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『この素晴らしい世界に爆焔を!』ゆんゆん役・豊崎愛生インタビュー

『祝福を!』のみんなが作ったあの空気感をリスペクト│『この素晴らしい世界に爆焔を!』ゆんゆん役・豊崎愛生さんインタビュー

『爆焔を!』で視聴者と同じ常識感を持っているのはゆんゆんだけ

――『爆焔を!』において、めぐみんと掛け合う際はどのようなことを意識していますか?

豊崎:『爆焔を!』では、第2話以降にシリアスな言い合いをするようなシーンもあるのですが、それ以外では基本的にゆんゆんが正面からぶつかっていって、それに向き合わないのがめぐみんのスタンスです。

作中ではキャッチボールができていない感覚が成立するように、李依ちゃんにはナチュラルにめぐみんを演じてもらって、私がその分ゆんゆんとしてド直球に目を見て話す。だけど、あしらわれるから「なんでなのよ!」みたいにヒートアップしていく……という一連の流れが面白いポイントだと思っているので、ギャグとして受け止めてもらえるよう熱量を込めて演じました。

ゆんゆんの基本的な立ち位置はツッコミ役でもあるので、めぐみんの非常識さが垣間見えるところにプンプンと可愛らしくツッコミを入れる構図も特徴です。そこで思いっきり真正面からぶつかるか、ドン引きするかのリアクションに大きく分かれるのですが、脚本のテンションと絵の印象を踏まえながら、視聴者のみなさんに楽しんでもらえるよう考えながらお芝居をさせていただいています。

下手をすると、ゆんゆんはずっと怒っているキャラクターになってしまうので、もっと色々な感情を持っているところを見せたかったんです。大前提として、ゆんゆんはめぐみんが好きだからこそ怒っているし、正面からぶつかっていて。でも、その気持ちに対する手ごたえがないから、悲しいし、悔しいし、寂しいんですよね。

めぐみんが振り向いてくれないからこそ、ゆんゆんの感情が動いていて。個人的にはもう少しキツめにツッコミを入れた方がギャグとしてはオチるかな?と思う部分もあるのですが、それをやってしまうとゆんゆんがめぐみんを好きだという大前提が薄れてしまうと思っています。そこまで強くは言えないけれどツッコミはする……といったお芝居も収録のテスト段階で試していました。

安部監督(監督・安部祐二郎さん)たちの判断で「もう少しズバッと」などのディレクションがあったら修正したり、そのままで大丈夫そうならもう少し好意を出してみたり。そうやって調整しながら収録に臨みました。

――なるほど。好きだからこそ怒りもするし、めぐみんを追いかけることになっていると。

豊崎:『祝福を!』のキャラクターたちって、とてもカラっとしていると思うんです。この表現が正しいかはひとまず置いておきますが……ダクネスさんは茅野愛衣ちゃんが艶っぽいシーンやドMな一面を振り切って面白く演じていますし(笑)。カズマさんもドライなところはドライですし、めぐみんはあんな感じで基本は辛口ですし。そんなキャラクターたちの小気味良い掛け合いがずっと積み重なっていました。

だけど、ゆんゆんは唯一と言っても過言ではないくらい、ジメっとした湿気があるキャラクター。性格的にもかなり根に持つタイプなので、過去のことをずっと覚えていて引きずってしまうと思うんです。だから『祝福を!』で作り上げられたコメディの湿度が変わってしまわないよう、喜怒哀楽が単調にならないように意識しました。

やっぱりそれがゆんゆんのキャラクター性なんです。なかなか難しいですが、そういうところを考えながら演じるのが楽しいですね。

――また、そんなジメっとした一面がありながらも見せ場では決めてくれるといいますか、カッコいい一面が見られるのも魅力的ですよね。

豊崎:紅魔族ってある意味みんな潔くて、とにかく里が燃えようがなんだろうがみんなで魔法を放ってカッコよければいい、みたいな中二病な一面があって(笑)。そんな人たちの中でゆんゆんだけが後先を気にしているからズレてしまっていると思うんです。

それが友達がいない理由のひとつになっているのですが、だからこそゆんゆんの常識が冴えわたるシーンがあります。里のみんなが全員ぶっ飛んでいるからこそ、ゆんゆんが普通のことを言うと視聴者のみなさんにとってちょっとカッコよく見える瞬間があって。彼女は特別なことは何もやっていないんですよ。

みんながカッコいいと思っている名乗りも本当に恥ずかしいと思っていますし、そのズレが視聴者のみなさんとシンクロする瞬間になっていて、ゆんゆんにとっての見せ場なんです。

