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- 篭法
- 内向的で口下手、典型的な陰の者。テーマやメッセージ、登場人物の心情を考えさせられるアニメが好み。小説も好き。
――村瀬さんから見て、メリオダスとエリザベスはどんなところに人間的な魅力を感じますか?
村瀬:メリオダスは天真爛漫そうに見えて、自分の芯やグイっといく力強さがあるのが魅力的だなと思います。
あとは梶さんの声との相性がすごくて。今回参加するにあたり、これまでのアニメを観返した時も、昔見た時と感じ方が違いましたし、今回アフレコで見させてもらった時は、声にオーラというか、力強さがすごくあって。「これは確かに強い人だわ」というメリオダスらしさが声にすごく乗っていました。
トリスタンと会話するシーンは、最初はその強さに引っ張られた印象が強かったです。その前のシーンのゴウセルとの会話では、彼がフラットな感じなので、こっちの素のところが出てくるんですが、メリオダスは「んで?」という切り返しなどで、自分にスっと矛が向けられたような、ピクっとする感じがあって。「これはウソをつけない」という感じが声に乗っていたのが印象的でした。
天真爛漫そうに見えて、やっぱりそれだけじゃない、激戦を勝ち抜いてきた感じが、声と一緒にキャラクターに表れていて。掛け合えて、その歴史に触れさせてもらえるのが嬉しいというか、貴重だなと思いました。
梶:嬉しい。ありがとうございます。
村瀬:エリザベスは、さっきの侍女とのやり取りの話を聞いていて、確かに、全然嫌味な感じじゃなくて、視聴者が「普段の中でこういうことが行われてきたんだな」とスっと感じ取れるようなものになっていたなと思いました。
そのときに特に意識していなくても、そういったことがパっと出てくるのは、ずっとやっている中で、一個一個細かいところも努力されている証拠だと思って、自分も見習わなきゃなと、話を聞いていて、ちょっと身につまされました(笑)。
一同:(笑)
村瀬:当たり前のことをきちんとやれるというのを改めて尊敬しました。
キャラクターで言えば、ママ上は本当に精神的にトリスタンが甘えたい存在というか。ママ上には自分の気持ちを打ち明けられるし、自分のことを何でも分かってほしいし、認めてほしいと。パパ上のドキっとさせられる部分とは別のところで拠り所にしている気がします。
でも、「もしも誰かを助けるために戦わなくてはいけない時が来たら、あなたはどうするの?」と、優しいながらも芯のある問いかけが、トリスタン的には一番刺さっているんですよね。「それは僕が今考えなきゃいけないことじゃないし、今僕が欲しい言葉じゃない!」と思って逃げ出す、めちゃくちゃ引っ張られたフックでした。
これは二人ともに言えることなんですが、やっぱり積み重ねとか歴史ってすごいんだなと思いました。
雨宮さんがシリーズが始まって最初のころは「もっと母性を」というディレクションをたびたび受けていた、というお話を聞いて、今回の現場ではそんなことは微塵も感じなかったのでビックリしました。お二人にすごく引っ張ってもらいましたし、安心して自分の仕事にきちんと打ち込んで専念できたと思います。
メリオダスもエリザベスも、もちろんキャラクター的にも魅力的なんですが、それ以上に「梶裕貴がやるメリオダス」「雨宮天がやるエリザベス」に引っ張ってもらったという気持ちがあるので、どうしても一緒くたに語っちゃいますね。
アフレコのときの影響がすごく大きくて、二人とも本当に素敵でした。「この中に入っていけるなんて!」と、とても楽しかったです。
雨宮:ありがとうございます。
梶:もっともっと家族のシーンやりたいね。
雨宮:やりたい! あとは現場でもっと話したかったです。
村瀬:終わったあとに3人でちょこっと話したくらいだったので。もっと家族団らんのシーンが欲しいです!
