メンバーの関係性は『ジョジョ 3部』のよう!? ボルツとロビンはフワッとした存在だからこそ良い!『THE MARGINAL SERVICE』杉田智和さん&中村悠一さんインタビュー【連載第4回】
ジャパン澁宿という架空の世界を舞台に、≪境界人≫と呼ばれる”伝説上の生き物”が起こす事件を解決する≪マージナルサービス≫というチームの活躍と、≪境界人≫たちの謎やドラマを描いたオリジナルTVアニメ『THE MARGINAL SERVICE(ザ・マージナルサービス)』が放送中!
第3話では、世界一のポップスターとして名を馳せるラバー・スーツが主催するオークションに潜入し、幻覚キノコの成分を高める水晶髑髏を奪還することになった≪マージナルサービス≫の面々。強靭なセキュリティを切り抜けた先には? そしてラバーの企みは一体? 先々に繋がる展開と豊富な映画ネタが詰まった濃厚な第3話でした。
アニメイトタイムズでは、本作のインタビュー連載を毎週掲載中。第3回はボルツ・デクスターを演じる杉田智和さんと、ロビン・ティンバートを演じる中村悠一さんに登場いただき、作品に関する率直な感想を語っていただきました。
前回のインタビューはこちら
なにを見せられているんだ?
ーー作品資料をご覧になった際の感想を教えてください。
ロビン・ティンバート役 中村悠一さん(以下、中村):僕が最初にマネージャーから作品について教えてもらったときは、まだざっくりとした概要だけで、派手になにかをする作品というよりは地味に任務をこなしていく作品という印象を受けました。それがまさか、あんなにバズーカーをぶっ放すなんて。内容がまとまってから企画書をいただいたときは「全然思っていた話と違うじゃん」と。
ーー(笑)。
中村:最初の資料だと裸になるような作品ではないんですよ(笑)。
ボルツ・デクスター役 杉田智和さん(以下、杉田):Cygamesさんが新規のアニメを立ち上げるということで、すぐにスケジュールを抑えました。アフレコが始まる前にあまり内容を聞かされていなかったんですけど、台本をチェックしていると「映画あるある」やオマージュが散りばめられていることにすぐ気づきました。明らかに『コマンドー』が好きなことは伝わりました(笑)。個人的に「あれは嘘だ」というセリフを言わせてもらえたのは嬉しかったです。
オマージュ作品の元ネタは初見だとけっこうわからないものも多かったので、観る方の中にも「一体、なにを見せられているんだ?」と感じる方がいるかもしれません。なので元ネタについてはそこまで心配していないです。
ーースタッフさんから元ネタについての解説はなかったんですね。
杉田:一切ないです。
中村:なかったですね。
杉田:もっと言えばキャラの説明すらなかったです。
ーーえ!? では設定資料を読み解いたり、スタッフに確認をして役作りをしたということでしょうか?
杉田:スタッフに聞いてもあまり教えてくれませんでした(笑)。
中村:そもそも、そこまで緻密な資料をいただいていなかったんですよ。なので体当たりで役を作っていくといいますか。
やはり僕らは主役ではないので、主役のふたりがどういうアプローチで演じるのかを確認して、その上でふたりとぶつからないような役作りをしました。僕らのキャラは筋肉がアイデンティティなので、ふたりとも被っちゃっていますが(笑)。
ーー(笑)。
中村:それもどうかと思いました(笑)。でもアイデンティティである以上、そこは意識しつつ、口調から読み取っていって。メインキャストは皆そういう役作りをしているんじゃないかなと思います。具体的な生い立ちであったり、≪マージナルサービス≫に参加した理由もわかりませんでしたから。
ーースタッフ側に意図があったんでしょうか?
中村:監督が意図していたそうで、アフレコの最初に「皆さんでキャラクターを組み上げていってください」と説明されたことを覚えています。
杉田:そういえば、言われていた気がする。
中村:全体的にお任せしていただいたんじゃないかなと思います。
ーーそれはオリジナル作品だからこそなのでしょうか?
中村:そうですね。原作がある作品だと先の展開はわかっていますし、僕らも先の展開を読んだ上でイメージするので。でもオリジナル作品だと毎週、台本をいただくたびに新情報があって。今作だとボルツとロビンは仲が良いと思っていたんですけど、収録が進むたびにそうではないことがわかって。そんなに仲は良くないけど考える先が一緒だから行動を共にしているので、仕事終わりに「飲みに行こう」というような関係ではないんですよね。
杉田:それは≪マージナルサービス≫全体に言えますね。
中村:プライベートで一緒にいることはないよね。
杉田:個人的にちょっと近いかも、と思ったのは『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部一行の関係性です。例えばポルナレフがとっておきの技を隠し持っていたという描写には、一行は仲間であっても全ての手の内を明かすような関係性ではないんだ!と驚かされましたし、彼らの関係性には常にある種の緊張感があったんだなって。≪マージナルサービス≫はあの関係性に近いんじゃないかなと。