第9話は作中における第二のターニングポイント。『アキバ冥途戦争』なごみ役・近藤玲奈さん&店長役・高垣彩陽さん&取り立て屋役・内山昂輝さんインタビュー│野球回のアウト&セーフばかりのセリフに「こんなの初めてだ(内山)」【連載第10回】
CygamesとP.A.WORKSのタッグで贈る新作オリジナルTVアニメ『アキバ冥途戦争』が2022年10月6日(水)より放送中です。
第9話「秋葉生態系狂騒曲! メイドの萌え登り!!」では日本初のメイド・お萌を祀るアキバメイドフェスの様子が描かれました。本フェスのメインイベントは、メイドたちがお萌の像に登り、その挑戦を目指す「お萌様登り」。
しかし、実際はメイドによるの蹴落としあいの喧嘩祭。ケダモノグループの絶対的な生態系を示すため、凪の直営店・ギラギライオンが優勝するよう事前に働きかけた取り立て屋でしたが、優勝に輝いたのはまさかのとんとことんでした。そして、任務に失敗した取り立て屋は……。
インタビュー連載第10回は、和平なごみ役・近藤玲奈さん、店長役・高垣彩陽さん、取り立て屋役・内山昂輝さんが登場。取り立て屋の突然の「死」についても振り返りました。
「僕が死にました」
──第9話は日本初のメイド『お萌』を祀るメイドフェスの中で「お萌様登り」なるイベントが開催されました。そして最後に……。
取り立て屋役・内山昂輝さん(以下、内山):僕が死にました。
一同:(笑)
和平なごみ役・近藤玲奈さん(以下、近藤):突然でしたね。今までのゲストキャラは派手に死んでいくイメージがあったんですけど、取り立て屋さんは「あれ、もう死んでる」という感じで。予想外でした。
内山:取り立て屋が死んだ……それが一番印象的な回でしたね(笑)。
店長役・高垣彩陽さん(以下、高垣):めっちゃ可哀想だった。「えっ、取り立て屋!?」って衝撃を受けました。オリジナルアニメなので、先の展開は私たちも知らなかったんです。台本を読む中で、取り立て屋ってずっといる感覚がしていたので、ちょっと悲しかったです。しかも死んだ理由をよくよく考えると「店長のせいじゃ〜ん!」って。
一同:(笑)
内山:いつも店長のせいだよ!(笑)
高垣:はいっ! いつも店長のせいなんですけども!(笑)
──店長は生態系の手引きの冊子を放置してしまいましたからね(笑)。そして、お萌様登り当日は釣り堀に行き、その一方でなごみたちが張り切ってしまうという……。
高垣:とんとことんの悪気のなさが顕著に表れていました。店長も含めて頑張っているんですよね。周りとの熱量の差がすれ違いコントのような展開で(笑)。
──ケダモノグループの絶対的な生態系“萌え萌え序列”を破りお萌様登りで優勝してしまいましたね(笑)。
高垣:凪さんたちを本気で怒らせてしまいました。今後のターニングポイントになる大事な回になったと思います。
近藤:第6話が最初のターニングポイントだったとすると、第9話は第二のターニングポイントなのかなと思いました。とんとことんのメンバーがまっすぐに、真面目に進んでいってしまったことをきっかけにして、今後どうなっていくのか、ドキドキする回になりました。
高垣:あと、取り立て屋にも推しメイドがいたのが個人的には面白かった。とんとことんの人たちからすると取り立て屋って「おひねりちゃんを取り立てに来る怖い人」ってイメージが強かったと思うんです。でも、「“がお”いただきました!」って場面だったり(笑)、予定通りにいかずに慌てている姿も見られて、人間味があるんだなと。
内山:取り立て屋ってとんとことんの人たちには強く出てるけど、実は権力者ではなくて、グループに使われている人間なんですよね。ただ間に挟まれていたという。
高垣:中間管理職的なね(笑)。
内山:そうそう(笑)。でも、とんとことんの人たちは全然言うことを聞かない。「俺はどこで間違えたんだ、何をすれば生き残れたんだ」と苦悩していたんじゃないかと。
高垣:とんとことんの人たちは罪作りですよね。野球回もそうでしたけど、ストレートに燃えて野球をやった結果、知らないところで命を落としていた人がいるし。改めて振り返ると、いろいろなことがありすぎましたね(笑)。
──高垣さんは釣り堀で鯉と会話するシーンがありましたが、あの鯉って……。
高垣:鯉を兼役でやりました(笑)。鯉の声をどういう方向性にするか決めるため、何パターンか考えていっていたんです。テストでは鯉のおっさん的なイメージで話して。テストは1回なので「それでいきましょうか」となりましたが、「他にもパターンを考えてきたんですけど、裏声を使用するものを聞いてもらっていいですか?」と。それが好評だったので、少し声の高いパターンで演じました。
そのシーンを録ったあとに、増井監督から「今までのシーンの中で一番面白くて好きです」と言われて「良かった!」と思いました。やりがいを持って帰宅しました(笑)。
近藤:あのシーンは最高でした!
高垣:第5回の連載インタビューでもお話したのですが、アフレコ現場で試してみたり、こちらから提案することがあるんです。そういうのもオリジナルだからこその、キャラクターの振り幅なのかなと思っています。
シリアスな場面やバイオレンスな部分もありますが、結果的にその全てが「なんじゃこりゃ面白い」「見たことない」になる。それをみんなで作っている感じがありますね。