だから、ゆんゆんがみなさんの気持ちを代弁してくれているみたいにシンクロする瞬間を楽しんでもらえるといいなって思います。きっと視聴者のみなさんと同じ常識で喋っているキャラクターは、『爆焔を!』では彼女だけかもしれないので……(笑)。

ブレーキをかけられるほどの力はゆんゆんにはありませんが、私も視聴者のみなさんの気持ちをゆんゆんと一緒に背負っていると思いながら演じる側面もありました。

――確かにゆんゆんは癖の強いキャラクターが多い紅魔族にしては異質かもしれませんね。

豊崎:現場のみなさんが紅魔族を思いっきり楽しんで演じているので、アドリブが凄いんです(笑)。この親なら子供たちもこういう価値観に育っていくよね、と思うような行動を大人たちが率先して見せてくれます。

そう考えると、ゆんゆんが常識的なのは少し不思議ですが、紅魔族の中でも一番尖っているであろう族長のお父さんを反面教師にしたことで、今のゆんゆんの人格が形成されたのかも?と思ったり(笑)。

――そんな紅魔族たちの里でのエピソードで気に入っているものや、印象に残ったキャラクターもお教えください。

豊崎:みんな癖の強いキャラクターばかりで迷うところですが、第2話までで挙げるならぶっころりーさんです。みなさんもかなり強く印象に残ったと思いますので、彼のヤバさが際立つエピソードは要チェックです! そけっとさんに愛を語るシーンは、作画も気合が感じられたので間違いなく見どころだと思います。

ぶっころりーさん自体は『紅伝説』で描かれていましたが、しっかりピックアップされるのは『爆焔を!』が初めてですし、他にもクラスメイトたちや里の住人たちも絶対に気になるキャラクターが出てくるはずです。シリーズファンの方は「映画で変な名乗りをしていたあの人だ!」と発見しながら楽しんでいただけるかと思います(笑)。

――最後に今後の放送を楽しみにしているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

豊崎:第2話までご覧いただき本当にありがとうございます。『爆焔を!』のアニメがついにスタートしました! 私は誰が何と言おうと、『爆焔を!』はめぐみんとゆんゆんの友情物語だと声を大にして伝えていきたいです!(笑)

この先の展開も、きっと期待していただける内容になっていると思いますので、引き続きめぐみんとゆんゆんの友情を見守っていただけると嬉しいです。応援よろしくお願いします!

[取材・文/胃の上心臓]

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放送情報

2023年4月5日(水)よりTVアニメ放送開始
TOKYO MX4月5日より毎週水曜25:00~
テレビ愛知4月5日より毎週水曜26:05~
BS114月6日より毎週木曜23:00~
KBS京都4月7日より毎週金曜24:00~
サンテレビ4月7日より毎週金曜24:00~
※放送開始日・放送時間は変更となる場合がございます。予めご了承ください。

※各種配信サイトでも配信予定!

イントロダクション

紅魔の里――そこは、生まれつき魔力と知力が非常に高く、魔法使いとしての高い適性を持つ、紅い瞳をした紅魔族がすまう土地。そんな紅魔の里には教訓がある。

「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」

けれど、“魔法学園レッドプリズン”で学ぶ同級生たちが上級魔法の習得を心待ちにするなか、紅魔族の少女・めぐみんは、ただひとり爆裂魔法の習得のため勉学に励んでいた。

幼い頃に見た、あの光景に、あの人に、追いつくために――

これは、最強の魔法にあこがれた、一人の少女の物語。

STAFF

原作:暁なつめ(株式会社KADOKAWA角川スニーカー文庫刊)
原作イラスト:三嶋くろね
監督:安部祐二郎
総監修:金崎貴臣
シリーズ構成:上江洲誠
キャラクターデザイン:菊田幸一
色彩設計:吉田沙織
美術:アトリエムサ
3D:MADBOX
撮影:EXPLOSION
編集:木村佳史子
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭正
録音:山口貴之
音響制作:HALF H・P STUDIO
音楽:甲田雅人
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:ドライブ
製作:このすば爆焔製作委員会

CAST

めぐみん:高橋李依
ゆんゆん:豊崎愛生
こめっこ:長縄まりあ
あるえ:名塚佳織
ふにふら:富田美憂
どどんこ:鈴代紗弓
ねりまき:石上静香
ちょむすけ:生天目仁美
ぷっちん:酒巻光宏

公式サイト
公式ツイッター(@konosubaanime)

拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。

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胃の上心臓
拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ロボットアニメ作品やTYPE-MOONの作品を主に追いかけている。

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