『名探偵コナン 黒鉄の魚影（くろがねのサブマリン）』高山みなみさんが語るかつてない「激ヤバ」の超豪華作品！「今作はまれに見る緊張感あふれる、スピード感ある作品に仕上がっています」／インタビュー

黒ずくめの組織から漂う香り

――今作で際立つのは、女性キャラクターの強さと優しさです。『名探偵コナン』に登場する女性キャラクターは、蘭にしても灰原哀にしても守られているだけのヒロインではなく、守ろうとする強さと優しさに溢れていますよね。

高山：そうですね。戦えるヒロインたちが多いからですね。蘭は肉体で、灰原は頭脳で戦っています。キール（CV：三石琴乃）やジョディ（CV：一城みゆ希）もそうですが、そのヒロインたちのメンタルとフィジカル、強さと弱さのバランスが絶妙なんだと思います。そして今作には、ベルモット（CV：小山茉美）というヒロインもいるんです。

――ベルモット、いいですよね。

高山：彼女は、涼しい顏をして単独行動をやってのける人。彼女のしていることを組織のメンバーは関知していない。そこがすごいところです。まぁ、あの方のお気に入りですから、誰も口出しできないのかな。

――そうですよね。

高山：黒ずくめの組織は、その仕事の性質上、絶対に香水などはつけていないと思うんですが、なぜか匂いを感じてしまうんですよね。登場すると、そこにそれぞれの香りがあるように思えます。大人の魅力なのかなぁ（笑）。

特に安室さんは、バーボンと降谷さん（バーボン/安室透/降谷零CV：古谷徹）と3種類の香りを使い分けているような……。

ウォッカはシャンプーの匂いがするかも（笑）。少年探偵団はコロンという感じがしないので、きっと視覚からのイメージで、大人のキャラクターが香るんでしょうね。何人かのコロンは販売されていたと思いますが、誰の香りが一番好みに合うのか気になりますね。

――ベルモットとバーボンが潜水艦に入るシーンもかっこいいですよね。

高山：そうですね。ここが香ってきたシーンでした。変装する時にふわっときました（笑）。そう感じさせるところも含めかっこいいんです。ギラギラした圧はないけどスマートで、見るからにデキル！ペアですね。

――2人で一緒にいることが多いですよね。

高山：このペアは微妙な感じです。お互いに見張り合っているのかな…なんて。ベルモットの単独行動をバーボン＝降谷さんが知っているのかも気になります。

「ウォッカはキールが好きかも……」

――黒ずくめの組織について、今作で何か感じたことはありましたか。

高山：これは冗談ですが、ふと、「ウォッカ（CV：立木文彦）はキールが好きかも……」と、思いながら観て笑っちゃいました。ウォッカがキールに優しい。コナンに対しての高木刑事のように、全部教えてくれるんですよね。彼らの関係性も会話からわかります。一枚岩ではない感じがまた面白いところです。

――ウォッカは憎めないというか、人間っぽいですよね。

高山：そうですね。黒ずくめの組織の中では、一番親しみを感じてしまうタイプのキャラクターです（笑）。でも今作では台本をいただく前に監督から、「今回のウォッカは非道ですよ」と言われたので、「ウォッカが？　そうなんだ～」と楽しみにしていたんです。

ジン（CV：堀之紀）が乗り込んでくるまではリーダーとして上に立ち、黒ずくめの組織らしい非常な面も見せていますが、面倒見が良過ぎる（笑）。そして立木さんですから！

――立木さんの声だと和みますよね。

高山：そうなんです！役者さんのことを思い出してしまうと、悪い奴らに見えなくなってしまう（笑）。今日（インタビュー日は完成披露試写会にてキャストが舞台挨拶の予定）は大丈夫かなぁ～。ご本人たちは本当に穏やかで優しいですから、黒ずくめの組織もいい人たちに見えちゃいそう……（笑）。

