この記事をかいた人
- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
アーニャと同じように被検体だった過去を持つフォージャー家の飼い犬・ボンド。賢い軍用犬の研究を目的としたプロジェクト<アップル>も詳細は明かされないままですが、実はアーニャが関わっていた研究やイーデン校とのつながりを思わせる伏線がたくさん描かれています。
アーニャもボンドも辛い記憶として研究所時代を思い出すシーンが作中で描かれますが、実はそこに同一人物と思しき研究員が2名登場しています。1人は眼鏡にスキンヘッド、もう1人は眼鏡にチョロンとひと束前髪がある人物(以下、チョロ前髪)です。(原作1話・22話)
ここまでフォルムがそっくりということは彼らは同一人物である可能性が高いでしょう。ということは、アーニャの研究をしていた“とある組織”=プロジェクト<アップル>の研究チームなのでしょう。
気になるのはアーニャの研究とボンドの研究が地続きのものなのか、全くの別ものかということですが、この考察のヒントとなりうるものが被検体時代の識別番号。先述の通りアーニャは被検体“007”、一方ボンドは研究員たちに“8号”と呼ばれています。……7と8、連番ですね……。プロジェクト<アップル>は他にもたくさんの犬たちがいたことがわかっているので偶然かもしれませんが、気になるポイントです。
また、チョロ前髪が<黄昏>の旧友である可能性も浮上しています。原作62話で描かれた<黄昏>の少年時代のエピソードに眼鏡にチョロンと前髪のある少年が登場しているのです。
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彼は<伍長>というコードネーム(というよりあだ名)で呼ばれており、<黄昏>を含めた4人組でいつも遊んでいたよう。チョロ前髪と<伍長>は本当に同一人物なのでしょうか。ここまで特徴を似せる理由は同一人物であるか、作者の遠藤達哉先生がこの風貌が特別好みであるかのどちらかだと思いますが、考察好きとしては前者であってほしいです。
その後、東国との戦争が勃発。戦争下で彼らが青年に成長した頃、<黄昏>以外の3人は無謀な作戦に参加し「戻ってきたのは3人の認識票(ドックタグ)だけだった」と亡くなったように描かれています。しかし、<黄昏>が遺体を確認したわけではなく、厳密には死が確定しているわけではありません。本当に2人が同一人物だとしたら、戦争の混乱の中で生き延びて研究員となるまでどんな経緯があったのか。
4月3日に公開された78話では、<黄昏>の上司であるハンドラーが「プロジェクト<アップル>の研究チームの一部が今も残存している可能性が出てきた」と発言しており、今後詳細が明かされるようです。
本当にチョロ前髪が<黄昏>の旧友だったならば、対面した場合様々な問題が発生します。亡くなったと思っていた旧友との再会自体は喜ばしいものかもしれませんが、友達が娘や飼い犬を苦しめていた張本人だとしたら? そもそも<黄昏>の本名や素性を知っている旧友と会ってしまうことはスパイとして最もタブーなことでは? 状況によっては<黄昏>の身に危険が及ぶ可能性さえあるかもしれません。
アーニャが通う名門・イーデン校。アーニャは父・ロイドを任務の標的であるドノバン・デズモンドと接触させるべく、ドノバンの息子でクラスメイトのダミアンと仲良くなろうとしたり、懇親会の参加資格を得られる“皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)”を目指したりと(彼女なりに)努力を続けています。
そんな学び舎であるイーデン校ですが、その校章が実はリンゴをモチーフとしているのです。そう、<アップル>なのです。リンゴは、旧約聖書に書かれている最初の人類・アダムとイヴが食べて知恵を得たと考えられており“知恵の象徴”とも言われる果物。そのため、校章として用いられることも不自然ではないのですが……何か繋がりがあることを期待してしまいます。
ちなみに、イーデン校の鐘の音も「リンゴーン」と表記されています。これも何かの伏線……かもしれません。
そんなイーデン校ですが、最も謎を秘めているのはロイドとアーニャが参加を目指している“懇親会”でしょう。優秀な成績や社会貢献などを評価され、星(ステラ)を7つ獲得した“皇帝の学徒”とその親、かつてそうだったOBのみが出席できるこの懇親会。
開催される際には厳重警戒が敷かれ<黄昏>ほどのスパイでも侵入が難しいといいます(原作37話)。政財界の大物が集まる社交場にもなっており、錚々たる顔ぶれが参加するのがその理由ですが、とはいえ学校の懇親会に首脳会談並みの警戒態勢というのもやりすぎではないでしょうか。私にはもっと秘匿したい何かがあるように思えて仕方ありません。
また、ダミアンの兄をはじめとした現役の“皇帝の学徒”が未だに登場しないのも不思議です。ダミアンの兄くらいは出てきてもよさそうなものの、弟との電話越しの会話のみで姿は現していません。
“皇帝の学徒”が参加する“懇親会”はプロジェクト<アップル>、ひいてはアーニャが受けていた研究と裏で繋がっている……そんな展開もあるかもしれません。少なくとも物語のヒントとなる秘密を彼らが握っている可能性は非常に高いでしょう。
アーニャを中心とした伏線を軸に改めてじっくり考えてみると、まだまだ明かされていない部分がたくさんあり、今後の展開が楽しみな『SPY×FAMILY』。
アーニャの過去が明かされるとき、仮初めの家族・フォージャー家にはどんな未来が待っているのでしょうか。物語の行方に注目です!
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。