『ぐらんぶる』『ハチミツとクローバー』『ブルーピリオド』など──大学生活は波乱万丈! さまざまな時間を謳歌する大学生たちの日常を描いたアニメ・漫画作品をご紹介!
大学生──。高校生からひとつオトナになり、成人を迎えるタイミング。大人になったことで責任が生まれつつ、勉学に励んだり、友人をはじめ色々な人と交友したり、バイトに精を出したり。色々な挑戦や時間の使い方が許される不思議な期間。
本記事では、誰もが憧れるステキな大学生活を送る人々を描いた作品をご紹介します!
季節は春。入学シーズンでもあるいまの時期、新たな生活に胸を膨らませる新入生の方や、世間の雰囲気にそわそわしてしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。これからご紹介する作品を見て、思う存分ときめいちゃいましょう!!
目次
ぐらんぶる
掲載雑誌:good! アフタヌーン / 講談社
作者:井上堅二、吉岡公威
既刊19巻
あらすじ
北原伊織は大学進学を機に、伊豆にある叔父のダイビングショップ「グランブルー」へ居候することになった。聞こえてくる潮騒、照り付ける太陽、一緒に暮らすことになるかわいい従姉妹……青春のキャンパスライフ!
そんな伊織を待ち受けていたのは──野球拳以外のジャンケンを知らない屈強な男どもだった!!
おすすめポイント
舞台は伊豆。スキューバダイビングをテーマとしていますが、実際にはほとんどを酒と裸とバカが占めており、とても素敵です。大学生だからこそできる青春、という1つの理想を体現している作品といえるのではないでしょうか。酒・ダイビングに絡めたひとつひとつのギャグや小ネタも本当に面白いです。
また、ギャグ要素がふんだんに盛り込まれている一方で、一歩誤れば危険を伴うダイビングに関する描写は丁寧に描かれています。締めるところはキチンと締めるあたりも大学生らしさが感じられます。
げんしけん
掲載雑誌:月刊アフタヌーン / 講談社
作者:木尾士目
全9巻
あらすじ
──春、笹原完士(ササハラカンジ)は意気込んでいた。「ある種」のサークルに入ると決意していたからである。サークル部屋から広がる楽しい大学生活を等身大で描く、アキバ系青春物語!!
おすすめポイント
現代視覚文化研究会──通称「げんしけん」にまつわるオタク大学生たちが主人公の本作。部室に集まって趣味の話に花咲かせ、夜は誰かの家でゲーム三昧、休日は皆でショップに買い物へ……そんな羨ましいオタクの日常が精彩に描かれています。
話が進むにつれ色濃くなる大学生ならではの恋愛模様も見逃せないポイント。口角が上がりっぱなしになること間違いなしです。
ただ、忘れることなかれ。これはオタクとして、人間として、彼らがどのように成長していくかというお話でもあるのです。読み進めていくうちに「こんな生活送りたかった!」と叫んでしまうかもしれません。
CITY
掲載雑誌:モーニング / 講談社
作者:あらゐけいいち
全13巻
あらすじ
一文無しの大学生・南雲の行くところ必ず何かが起こる。普通のCITYに住むちょっと普通じゃない人々。彼女が走ればCITYは回る、皆が繋がる。あらゐけいいちワールド全開のガールズ・ラン・コメディ開幕!
おすすめポイント
ザ・あらゐけいいちワールド!! とにかく登場人物が多く、気づくとどこかで何かが起きている。しかし全体を見るとすべてが繋がっている。CITYは回る、皆が繋がるとはそういうことなのです。ギャグではなくコメディというジャンル付けが、この作品の雰囲気にぴったりです。
いくら大学生でもこんな日常あってたまるかと言いたくなりますが、それもこの作品の魅力です。また、作者・あらゐけいいち先生の前作であり、現在も連載中である『日常』を思わせる人物名や演出が登場するのもファンにとってはたまらないポイント。
是非! 予測不可能なあらゐけいいち先生の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
惰性67パーセント
掲載雑誌:ウルトラジャンプ / 集英社
作者:紙魚丸
全9巻
あらすじ
美術系の大学に通う、女子大生・吉澤みなみ。彼女の住む部屋には、毎日友達が入り浸って……!? リア充ってほどではないけれど、ソコソコ楽しい日常が、惰性でダラダラ続いていく……。
おすすめポイント
女子大生・吉澤とその友人・北原 萌、男友達である伊藤と西田の4人が繰り広げる日常作品ですが、会話の多くが下ネタで構成されている本作。そういった話をしたいけれど、それほど踏み込む度胸はない“ムッツリ”の空気感が終始漂います。
そんな話が多いにも関わらず、登場人物が全員ムッツリなので絶対に一線は超えません。恋愛にも発展せず、ずっと友達のままです。そんな関係性も本作の魅力のひとつ。でもかなりエッチです。
エッチでムッツリ。惰性で流れる緩やかな日々。そんな日常が羨ましいという方も多いはず。間違いなく、おすすめしたい作品のひとつです!
