竹内順子さん&杉山紀彰さんが語る、20周年を迎えたアニメ『NARUTO -ナルト-』の思い出 「作品を純粋に愛してくれる人の心にずっと残ってくれるといいな」│「NARUTO THE GALLERY」開催記念インタビュー
2022年12月10日(土)より秋葉原UDXにて、アニメ20周年記念展示イベント「NARUTO THE GALLERY」が開催されています。作中の魅力的なキャラクターの成長や、熱い戦いの中で生まれる絆にフィーチャーした本イベントでは、様々なアプローチの映像や職人の技が光る展示品などを通して、アニメ『NARUTO -ナルト-』の魅力が落とし込まれています。
開催を記念してアニメイトタイムズでは、うずまきナルト役の竹内順子さん、うちはサスケ役の杉山紀彰さんにインタビューを実施。20周年を迎えた心境や収録の思い出、気になる展示会の内容やグッズについてたくさん語っていただきました。
困った時は「だってばよ」
ーー「NARUTO THE GALLERY」は、アニメ放送20周年を記念した展示イベントとなります。キャストとして20周年を迎えた心境はいかがでしょうか?
うずまきナルト役・竹内順子さん(以下、竹内):全然実感がないんですよ! アフレコの100話記念も実感なくさらりと来るからね?
うちはサスケ役・杉山紀彰さん(以下、杉山):そうですね(笑)。
竹内:100話の10倍くらいでしょ⁉︎ もうわからないです(笑)。
杉山:『BORUTO-ボルト』になっても、同じ役でずっと関わらせていただいているので、20周年という感覚はあまりなくて。特別というよりは淡々とアフレコを続けています。
竹内:毎回、粛々と収録していますね。
杉山:ただ、20年も続けられたのは作品を応援してくださる皆さんのおかげなので。小さい頃から『NARUTO -ナルト-』を見ていた世代の方が収録現場にいらっしゃったり、アニメーターになった方のお話を聞くと、とても嬉しく思います。
だから、自分よりも『NARUTO -ナルト-』に影響を受けた方の話を聞いて、改めて時が経ったのを感じる機会が多いですね。
竹内:そこで20年続く希少な作品なんだと気がつきますね。
ーー『NARUTO -ナルト-』の収録はおふたりの日常生活にしっかりと染み込んでいるんですね。
竹内:そう、染み込んでいると思った時に突然なくなったら怖いですね〜(笑)。自分の大切な部分が失われるのよ。
杉山:怖いですねー!(笑)
ーーでも今回のような展示会があるほどに大人気ですから!
竹内・杉山:ありがたいことです!
ーー『NARUTO -ナルト-』の声優として活動してきた20年間で、作品からどのような影響を受けましたか?
竹内:私のはネタだから先に言うね! ナルトの口調「だってばよ」を上手く使って逃げることを覚えました!(笑)
杉山:どういうことですか?(笑)
竹内:困った時に「だってばよ」と言えば、尺は埋まるし、ナルトらしさが出るから(笑)。もちろん日常では使いませんが、台詞の尺の長さによって足し引きしています。取材される時などに、「だってばよ」を付けた方がナルトらしくなるので加えたり。
杉山:たしかに! その一言でナルトの色が出ますね。
ーーナルトの真似をする時以外は言わないですものね(笑)。
竹内:そうでしょう?(笑) 日常的に「だってばよ」とはみなさん言わないと思うので、私が一番言っているはずです! ナルトから貰った宝物ですね。ギネスに載るかも。
杉山:世界は広いから「だってばよ」に意味がある言語があるかもしれませんよ?
竹内:その可能性はあるかー!(笑) と、そんなパワーワードを私はもらいました! では、杉山さんどうぞ!
杉山:僕は真面目な方向で(笑)。地上波のテレビアニメでのレギュラーは本作が初めてだったので、たくさん演技の勉強をさせていただきました。アニメの戦闘シーンをどう演じれば印象に残り、余計な印象を与えないか、などの塩梅を学んだと思います。超人的な速さの動作に声を入れる方が野暮ったく見えるとかも、演出家の神尾(千春)さんと話したり。改めて振り返ると、声優のお芝居の足し算と引き算を学んで今の芝居の基本になったのだと思います。
ーーその中でどのようなことが深く印象に残っていますか?
杉山:(はたけカカシ役・井上)和彦さんや(自来也役・大塚)芳忠さんをはじめとする、レジェンドクラスの方々と一緒に収録させていただいたのが印象深いです。サスケが年上に対等な口調の時の会話で、台本に沿いつつ、呼吸を大切していて。若い頃は「ボールド(セリフを言う時に表示される印)にきっちり合わせなきゃ!」と思いがちでしたが、ナチュラルな会話方法を学びました。
ーーちなみに竹内さんはアフレコでどのような思い出がありますか?
杉山:竹内さんは1話の頃から「順ちゃんは完成されている」と神尾さんに言われていて。僕はアドバイスをたくさんもらっていましたが、竹内さんは神尾さんの信頼も厚くて任されていましたよね。
竹内:そんなことなかったけどね(笑)。もともと男の子の役が多かったですし、アクションやアドリブで自由に演じてもカットしてもらえる安心感があるので、躊躇がなかったからかな。
逆に、ナレーションのようなしっかりと話す予告は全滅でしたね。「順ちゃん棒読みだからね、波をつけようか」と言われることもありました(笑)。