メンバーの関係性は『ジョジョ 3部』のよう!? ボルツとロビンはフワッとした存在だからこそ良い!『THE MARGINAL SERVICE』杉田智和さん&中村悠一さんインタビュー【連載第4回】
映画ネタもやるためだけのマッチョ要員かもしれません
ーー放送されたばかりの第3話で印象深いシーンを教えてください。
中村:ラバーの登場です。ただのゲストキャラクターではなく、シリーズを通して追っていく人物なので印象的ですね。あと、もともとこんなに映画ネタを入れる作品だとは思っていなかったんですけど、『ミッション・インポッシブル』のようなシーンを見てその意図に気付いて。
ーー第3話は映画ネタが特に多かったですよね。
中村:多かったですね。『エントラップメント』のような赤外線のシーンは無理があるだろうと思いましたけど(笑)。
ーー(笑)。赤外線ネタ自体はいろいろな作品でお馴染みですよね。
中村:『バイオハザード』とかでもありますよね。
杉田:もしかしたら、いろいろな映画の要素を取り入れようとした結果、赤外線だけが残ったのかもしれませんね。
中村:たしかに。個人的にはそういう方向性の作品なんだとわかった第3話でした。
杉田:僕はベネットと聞くたびに笑ってしまって。第2話に続いて『コマンドー』ネタがあって、このアニメを作っている人たちは本当に好きなんだなと思いました。
僕自身、普段はあまり映画を観ないんですけど、他の作品のアフレコ現場でも半ば共通認識になっている類のネタを踏襲してほしいとリクエストされることが時々あります。そういう時は事前に元ネタを調べることもあるんですけど、この作品の場合は話数が進むにつれて調べないようになっていきました。
ーー敢えてですか?
杉田:そうです。ボルツはまともではないから敢えて事前に学ばないほうが良いと思ったんです。イメージとしては、鉄アレイやスミスマシンのようなトレーニング器具を使わないで筋トレをすると言いますか。自重だけのトレーニングに切り替えるようなイメージです。そうしてボルツと向き合ったらなんとなくしっくりくるようになりました。
ーー演じていくうちにしっくりきたと。
杉田:そういうことにしないと気持ちが落ち着かなくて。正直な話、最後まで彼のことはわからなかったんですよ。ずっと筋肉イズゴッドみたいな人だったけど、どこか良いところがあるんじゃないか? いや、どうやらなさそうだ、と。
ーー中村さんが仰っていたように、まさに舞台装置のような存在ですね。
杉田:そう言われて納得しましたね。ただこの場で明確な答えを用意する必要はないんじゃないかと思っていて。
中村:それはそうかもしれない。今作で僕らが演じているキャラは明確に答えがあるわけではなく、フワッとしているからこそ見ている人たちが想像をしてくれて。毎回、ブライアンとゼノの行動に合わせて役割が変わるので、ひとつひとつの行動に意味があっても良いんですけど、見ている人に自由に感じ取ってもらえたほうが今作の場合は良いのかなと。僕らの役に関しては特にそう思いますね。
ーーそれだけ特殊な作品ということなのでしょうか?
中村:オリジナル作品ならではかと。例えば、ボルツのキャラクター設定が綿密に練り上げられていて「ボルツの話を5話分描きます」と言われても「そんなにやるの?」と思うじゃないですか。
ーーたしかに。
中村:分散し過ぎると見せたいものがあやふやになってしまうんですよね。群像劇であればともかく、今回はそういう作品ではないので。第2期があるのであれば掘り下げがあると思いますが、なぜブライアンはルール外で熱い面を見せてしまうのか、なぜゼノは屈折してしまったのか。これが一番大事なテーマですから、そのためのキャラという役割が大きいんじゃないかと思います。とはいえ、もしかしたら映画ネタもやるためだけのマッチョ要員かもしれませんけどね。
ーー『コマンドー』ネタのためにボルツは存在しているかもしれないと。
中村:そうですね(笑)。
ーー最後に、大スターのラバーにちなんで、おふたりにとってのスターを教えてください。
杉田:昔はテレビが娯楽だったので、テレビに映っている人たちが輝いて見えました。でも歌って踊る彼らよりも、自身が遊んでいるテレビゲームの中のキャラクターたちの言葉のほうが心に響きましたね。
中村:中学生くらいの頃、トム・クルーズさんをはじめとした映画の俳優さんがかっこいいなと思っていました。ただ、その俳優さんは普段はどんな人間で、どんなことを考えているのかはわからなくて。大人になってくるにつれて、あくまで作品を通した姿しか見ていないことに気付いたんです。それからは、わからないものに対しては憧れられないなと。どう生きているのかわからないから、目指しようがないんですよね。なので大人になるにつれて自分にとってのスターはいなくなったかもしれません。
[取材・文 MoA]
『THE MARGINAL SERVICE』連載バックナンバー
『THE MARGINAL SERVICE』作品情報
2023年4月11日より毎週火曜25:29から日本テレビ他にて放送開始!
放送情報
日本テレビ:2023年4月11日より 毎週火曜25:29~
サンテレビ:2023年4月11日より 毎週火曜25:30~
KBS京都:2023年4月11日より 毎週火曜25:30~
テレビ愛知:2023年4月11日より 毎週火曜25:30~
BS日テレ:2023年4月12日より 毎週水曜24:30~
TVQ九州放送:2023年4月15日より 毎週土曜 6:30~
AT-X:2023年6月9日より 毎週金曜20:00~
リピート放送 毎週火曜 8:00~/毎週木曜 14:00~
※放送日時は予告なく変更となる場合がございます。
スタッフ
原案:ジャパン境界人対策室
監督:迫井 政行
シリーズ構成:猪原健太
キャラクターデザイン・総作画監督:小堺能夫
美術デザイン・メカニカルデザイン:石口十
境界人デザイン:橋本浩一 とだま。
デザインワークス:あきづきりょう
グラフィックアート:荒木宏文
美術監督:E-カエサル 渡辺幸浩
色彩設定:小島真喜子(studio.road)
撮影監督:花井延昌(アニメフィルム)
編集:定松剛
音楽:瀬尾祐介(a.k.a Starving Trancer/Xceon)
音楽制作:ジラフキックスタジオ
音響監督:髙桑一
音響効果:稲田祐介
音響制作:dugout
アニメーション制作:Studio3Hz
キャスト
ブライアン・ナイトレイダー:宮野真守
ゼノ・ストークス:森川智之
ボルツ・デクスター:杉田智和
ロビン・ティンバート:中村悠一
ライラ・キャンディハート:名塚佳織
サイラス・N・空閑:下野紘
セオドア・トンプソン:三木眞一郎
ペック・デズモント:内山昂輝
ラバー・スーツ:内田雄馬