『映画ドラえもん』シリーズ最新作『のび太と空の理想郷(ユートピア)』古沢良太さん脚本のオリジナル作品で、理想郷を舞台にのび太たちがたどり着いた「らしさ」とは?/堂山卓見監督インタビュー
『映画ドラえもん』シリーズ最新作『のび太と空の理想郷(ユートピア)』が3月3日より全国公開! 今作は『ドラえもん』シリーズ&長編アニメで初監督を務める堂山卓見監督と、ドラマや映画のほか、アニメ『GREAT PRETENDER』や『GAMBA ガンバと仲間たち』などでも脚本を担当した古沢良太さんがタッグを組んだ長編オリジナルアニメです。
クラスメイトから誰もが完璧で幸せになれるユートピアの話を聞いて、憧れるのび太。ふと空を見上げると空中に浮かぶ島を発見。それがユートピアだと信じるのび太はドラえもんに調査したいとお願い。ドラえもんが用意したひみつ道具「タイムツェッペリン」に乗って、探索に出たのび太たち。過去の新聞記事を元にいろいろな時代に出かけ、遂にその島と遭遇。そんな矢先、ドラえもんたちは謎の集団の襲撃を受けて……。
『映画ドラえもん』シリーズらしい、ワクワクする大冒険を描きつつ、楽園の正体やうごめく野望などドキドキする物語が待っています。またゲストキャラをKing & Princeの永瀬 廉さん、南海キャンディーズの山里亮太さん、藤本美貴さんが担当。更に重要キャラを井上麻里奈さん、水瀬いのりさんが演じています。
映画の公開を記念して、堂山卓見監督に映画のテーマや見どころなど語っていただきました。
『ドラえもん』は子供たちに夢を与えつつ、社会問題も入れつつ、エンタメ要素を盛り込んだ作品
――『ドラえもん』に関わるまでにどのような印象を持たれていましたか?
堂山卓見監督(以下、堂山):子供の頃から見ていて、誰もが知っている作品で、子供たちに夢を与える作品であり、大人になってから見返すと環境問題や社会問題などの重いテーマが入っていつつ、それでも日常が楽しいなと思える作品だなと。そして日常に根差した生活ギャグもあり、エンタメ要素が全部入った作品だなと思います。
――TVシリーズと長編ものの劇場版の違いも特徴ですよね。
堂山:そうですね。TVシリーズは日常的で、すぐそこにのび太くんやドラえもんがいるんじゃないかと思える近しい存在ですが、そんなのび太くんたちが大冒険を繰り広げるのが劇場版で、普段のび太くんたちを近くに感じられるからこそのワクワク感があるのかなと思います。
――印象深い『ドラえもん』作品を挙げるとすれば?
堂山:今回発表があった時、「『のび太と雲の王国』(1992年公開)のリメイクでは?」という反響もあったんですけど、僕が子供の頃に見た『ドラえもん』の映画の最後がこの作品でした。見た当時の小学6年生になると、いろいろなことがわかり始める時期で、「『ドラえもん』ってこんな社会問題的なものが入っていたっけ?」と思って、原作を読み直してみたらやっぱり入っていて。『ドラえもん』シリーズの良さと深さに初めて気付いた映画でした。
――ちなみに監督が初めて『ドラえもん』シリーズに関わったのはいつ頃ですか?
堂山:当時、大杉(宜弘)監督とご縁がありまして、「やってみない?」と声をかけていただいたのがきっかけで、TVシリーズの「ハツメイカーで大発明」に絵コンテで入ったのが最初です。
――『ドラえもん』に関わることになった時の感想は?
堂山:信じられませんでした。子供の頃からずっとある作品に、自分が作る側で関わる日が来るなんて想像もしていなくて。例えば初めから『ドラえもん』が作りたくて会社に入ったなら自然な成り行きかもしれませんが、僕の場合はいただいたお仕事がたまたま『ドラえもん』だっただけで、とてもビックリしました。