――そうなんですね。では、舞台挨拶の時はみなさんも和気あいあいとされて、収録の時だけ空気がビリっと緊張するんですか。

高山：はい。スタジオに入ってマイクの前に立つと、空気が変わります。ロビーでは普通にサプリメントの話で盛り上がったりしていますよ。

――作品について、黒ずくめの組織のキャストの方たちとお話はされましたか。

高山：そうですね。劇場版の収録以外でもご一緒する機会が多かったので。一番面白かったのは、劇場版収録よりも前の、ジンの兄貴（堀さん）との会話。

堀「ラムは誰が（キャスト）やっているの？」
高山「千葉繁さんです。」
堀「え、繁がラムなの？」
高山「はい。今、いろは寿司で寿司職人をやっていて……」
堀「何？　繁、寿司握ってんの？」
高山「いや、繁さんは握ってないです…（笑）。」
一緒にいた林原めぐみちゃんと大爆笑。

――高山さんはコナンとして、全てのお話に関わられていますが、他のキャラクターは登場しないストーリーもあるので、久しぶりに収録に来られる方もいますよね。

高山：そうですね。TVアニメはオリジナルストーリーも挟んでいるので、数年ぶりの登場という方もいらっしゃいます。そういう時は、そこまでの流れをお話しますね。

原作ストーリーの収録時には、コミックスを必ず持っていきます。それをご存知の池田秀一さん（赤井秀一/ライ役）は、早めにいらしてスタジオに入る前にお読みになっていますよ。

――最後に、作品を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

高山：今作は今までにない緊張感が続くストーリー。あっという間にエンディングになってしまいます。少し息が苦しくなる場面もありますが、皆さんは海の中ではなく劇場にいるので、安心して呼吸してください。最後の最後までお楽しみくださいね！

――ありがとうございました。

［取材＆文宋・莉淑（ソン・リスク）］

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劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影（くろがねのサブマリン）』作品情報

公開情報

全国東宝系にて大ヒット公開中

ストーリー

東京・八丈島近海に建設された、世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための海洋施設『パシフィック・ブイ』。本格稼働に向けて、ヨーロッパの警察組織・ユーロポールが管轄するネットワークと接続するため、世界各国のエンジニアが集結。

そこでは顔認証システムを応用した、とある『新技術』のテストも進められていた―。

一方、園子の招待で八丈島にホエールウォッチングに来ていたコナンたち少年探偵団。するとコナンのもとへ沖矢昴（赤井秀一）から、ユーロポールの職員がドイツでジンに殺害された、という一本の電話が。不穏に思ったコナンは『パシフィック・ブイ』の警備に向かっていた黒田兵衛たち警視庁関係者が乗る警備艇に忍び込み、施設内に潜入。

すると、システム稼働に向け着々と準備が進められている施設内で、ひとりの女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される事件が発生…！さらに、彼女が持っていたある情報を記すUSB が組織の手に渡ってしまう…。

海中で不気味に唸るスクリュー音。そして八丈島に宿泊していた灰原のもとにも、黒い影が忍び寄り…

決して触れてはいけない玉手箱(ブラックボックス)が開かれたとき

封じ込めた過去がいま、洋上に浮かび上がる―

スタッフ＆キャスト

原作：青山剛昌「名探偵コナン」（小学館「週刊少年サンデー」連載中）
監督：立川 譲 （劇場版名探偵コナン参加作品：「ゼロの執行人」）
脚本：櫻井武晴 （劇場版名探偵コナン参加作品：「緋色の弾丸」「ゼロの執行人」「純黒の悪夢」
「業火の向日葵」、「絶海の探偵」）
音楽：菅野祐悟 （劇場版名探偵コナン参加作品：「ハロウィンの花嫁」）
声の出演：高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ　ほか
配給：東宝
製作：小学館／読売テレビ／日本テレビ／ ShoPro ／東宝／トムス・エンタテインメント

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影（サブマリン）』公式サイト
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