冬アニメ『便利屋斎藤さん、異世界に行く』フランリル役 青木瑠璃子さん×ニニア役 田所あずささん第9話振り返りインタビュー|ニニアのフランリルへの執着のヤバさは田所さんの想定以上!? 青木さんとフランリルの共通点とは?【連載第8回】
シュールで引き込まれる作品。敵や悪役さえも嫌いになれず、最後に必ず希望があるところが魅力
――原作を読んだり、演じてみて感じた作品の印象、絵や設定、世界観などの魅力やおもしろさを感じた点を教えてください。
田所:シリアスとギャグのバランスが不思議であり、シュールで引き込まれる作品だなと思いました。
また、1話が複数のエピソードで構成されていて、お話ごとにこまめにサブタイトルが付いていたので「どうアニメ化するのかな?」と楽しみでした。アニメでもサブタイトルがこまめに入るところは踏襲していて、見やすくて、おもしろいと思いました。
青木:原作では結構説明が省かれていて、割と唐突にキャラが現れたり、お話が始まったりしますが、そのことがテンポの良さに繋がっていて、さくさく読めていいなと思いました。
――序盤はオムニバス形式で、サイトウたち以外のパーティや人物たちのお話も描かれていましたが、それが後にしっかり繋がっていて、伏線回収できているのもすごいなと思いました。
田所:登場した時は悪役っぽい立ち位置のキャラも、あとでその人のドラマを見てしまうと、それぞれ信念や理由があって、嫌いになれなくなります。
青木:完全な悪は出てこないからこそ感情移入できるんですよね。
田所:最後にちゃんと希望を残してくれるのもいいですね。死んでしまったキャラにも救いが残されているのが素敵だなと思います。
青木:あと異世界ものは、主人公が転生した後、困惑しつつ、どうすればいいのか試行錯誤するお話が多いですが、この作品ではサイトウさんが異世界にすっかりなじんでいるのもおもしろいですね。状況に疑問を抱いてはいますが、割と受け入れていて。
田所:いい意味で、みんなただ生きている、生活している様子を、私たちが見ているような作品ですよね。
――ご自身が演じるキャラクターの印象とご自身との相違点、共感した点などお聞かせください。
田所:ニニアちゃんと私はあんまり似ていないかなと思います。ニニアちゃんはフランリルちゃんへの執着がヤバいですが、私はそこまで他の人に執着するタイプではないので(笑)。
ニニアちゃんは一見、普通の子に見えますが、意外と狂気の部分を持っていて、収録でも「自分が思っているよりも、もっとヤンデレっぽくやってください」と言われました。ニニアちゃんのヤバさがアニメでも出せていたらいいですね。
――第2話でフランリルへ治癒の魔法をかけている時に「本当は私、あなたの傷を見るのが好きなの」と言ったり、二の腕にキスしたりと、確かにヤバかったです。
田所:ですが、ヤンデレなところ以外は常識人なので、普段はフラットにやるようにしています。
最初はキュート寄りな女の子なのかなと思っていましたが、「フランリルのお姉ちゃんみたいな精神性でいてください」と言われて、「そういう関係性の二人なんだな」と分かりました。
青木:フランリルはエルフですが、私が抱いていたエルフのイメージとは違うかもと思いました。エルフはきれいだったり、神秘的だったり、魔法が使えるイメージが強いと思いますが、フランリルは使えないですし。
似ている点といえば、ニニアから向けられている想いに気付かないところは近いのかもしれません。私も他の人にあまり興味がないほうなので(笑)。
――言葉遣いも割と男性っぽいですよね。
青木:断言口調でしゃべるので、言葉尻から優しさはあまり感じられませんが、ちゃんと他の人も気遣っているんですよね。あとは力で解決するタイプのキャラなので、演じる時は頭を空っぽに、体が先に動くような感じを意識しました。
サイトウさんにお願いできるとしたら、生活系の切実な問題!?
――収録現場の雰囲気や裏話等お聞かせください。
青木:ほぼ二人一緒に収録しています。
田所:二人は離れて行動することがほとんどないので。
青木:逆にサイトウさんたちとは一度もご一緒できていません。一度、勇者ご一行さまと一緒の時はありました。
田所:あとは第9話でギブングルさんとご一緒できたくらいですかね。
――やりやすさもある反面、寂しさもあるのでは?
青木:何よりも全体像が見えないので寂しいですね。私たちは早めの段階で収録しているので他の方の声も聴けていないんです。
田所:正直、どんな声なのか、いまだに分からないキャラもいます(笑)。なのでオンエアが楽しみです。
――PV等の映像をご覧になった感想をお聞かせください。
青木:PVを見て、原作の絵画っぽい雰囲気がよく出ているし、メリハリも効いているなと思いました。
田所:絵がきれいすぎて、「これ、劇場版じゃないの?」と思ったくらいでした。やわらかい色使いで、見ているだけで癒されましたね。(取材時点で)完成映像をまだ見ていないので、美しいシーンやバトルがどう表現されているのか楽しみです。
――ご自身のキャラ以外でお気に入りのキャラを教えてください。
青木:ギブングルが好きです。なぜだか分からないですが、モーロックさんに傾倒しているのがおもしろいなと思いました。一緒に収録できてよかったです。
田所:この作品はおじさんがみんな、かわいいんですよね。
私はモーロックさんかな? 普段はダサイところばかり見せていますが、大事な時には助けてくれますし。みんな、モーロックさんのことが好きになっちゃいますよね。
青木:すぐ呪文忘れるけど(笑)。
田所:キスルギたちとの戦いでは、彼らの過去を知って情けをかけたりしていて、そういうカッコいいところにやられてしまいました(笑)。次の第10話でも、モーロックさんがフィーチャーされているので、もっと好きになってしまうと思います。
――サイトウは異世界転生前には便利屋の従業員、転生後も便利屋として仲間をサポートしていますが、今、おふたりがサイトウや便利屋にしてもらいたいことはありますか?
青木:お風呂のパッキンを直してほしいです。
田所:まさに便利屋さん(笑)。
青木:3回くらい修理に来ていただきましたが、「メーカーが分からない」とか「うちでは対応できない」と言われてしまって。それなら最初から便利屋さんを呼べばよかったなと思いました。
田所:生活系はありますね。私はルンバを使っているんですが、いつからかガイドが日本語にならなくて、どこの国かわからない言葉でしゃべられて困っています(笑)。
青木:ルンバって今、しゃべるんだね。うちにもルンバがあるけど、しゃべらないやつだからびっくりした。
田所:めっちゃしゃべりますよ。不思議な言葉を(笑)。何を求められているのか分からなくて困ってます。
――田所さんが分からない言語となるとアジアやヨーロッパではなく、中東あたりでしょうか?
田所:巻き舌っぽかったです(笑)。説明書を読めば、すぐに解決できるのかもしれませんが、面倒くさいので、サイトウさんに来ていただいて、日本語に直してもらえたらと思います。
――そういえば、サイトウたちが新ルートの入口を開拓した時にもルンバらしきものがありました。
田所:あれを見て、自分の家のルンバのことを思い出しました(笑)。
――それか現場で分かる人に直してもらうのもアリかと。
田所:持っていくのは重いので嫌です(笑)。