WОWОWオリジナルアニメ『火狩りの王』炉六役・細谷佳正さんインタビュー|炉六は若林和弘さんに貰った課題みたいなもの【連載5回】
WОWОWオリジナルアニメ『火狩りの王』が2023年1月14日(土)から放送・配信スタートします。日向理恵子氏による“火”をテーマにした長編ファンタジー小説をアニメ化した本作。人類最終戦争後の世界を舞台に、多くの困難に直面しながらも懸命に生きる子どもたちの姿を描いた物語です。
独創性あふれるファンタジーと深いテーマ性に多くの読者が心打たれた作品のアニメ化に期待が高まる中、アニメイトタイムズでは『火狩りの王』スタッフ・キャストのインタビュー連載をお届けします。
第5回となる今回は、炉六役・細谷佳正さんが登場。本作の魅力はもちろん、音響監督を務める若林和弘さんとのエピソードなどを語っていただきました。ぜひ注目してみてくださいね!
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炉六役は音響監督・若林和弘さんからの課題みたいなもの
ーー本作の構成・脚本は押井守さんが担当されていますが、まずは脚本を読んで感じた作品の印象をお願いします。
炉六役・細谷佳正さん(以下、細谷):この仕事を目指して勉強していた頃に『人狼 JIN-ROH』や『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を好きで観ていたこともあって、個人的に、押井さんと音響監督を務める若林和弘さんのネームバリューから、高級感を感じる作品だとおもいました。
押井さんの作品のマニアックな知識はないんですけど、これまで自分が仕事をしてきた多くの作品ではキャラクターが台詞をかける対象が具体的なんです。でもこの作品は、別の人を意識していつの間にか対象に向けた話しかける描かれ方をしているシーンがあります。説明しづらいんですけど。日本語の感覚的な部分を、いい感じに使っているというか。
自分が覚えている範囲だと煌四が住まわせてもらっている屋敷で、炉六が階段を下りながら煌四に話しているんですけど、言葉の中で、階段の下にいる女性に向けたものに対象が変わっていて、それが印象的でした。
『普通に生きてる時に、無意識にやっている事だな』と。感覚的でやっているのが楽しかったです。
多分みている人は気づかないと思うんですけど、そういう細かい部分を丁寧に作っていくとキャラクターが魅力的になるだろうなと思っていました。
ーー炉六というキャラクターの印象や演じた感想もお願いします。
細谷:若林さんと一緒に仕事をし始めてから時間が経ちましたけど、自分が若かった頃にふられた役は、少年とか、青年とか、線の細い役が多かったんですね。
振られる役が時間が経つにつれて変わってきたというか…。今回の炉六もそうですけど。
頂く役のタイプがそれまでに無かったときは「そろそろこういう役をやってみたら?」っていうことなんだろうなと思うようにしています。
若林さんは演者を育てていこうという考えの人なので。炉六にキャスティングされたということは、『今の自分はそんな風に見えてるんだな』と。もちろんキャスティングを決めるのは若林さんだけでなく製作陣の意向もあるから、個人的にそう感じているというだけなんですけど。