春アニメ『江戸前エルフ』エルダ役・小清水亜美さんインタビュー|“オタクエルフ”特有の身体性を意識しながら演じています
4月より放送がスタートしたTVアニメ『江戸前エルフ』。400年以上の歴史を持つ月島の高耳(たかみみ)神社を舞台に、ご神体として祀られるエルフ・エルダとその巫女である小金井小糸、そして月島の人々との温かいふれあいが描かれていきます。
今回、お話を伺った小清水亜美さんが演じるのは、600歳を超えるご神体でありながら、本殿に引きこもってオタクライフを満喫するエルダです。彼女の魅力や物語の面白さをたっぷり語っていただきました。
エルダはほぼ私なんです(笑)
――エルダはあのか細い声がすごく素敵ですよね。
小清水亜美さん(以下、小清水):ありがとうございます! もちろんキャラクターの声は作っていますが、エルダはほぼ私なんです(笑)。
――そうなんですか!
小清水:オーディションを受けさせていただいたときに、設定やセリフを見て、私がちゃんと働かず誰かに養われて生きていたらこうなっているだろうなと思って(笑)。とても共感できたので、受かったときは嬉しかったです。
――ははは(笑)。趣味なども似ているんですか?
小清水:そうですね。私もプラモデルやフィギュアが好きですし、2連休、3連休があったら連休の前日に食料を買い込んで2、3日家から出ない……なんてことを平気でするので。あとは宅配ボックスのある家に住んで、宅配を直接受け取らなくても大丈夫にしていたり、夜中にパジャマのまま「誰にも会いませんように」と思いながら荷物を取りに行ったり。そういうことがよくあるので、「わかる!」と思いました。
――では、役作りもご自身に近いところで?
小清水:エルダの普段の声はわりと地声に近いですね。大人状態のエルダだけだったら、もっともっと低い声でもいいかなと思ったんですが、頭身の高い美しい姿以外にもデフォルメ状態になることがたくさんあるので、例えば「今夜気になるアニメの一挙放送があるんだよう…!!」を低い声からの延長でやろうとすると、どうしてもお芝居が乖離しちゃうんです。オーディションテープを録ったときは、振り幅として変化があっても同じ人物としての範囲に収まるようなキャラづくりをしようと勝手に思っていました。
第1話のアフレコも、やはり音響監督の藤田(亜紀子)さんとお芝居の幅のお話をさせていただいて。ここまでなら崩して大丈夫かなと話し合いながら、一人のキャラクターとして乖離しない塩梅を探っていきました。
――ときどき聞き取れるかどうかギリギリの声量で話すのも面白いなと思いました。
小清水:エルダは普段から引きこもっているので、筋肉も肺活量もあまりないと思うんです。ずっと黙っていて久しぶりに声を出すときってうまく声が出ないことがあるじゃないですか? 私もずっと声を出さないでいると声が出なくなるというのは実体験でわかっているので、そういうエルダの身体性みたいなところはかなり意識するようにしています。
あとは、エルダは普段から猫背なので、私も気持ち猫背気味にして肺の可動域を小さくすればエルダの声の出し方になるのかな、とか(笑)。そういうことを考えながら役作りをしています。
――逆に「憧れの白い女(ひと)」は低い声で、とてもかっこよかったです。「風邪気味」だったという理由でしたが。
小清水:そういう理由づけがあったので、ガラガラ声に近いところで演じるようにしました。それについても藤田さんと相談しながら作っていって。休憩時間は、小糸役の尾崎(由香)さんにも「どう? これぐらいだと別人に聞こえる?」なんて確認してもらいながら楽しく役作りをしていきました。
――楽しそうなアフレコ現場ですね。
小清水:『江戸前エルフ』の現場は、ずっと楽しかったですね。キャストの最少人数が3人というときもあるくらい、キャラクターとキャストの人数は少ないんですが、そのぶんみんなが一致団結していて。みんなで作品の空気感を作れたと私自身も実感しましたし、きっと見てくださった皆さんにもその“一致団結感”は伝わるんじゃないかなと思います。