夏アニメ『英雄教室』川島零士さん(ブレイド役)×山田美鈴さん(アーネスト役)インタビュー|ブレイドは「5歳児」がキーワード!? 彼にほだされ、変化していくアーネストにも注目【連載第1回】
ブレイドは「5歳児」がキーワード。アーネストは徐々に変化していくさまが可愛い
――それぞれが演じるキャラクターの魅力について、どのように感じているのかお聞かせ下さい。まずはブレイドについて。
川島:ブレイドは、学園の他の生徒とは目標が全然ズレているのが面白いです。他の生徒は強さを求めて日々鍛錬を積んでいるんですが、ブレイドはめちゃくちゃ強いから、1周回っちゃって「トモダチを作りに来ている」んです。その目標の違いが面白いし、魅力ですね。
それと、大切にしているキーワードが「5歳児」なんです。彼は小さい頃からずっと英雄になるべく生きてきたから、戦い以外のことは5歳児のままなんですよ。これって、「私、大学に入れなかったんだよね」という大人が、もう一度大学に入る感覚に近いと思っていて。みんながシリアスなところでも、ただひたすら楽しんでいるんですね。強い敵が来ても「あー、あいつか」みたいな感じで、周りが熱くなっている時はクールに、逆にみんながクールな時は熱く、と1人逆を行くのも彼の魅力だなと思ったので、そこも大切に演じました。
――山田さんから見たブレイドの印象はいかがですか?。
山田:ブレイドは5歳児で感情が真っ直ぐだからこそ、鈍感なところも含めて魅力の塊だなと思います。
私のお気に入りのシーンでもあるのですが、とある話数で、アーネストは純粋にブレイドの過去に寄り添いたいと思い行動するお話があって。アーネストにとってブレイドは特別で、本当は誰にも取られたくないけど、作中ではいろんな女の子がブレイド好き好きってなっているのにムキーとなるのも可愛いんですよ。そうやって、どんどん「ブレイドに救われた」っていうだけじゃない感情を抱いていくんです。そう思わせる魅力がありますね。
川島:アーネストもちょっとブレイドに近いところがあるのかなって思うんですよね。青春を味わいたい、トモダチを作りたいと思っていても、建前や背負うものがあるから……といった立場から抜け出せないところがずっとあったのかなと。ブレイドに出会ったことで、それが変わっていって。
山田:そうですね。強がっていたアーネストと、ブレイドにほだされて「トモダチっていいな」と思ってからのアーネストとの差がすごく可愛らしいです。強がりきれない、おっちょこちょいなところとか。
川島:可愛いよね。それにチョロい(笑)。
山田:チョロいですよね(笑)。ちょっとブレイドの言葉があると、すぐに「ブレイド! やっぱそうよね!」みたいになっちゃうのが。
川島:だからこそ、第1話では“エンプレス”らしさを出そう、厳しくいこうと山口さん(音響監督の山口貴之さん)が言っていたよね。
山田:「もっと強く!」「もっともっと厳しく!」って。
――その辺りは難しかったですか?
山田:そうですね。私はもともとビシッと喋るのが苦手というか、あまりビシッと生きてこなかったので(笑)。常に誰かを律して自分も律するようなアーネストの喋り方ってどういう感じなんだろう?となりました。口先だけじゃなく、そういう人だからこその発言なんだろうと思っても、なかなか(演技に)結びつかなくて難しかったです。むしろ、ちょっとほだされたあとのアーネストの方がやりやすかったかもしれないですね。
――物語が進むとさらにいろいろと変化があります。役者としては難しさと同時に楽しさもあったのでは?
山田:ありました。でも、やっぱり最初はとにかく「難しい」「どうしよう」が強かったです。私自身、これまであまり振り幅の大きな役をやってこなかったので。しっかりしたアーネストと実は抜けているアーネスト、もっと強くなったりもっとお間抜けになったり……といった幅が本当に難しくて。アーネストの軸から外れないお間抜けな感じはどうすればいいんだろう?と模索しながらでした。
川島:ブースの中でも、結構みんなで話し合っていたよね。こうした方がよりいいかも、みたいに。
――ブレイドの方は印象的なディレクションはありましたか?