ネムルバカ
掲載雑誌:月刊COMICリュウ / 徳間書店
作者:石黒正数
全1巻
あらすじ
大学の女子寮で同室の<先輩>鯨井ルカ&<後輩>入巣柚実。バンド活動に打ち込む先輩は、いつも金欠ピーピー状態。これといって打ち込むもののない後輩はバイトの日々……。
ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする<大学生>という不思議な時間──。ぐるぐる廻る青春のアレやコレやを描いた大学生日常ストーリー!
おすすめポイント
夢を追うひと、夢を持たないひと、全てに刺さる物語です。一巻完結の短編作品でありながら日常ストーリーがとても面白く表現されています。大学生とモラトリアムと将来と人生と……ついて回る不安は後を絶たない、だから止まれない。なのに進めない。なら、この先にあるものは──。
きっと、読む時期や人によって感じ方は様々だと思います。キャラクターの放つ心に残る金言にも注目の本作。先述の通り一巻完結の短編作品でサクッと読める短い作品ですが、読後の印象はとても濃密。どうぞお試しください!
四畳半神話大系
出版社:太田出版・角川書店(文庫版)
著者:森見登美彦
あらすじ
「大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう」
“薔薇色のキャンパスライフ”を夢見る、誇り高き三回生の「私」。しかし現実はほど遠く、実り少ない二年間が過ぎようとしていた。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。
いっそのこと、ぴかぴかの一回生に戻って大学生活をやり直したい! 迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、不毛と愚行の青春奇譚。
おすすめポイント
怒濤の早口で展開されるすべてを拗らせたモノローグとループものならではの見事な伏線回収が魅力の本作。アニメでは原作小説の4つの並行世界を再編した、10の並行世界を一話完結形式で描いているほか、続編とも呼べるアニメ映画『四畳半タイムマシンブルース』も大ヒットを記録しています。
また、本作はヒロイン・明石さんのステキっぷりも見どころ。各並行世界で垣間見る明石さんの愛すべき百面相に、きっとメロメロになってしまいます。どうぞみなさんも四畳半の世界に誘われてみては……?
ハチミツとクローバー
掲載雑誌:CUTIEcomics→ヤングユー→コーラス / 宝島社・集英社
作者:羽海野チカ
全10巻
あらすじ
全員片思い! 逆走ラブコメディー。美術大学に通う男女5人を中心とした青春群像劇。優しさが少しずつすれ違う、切なく、もどかしく、ちょっとおかしくて、そしてどこか懐かしい、そんな物語!!
おすすめポイント
全員片思いと謳われる通り、見た者全員の胸を締め付ける人間模様! 見ていると段々、夜道を全力疾走したくなるようなほんのり甘くて息が詰まる感覚に陥ります。ただ、決して苦しいだけではなく、優しさにあふれているのです。
本作はヒロイン・花本はぐみに、主人公である竹本とその先輩である森田が同時に一目ぼれしてしまうことからお話が動き出します。自分の恋心に無自覚なまま、関係の形を変えていく3人。そんな彼らのまわりでもまた別の恋、人間関係が動き始めます。
それぞれの進路に悩みながらも、自分や相手の気持ちにまっすぐ向き合おうとする登場人物たちの姿は、ある種の憧れを抱かせます。彼ら彼女らは何に苦しみ、何を思い、何を得たのか、そんな感情の流れを繊細かつ鮮明に描き出す巧みな表現も素敵です。
こんな風に人と関われたらいいな、と。そんな思いを感じさせてくれる作品です。
アヤメくんののんびり肉食日誌
掲載雑誌:FEEL YOUNG
作者:町麻衣
既刊18巻
あらすじ
舞台は某大学・生物学科の研究室。 今年の新一年生・菖蒲 瞬は風変わりな男の子。考古学者の息子で英国帰り。 恐竜オタクで、好奇心旺盛。
優秀な研究者になること間違いなし! ……と思いきや、先輩女子・椿の裸を見てからは彼女に興味津々。デートのお誘いもキスの仕方もとぼけた調子のくせに、やたら押せ押せで……!?
待て待て待て、口説くってそういうコトじゃないぞ!! 恐竜オタクの超マイペース研究室ラブコメディ!!
おすすめポイント
帰国子女で爬虫類大好きなアヤメくんと振り回される先輩・椿が織りなす生物学ラブコメです! ぼんやりと浮世離れしたアヤメくんと実は骨好き美女の椿さんという変わり者カップルが繰り広げる恋愛からは新鮮な印象を受けます。
生物学科の研究室が舞台ということで、動物や化石に関する雑学も盛りだくさん! 気軽に読めて面白い作品です!
数字であそぼ。
掲載雑誌:月刊フラワーズ / 小学館
作者:絹田村子
既刊8巻
あらすじ
読めば数学が好きになる!? 数学の本当の楽しさを味わっていく青春コメディ!
京都の名門・吉田大学理学部に合格した秀才・横辺建己(よこべたてき)。だが大学の高度な数学の授業を全く理解できず、人生で初めての挫折を味わう。しかし、ふたたび数学に向き合い、卒業という頂(いただき)を目指すことに……!?
