラマン」という存在はもちろん知っていますし、この作品に出てくることも理解した上で鑑賞しているのにも関わらず、彼が砂埃の中から現れる瞬間は期待やかっこよさよりも「得体の知れない者に対する不気味さ」を強く感じてしまいました。このワクワクと不安が入り混じった感情は、当時テレビで初めてウルトラマンを見た方たちの気持ちとシンクロしたような気がして嬉しかったですね。
その後は、必殺のスペシウム光線でネロンガを倒し序盤から観客の見たいものを見せてくれました。
『ウルトラマン』シリーズに多く登場するガボラとの戦闘では過去作でおなじみの「縦回転するウルトラマン」も飛び出し、愛に溢れる演出が話題になりました。
本作には外星人であるザラブ星人も搭乗します。声優が津田健次郎さんということもありこちらもファンの間で話題になりました。暗闇から突如現れるええ声なザラブ、印象的な登場シーンです。
日本人の国民性を手玉に取って狡猾に条約を交わし、信用を勝ち取るザラブ。にせウルトラマンを利用してウルトラマンを抹殺する作戦まで指揮してしまいます。
そのにせウルトラマンとの戦闘シーンは名曲「遊星から来た兄弟」が使われていました。本楽曲は初代『ウルトラマン』の第18話「遊星から来た兄弟」でも使われていた曲。このエピソードにはもちろん「ザラブ星人」も登場しています。
他にも、にせウルトラマンが手を痛がるジェスチャーをするなど高度に原作再現がされていました。
劇中では、禍特対(カトクタイ)の分析官・浅見弘子が巨大化して登場します。この時点でおわかりのファンの方もいらしたと思うのですが、こちらは外星人であるメフィラス星人の仕業です。
『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」でも、メフィラス星人はフジ隊員を巨大化させており、そのシーンの再現となっています。
メフィラス星人もザラブ同様人間と交渉をするためにやってきた外星人で、物腰やわらかく劇中の日本に対して科学技術を共有する代わりに「メフィラス星人を上位概念として存在させてほしい」という無茶な提案をし、成立させてしまいます。本当の目的は人類を兵器として転用可能な生物資源として確保して置くことでしたね。
彼の態度や交渉決裂となったウルトラマンとの戦闘も話題となっていましたが、彼の口調や言い回しがSNSでバズり、「メフィラス構文」という文章まで生まれました。
それは彼のセリフ「〇〇、私の好きな言葉です」というもので、Twitterを中心にそれぞれの好きな言葉やシチュエーションなどを当てはめて盛り上がっていましたよね。ウルトラマンと融合する主人公・神永新二とブランコに乗ったり、居酒屋で話をするシーンもそのシュールさから話題になりました。
「割り勘でいいか?、ウルトラマン」
最後に、光の星からやってきたもうひとりの外星人・ゾーフィーについて。こちらは声優を山寺宏一さんが担当しており、鑑賞中のサプライズとなりました。筆者も声を聞いた瞬間に「山ちゃん!?」と興奮しましたね。
そんな彼は人類を救うためにやってきたのではありません。巨大化させたり、融合することが可能と判明した人類を利用する外星人が多く現れると予想したゾーフィーたち光の星は、人類を滅却するという判断を下しました。
ゾーフィーは人類を滅ぼすために「天体制圧用最終兵器ゼットン」を使用します。ゼットンといえば『ウルトラマン』第39話(最終回)に登場した怪獣で、ウルトラマンを倒した存在です。その強さやビジュアル、最強の怪獣という設定から人気の高いキャラクターですが、今回は星を滅ぼす兵器としての登場となりました。
ゼットンは起動されると、宇宙空間で徐々に形成されていくのですがそのシーンがかっこよすぎると話題になっていました。おなじみの「ピロロロ」という音や鳴き声を使用しつつ、ゼットンが形作られていく過程をゆっくりと神秘的に見せる演出で、神々しさを感じてしまうほど。これからアレに滅亡させられるのかと思うと絶望してしまいます。
ウルトラマンは人類と協力し、その生命をかけて見事ゼットンから地球を守りました。禍特対の非粒子物理学者・滝明久のひらめきとウルトラマンの力で共に道を切り開き映画は終わります。
激しい戦闘シーンから、専門用語が飛び交うSF展開、その中で行われるセリフや表情の演技など注目ポイントが濃密に詰まった今作。
配信では自分のペースで存分に『シン・ウルトラマン』を楽しむことができるので、未視聴の方はもちろんのこと、劇場で観た方も作品に対する新たな気付きが得られるかも知れません!
本作もタイトルとして含まれている『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース』のプロジェクトも盛り上がりをみてせており、公開を控えた『シン・仮面ライダー』も楽しみですよね。
ぜひ、『シン・ウルトラマン』を振り返ってこれからの展開に備えましょう!
99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えなかったので、「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行い、ライターに舵をきりました。面白いコンテンツを発掘して、壁に向かってプレゼンするか記事にしています。アニメ、お笑い、音楽、格闘ゲーム、読書など余暇を楽しませてくれるエンタメや可愛い女の子の絵が好きです。なんでもやります!