川島:さっき5歳児と言いましたが、(5歳児よりも)知能が高そうに聞こえちゃうみたいで、「もうちょっと抜けている感じで」「IQが上がってきているよ」とか言われましたね。
山田:「もうちょっと5歳児で」ってね。
川島:IQを下げた演技をするのって、意外と難しいんですよね。
――ブレイドって一般常識を知らないタイプなので、それを抜いて演じなきゃいけないわけですからね。
川島:そうなんですよ。無意識でやっているものを抜くのって難しいです。なので、「5歳児だからもうちょっと抜けた感じで」と心の中で唱えつつ収録に臨みました。
キャラクターの可愛さや、スタッフ陣の意気込みを感じる(!?)セクシーなシーンも必見!
――2人を取り巻くキャラクターたちも個性豊かです。特に気になったキャラクターを挙げるなら誰ですか?
川島:僕はクーちゃん(クーフーリン/CV:木野日菜)が。
山田:あ、被りました。推し被りですね(笑)。
川島:クーちゃん可愛いんだよね。
山田:至る所から「クーちゃん可愛い」って声がありましたよね。
川島:本当に無邪気なのがたまらないよね。
山田:木野さん(木野日菜さん)は大人しめの印象があったんですが、喋ると無邪気で本当に3歳みたいなクーちゃんが出来上がるんですよ。
川島:木野日菜さんは身長が低いから、アドリブと息芝居のところを抜きで録る時に、台本を離して背伸びをして、手を下にピンとやったまま「〜なのじゃ!」と言っていたのも。
山田:あれは悶えました(笑)。思わず本人に「可愛かったです!」と伝えてしまったぐらいでした。
――作品全体の魅力や見どころについてもお聞かせ下さい。
川島:毎話毎話どんどん仲間が増えていって、まさにドタバタという言葉がピッタリですね。すごくテンポ感も良くて。
山田:テンポ良いですよね。
川島:あと、シーンが切り替わる時の、わ〜!! っていうのも好きなんだよね。
山田:ミニキャラが走り抜けて場面転換するところですよね。可愛いです!
川島:僕はこれまで割と重い作品が多かったので、ああいうのをやるのがすごく新鮮で。面白ければオッケー!みたいな空気感が楽しかったです。現場では「どう面白くするか合戦」になっていたんですよ(笑)。
山田:そうですね。男性(のキャラクター)同士でちょっとした恋愛トークになるシーンも面白くて、本当に自由にやっていたなと思います。
川島:男どもが集まってくるとよりふざけだしてくるから(笑)。でも、ドタバタしているけど、バトルシーンもいいんですよね。
山田:そうなんですよ。1話の中でコメディが来たかと思えば、しっかりシリアスにもなって。
川島:第1話のバトルシーンすごくなかった?
山田:すごかったです! 「こいつなんなの?」「こんなに威力あるの?」みたいな。
川島:迫力がすごいんですよ。上級クラスなんだと感じる強さがしっかり出ていて熱いところは熱いし。それに、セクシーもありますからね!(笑)
山田:ありますね、いっぱい(笑)。
川島:やっぱりセクシーは言わざるを得ないですね。
山田:ですね。隠す白いモヤとか出なきゃいけないようなセクシーシーンもありますから。それに、第1話ではアーネストの服がいい具合に破けます(笑)。
川島:勇者力です!(笑)
山田:全部じゃなく、絶妙に残してくれる感じがまた。
川島:最高ですね!
山田:さすが勇者力!(笑)
――話数が進むとお風呂のシーンもありますからね。でも、ブレイドは5歳児だから反応が薄くて。
川島:そうなんです。だから大変ですよ。僕自身はドキドキしちゃいますから。ディレクションで「5歳児なので、何とも思ってないです」と言われて、「思ってない思ってない思ってない……」と言い聞かせていました。
山田:何があっても5歳児ですからね。
川島:5歳児を貫き通すのは難しいです。
山田:女性の体に、きゃ!みたいになるシーンはなかったですよね?
川島:ないですね。そこは徹底しています。
――ということは、そのぐらい肌の見えるシーンがあるということですね。
川島:ありますね。最近アニメはセクシーに関して厳しくなっているとは思いますが、その中でギリギリのところを攻めていこうというスタッフ陣の意気込みを感じました(笑)。
――それ以外にも、やっぱり学園を舞台にしているから青春感があるなと。
川島:確かに、バックボーンで重いものを抱えている子もいますけど、学園の中では楽しく爽やかにというか。
山田:学園生活味が強いですね。あくまで学園での日常の一コマの話といいますか。
川島:学生の頃を思い出すよね。(演じるときには)あの頃のキラキラした感じを降ろさないと。
山田:そうですね。「羨ましいあの頃」という気持ちをいったんなしにして、「当たり前の日常」として出していかないといけないです。
川島:キラキラだけど、彼女、彼らにとってはあれが普通だからね。