アニメファンの依頼は絶えずあり!? 「レンタルなんもしない人」グッズ化記念インタビュー│人生観が変わった依頼とは?
なんもしない人を貸し出す「レンタルなんもしない人」。ひとりでは入り辛いお店に同行したり、仕事をサボらないように見守ったり、ただ悩み事を聞くなど、多岐にわたる依頼を請け負っています。
なんもしないからこそ「レンタルなんもしない人」を求める声は多く、Twitterを中心に話題に。メディア出演やドラマ化でさらに知名度を上げ、2023年3月現在Twitterフォロワーは41万を突破しています。
そんな「レンタルなんもしない人」のグッズがムービックより販売決定! 今回は「レンタルなんもしない人」のなんもしない人さんにインタビューを実施し、印象深い依頼やグッズ化に関するお話を伺いました。
行動の根底にあるのは「楽であるか面白いか」
──メディア出演やドラマ化などされていますが、始めた当初は予想されていましたか?
レンタルなんもしない人さん(以下、レンタルさん):全くです。始めたころに書籍化を妄想したりしましたが、ドラマ化なんて妄想すらしていなくて。
──活動が多くの方に広まったことで、依頼者層や依頼内容に変化はありましたか?
レンタルさん:いろいろな依頼がありすぎて言い切るのは難しいですね。ただ初期は「人をひとり貸し出します」というサービスを利用者や興味を持っている人を含めて、どう使うのか模索状態だったんです。
だから依頼内容も、「人気のあるお菓子の行列に並んでほしい」とか、「仕事をサボらないように見守ってほしい」とか、「ひとり分の人間の存在が必要なシーン」としてパッと思いつきやすいものが多くて。
でも知名度が増えるにつれて「なんもしない」という部分に重きを置いた依頼が増えてきました。例えば悩み事を聞くとき、友だちや家族だと共感したりアドバイスをしたりすると思いますが、それが嫌な人もいて。そういう人からの依頼が徐々に増えていった気がしますね。
──Twitterでは依頼を紹介されていますね。
レンタルさん:面白い読み物として見ている人や、今後自分が依頼をするときの参考にしている人もいるみたいです。
──今の依頼料は1万円ですが、有料に変更されたことで変化も?
レンタルさん:すぐに終わるような依頼や、DM上だけで完結する依頼、あと学生さんからの依頼は減った気がします。
待ち合わせをすれば1限に間に合うかもしれないから「待ち合わせだけしたい」とか、忘れ物をしないために「DMで体操服と送ってほしい」とか。2時間、3時間使って話を聞くとか、どこかに行くような依頼が増えた気がします。
──遠方に行かれたりと結構アグレッシブに活動されていますよね?
レンタルさん:たまに遠方に行くのは面白いなと思って。韓国に行ったりもしました。
韓国で1人旅してるあいだ1日だけ夕飯に付き合ってほしいとの依頼。人と行動するのが苦手なため1人旅をよくするが夕飯だけは誰かと食べたいとのこと。1回の食事だけのために韓国まで呼べる友達は思い当たらなかったらしい。夜ソウルで合流しサムギョプサルなどを食べて解散。翌朝早起きして帰りました pic.twitter.com/xEbmRLwr4L
— レンタルなんもしない人 (@morimotoshoji) September 29, 2022
──海外もですか!
レンタルさん:基本的に東京近辺で、たまに関西に遠征したらその地で依頼を募集したりして。そういうことがたまにあるほうが面白いなと思っています。
──行動の根底は「面白い」なんですね。
レンタルさん:そうですね。楽であるか面白いか、です。でも面白いばかりだとそれはそれで疲れてしまって。
依頼する側としても面白くないといけないんじゃないか?と思ってしまうので、必要だったら普通に依頼をしてほしいですね。僕としてもそのほうが依頼の幅が増えるのでありがたいです。
──サービスの基本的な部分は忘れずに、ということですね。
レンタルさん:そこは一番大事かもしれないです。
──すごくお忙しいと思うのですが、ひとりで活動しているとトラブルも多いのでは?
レンタルさん:相手が来ないことはちょこちょこあります。
──マネージャーを付けたりしないんですか?
レンタルさん:過去、マネージャーを付けませんか?と芸能事務所の方に声をかけていただいたことがあります。でも、興味はありましたが、お話をしていく中で保留となりました。
──なにか理由が?
レンタルさん:僕への依頼はプライバシーに関わっていることがかなり多いんですけど、そこに第三者がいると頼みにくくなってしまうのではないかと思いまして。
──たしかに、人が増えるとそれだけ話が漏れてしまうかもしれませんからね。
レンタルさん:もちろんマネージャーがいることで、企業からの依頼などでお金の話がしやすかったりと、大きなメリットがあります。でも僕は通常の依頼をメインとしているので今はこのままでいいかなと。そのほうが頼みやすさに繋がるとも思いますし。
──芸能事務所からのお誘いもあるんですね。
レンタルさん:3年前くらいですね。そのころはテレビ出演が多く、ひとりで活動することが大変だったのが伝わったのではないかなと思います。
──これからもひとりで続けられるんですか?
レンタルさん:先のことはわかりませんが、いまのところ問題はないと思っています。