――今後の展開に期待したいところですね。最後に、前編の見どころをお聞かせください。
村瀬:とにかくトリスタンがいいやつなんですよ。それは偉大なパパ上、ママ上が大事に育ててくれたのもありますし、彼自身も擦れずにいろんなことを優しく、勇敢に、聖騎士として、国の将来を背負う王子として振舞っていこうと思っているからだと思います。
一方で、彼には暗い過去というか、自分自身にとってのトラウマがあって。そこにこれからどういう風に向き合うのかと、前編の引きも衝撃的なので、ニヤリとする方もたくさんいらっしゃると思います。後編にどうつながるのか、僕自身もすごく楽しみにしているので、ぜひ余すことなく、トリスタンの成長の物語を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
梶:トリスタンを主人公とした新しい物語の幕開けであることはもちろんですが、そこには『七つの大罪』で一貫して描かれ続けてきた“愛”というテーマも変わらずに存在しています。今回も、それがひとつの鍵となってくるかと。バトルやファンタジーといった刺激的な要素もありつつ、ネガティブな部分も含めて“人間の気持ち”というものが丁寧に表現されているところが、この作品の素敵なところだと思うので、本作に関しても、そのあたりに注目していただきたいです。
個人的な、そして具体的なオススメポイントを挙げるとすると、家族3人で食事をしているシーンがすごく好きでしたね。広い王宮の広い会食部屋の隅で、小さなテーブルを囲む彼らを見た瞬間、キュンとしました。
雨宮:エリザベスの変化は見ていただけたら嬉しいなと思いますし、全編3DCGで作られているので、とにかくヌルヌル動いていて楽しいと思います。
カメラワークもド派手ですし、今回、すごく気持ち悪い敵が群れで出てくるんですが、そのヌルヌル具合がより怖さを際立てていると思います。すごく新鮮に感じました。
梶:「ヌルヌルの敵」って言われると、ちょっとイメージが違って聞こえるね(笑)。
一同:(笑)
雨宮:スライム的な意味じゃなく、動きがヌルヌルしているという意味です(笑)。
トリスタンたちもまたカッコいいんですよね。今までの戦闘シーンももちろんカッコいいんですが、また違った良さがあるので、ぜひ注目していただけたらと思います。
[取材・文・撮影/篭法]
中学までは運動部だったが、だんだんインドア趣味になり、今では完全に陰の者。小説が好き。ライターを志すきっかけになったアニメは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。その他に好きな作品は『91Days』『SSSS.GRIDMAN』『ワンダーエッグ・プライオリティ』など。アイドル系の作品にはあまり触れてこなかったが、1年ほど前から『シャニマス』にハマり、ライブにも足を運ぶようになった。
2022年12月20日よりNetflixにて全世界独占配信
原作者・鈴木央描き下ろしストーリーで贈る「七つの大罪」完全新作映画!
<七つの大罪>と<黙示録の四騎士>を繋ぐ、""新たな物語""が始まる―――。
魔神族との戦いから14年。平穏を取り戻したリオネス王国の王子・トリスタンは、〈憤怒の罪(ドラゴン・シン)〉として“七つの大罪”の団長を務めた父・メリオダスの魔神族の力と母・エリザベスの女神族の力、大きすぎる2つの力を制御できずに悩み苦しでいた。そんな中、エリザベスの身に危険が迫り、トリスタンは王国を飛び出す。向かう先はエジンバラ。そこは、かつて王国聖騎士の集団<蒼天の六連星>に名を連ねたデスピアスが居城を構える地だった。果たして、デスピアスの目的とは?
そして、“七つの大罪”をも巻き込む、運命の歯車が動き出す―――。
原作:鈴木央「七つの大罪」(講談社「週刊少年マガジン」)
総監督:阿部記之
監督:ボブ白旗
脚本:池田臨太郎
音楽:KOHTA YAMAMOTO・澤野弘之
主題歌:「LEMONADE」SawanoHiroyuki[nZk]:XAI
制作:Alfred Imageworks × Marvy Jack
トリスタン:村瀬歩
妖精:内山昂輝
メリオダス:梶裕貴
エリザベス:雨宮天
バン:鈴木達央
ディアンヌ:悠木碧
キング:福山潤
ゴウセル:髙木裕平
トリスタン(少年期):小松未可子
デスピアス:阿座上洋平
プリースト:興津和幸
タイロン:徳留慎乃佑
ミニカ:小市眞琴
クルミル:下地紫野