周囲は頭はいいけど奇人変人だらけ! マイペースな教授や友人たちに囲まれ、建己の前途多難な大学生活が始まった!
おすすめポイント
微分積分、実数、ベクトル……これらのキーワードだけで頭を抱えてしまう方も少なくないはず。そんな方にこそ読んでほしい作品がこちらになります。
主人公・横辺建己は暗記の天才です。その能力を活かして名門大学の理学部に進学しますが、入学後初めての授業を全く理解できなかった建己は、大学の数学は暗記だけでは太刀打ちできないことを思い知り、完全に挫折し、引きこもります。
本作はそんな落ちこぼれの建己が周囲の助けを借りながら数学を少しずつ理解していく物語。そのため、数学に忌避感のある読者にもとっつきやすくお話がつくられています。苦手意識を持つ方も多い数学という学問も、本作を通して触れてみると案外面白く感じるかもしれませんよ!
もちろん数学の話を抜きにしても、大学生の日常コメディとしても面白く魅力的な本作。是非一度、お手に取って読んでみてはいかがでしょうか!
動物のお医者さん
掲載雑誌:花とゆめ / 白泉社
作者:佐々木倫子
全12巻
あらすじ
H大学受験前、その構内に足を踏み入れたときから、ハムテルの運命は決まっていた──。コワイ顔でも心優しいシベリアンハスキーのチョビ、姉御肌の猫・ミケ、暴れん坊ニワトリや超個性的な大学の面々に囲まれて、獣医師への門は開かれた──!!
おすすめポイント
主人公・公輝(ハムテル)と親友の二階堂が獣医師を目指し、H大獣医学部で奮闘する姿を描いたドクトル・コメディ! 連載当時、モデルとなった北海道大学獣医学部の志願者が急増したという逸話を持つ、社会現象を引き起こした作品です。
特徴的な絵柄と書き文字の唯一無二な雰囲気から繰り出されるギャグ。個性的な登場人物の面々とかわいい動物たちのふれあいが魅力的。生き生きと描かれる動物のあるある! な行動やコマの隅に小さく書かれる動物たちのセリフに、ついつい口元が緩んでしまいます。
綿密な取材の下で作品が描かれているので、獣医さんや動物のリアルな生活を伺い知ることができることも特徴。一話完結形式で様々なエピソードがありますが、どの話も面白く魅力的です。まっすぐなストーリーで読みやすく、老若男女全ての人におすすめしたい漫画です!
ブルーピリオド
掲載雑誌:月刊アフタヌーン / 講談社
作者:山口つばさ
既刊13巻
あらすじ
世渡り上手な努力型ヤンキーが絵を描く悦びに目覚める! 絵を描かない人にも刺さる熱くて泣ける美大受験物語!
成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。
おすすめポイント
どこまでもリアルな心理描写を用いて映し出される青春と美術と苦悩を描く本作。物語の冒頭、主人公の八虎は成績優秀な秀才として描かれますが、美術の世界に足を踏み入れた八虎を待っていたのは、これまでの経験が通用しない過酷な世界でした。
そこは正解のない芸術という未知の世界。才能や努力、表現の苦しみに向き合いのたうち回りながら、八虎は先を目指します。
アニメでは藝大受験の終了まで、現在も連載中の原作漫画ではその後の藝大生としての大学生活が描かれています。藝大に入学した後も八虎は課題や作品に悩み続け、時には苦しさのあまり逃げてしまうことも。それでも、友人や美術に関わる人たちとの交流を通してひとつずつ前に進んでいく八虎の姿に心打たれるという方も多いはず。
美術がメインの作品なので、美術関連のトリビアもいっぱい! ちょっと美術作品を見るのが楽しくなるかもしれません。
そして、何かに熱中する楽しさや個性的な友人たちとの青春生活も魅力です!
もやしもん
掲載雑誌:イブニング / 講談社
作者:石川雅之
全13巻
あらすじ
菌が見える特殊能力を持つ、もやし(種麹)屋の次男坊、沢木惣右衛門直保。彼は東京の某農大に入学する。農大を舞台に、沢木と研究室その他の仲間達、そして菌が活躍したりしなかったりのキャンパスライフ。大学生活のモラトリアム感と、菌が満載の「もやしもん」。あなたもぜひ、かもされてみてください。
おすすめポイント
農大を舞台に繰り広げられる超ボリュームの菌ウンチクが圧倒的な作品。主人公・沢木惣右衛門直保は肉眼で菌を見ることができる特異な能力を持っているため、本作では常に菌を中心としたドタバタな大学生活が描かれていきます。
酒に醤油に薬に納豆……身近なものから聞きなれないものまで、菌はあらゆるものに応用されてます。そんな奥深い菌の世界が、直保の目から見たデフォルメ姿で実に分かりやすく説明されています。
作中登場する、あいらしく色付けされた菌の姿は本当に多種多様。漫画ではコマの外にひとつひとつの菌の解説まで付けられていて、読み応えは抜群です。