
『祝福を!』から巻き戻した関係値で表現する、めぐみん&ゆんゆんの繊細な距離感―― 『この素晴らしい世界に爆焔を!』高橋李依さん&豊崎愛生さんインタビュー
初爆裂魔法のシーンは万感の想い……そして『紅伝説』で見られた習得の経緯も
――そして、めぐみんが爆裂魔法を初めて使用するシーンは外せないかと思いますが、こちらをご覧になっていかがでしたか?
高橋:自分としても途中から、習得まであと何ポイント必要か数えなくなっていたのですが、あのカモネギで貯まっていたとは……まさかまさかの展開でした。本当に素敵なシナリオだと思います。
中級魔法使いとしての道をゆんゆんが選んでくれたことを、映画『紅伝説』で少し苦い思い出としてめぐみんが語るシーンは思い出さずにはいられません。それを申し訳なく思いつつも、爆裂魔法は彼女の中ではどうしても捨てられない夢になっている。そういうぐちゃぐちゃした感情があったと思うんです。
だからこそゆんゆんが本当にカッコいいし、『爆焔を!』はここを描かなきゃいけないよねと思うくらい、トップクラスに大切で、とても大好きなシーンでした。
豊崎:私もゆんゆんがめぐみんのために中級魔法を覚えることになった経緯のシーンは印象に残っています。ちなみに、収録時は安部祐二郎監督からリテイクを受けていました。テストではゆんゆんなりにカッコいい感じを意識したのですが、カッコよくはしたいけれど彼女にとって普通のことをやったイメージで演じてほしいとのことだったんです。
完成した本編映像をチェックしたら納得しかありませんでした。ゆんゆんがめぐみんを大事に思っていることが伝わる内容になっているんじゃないかなと思います。
高橋:めっちゃわかります……だからこそ、めぐみん的には言えない罪悪感みたいなものがずっと残っていて、それが『紅伝説』で見せた表情にも繋がっていると思います。
ゆんゆんの優しさに甘える形になってしまったことって、本当に悔しかったと思うんですよね。きっと自分が自分を許せない。めぐみんはそんなゆんゆんへの責任を感じてもう放っておけないし、ゆんゆんへの本当の借りになっているんです。
豊崎:いっそゆんゆんのほうから「あの時の貸しね」みたいに言ってくれたほうが、めぐみん的には救われるんだよね。そういうところも含めてお互い不器用なんだけれど、本当に良い繋がりだよね。
高橋:そうですね。その不器用さのエッセンスみたいなところが、ふたりの仲をより強固にしているんだろうなと思います。
――ちなみに、豊崎さんはめぐみんの初爆裂魔法のシーンをご覧になっていかがでしたか?
豊崎:まず第1話のウォルバクさんの詠唱は、めぐみんが憧れてしまうのも頷けます……! そして、習得した時はウォルバクさんとめぐみんを重ねつつ、やっと追いつけたことを実感させてくれる演出になっていて、もう感動しちゃいました。李依ちゃんの詠唱も台詞の発し方からロマンに溢れていて心が熱くなりました。
スタッフさんたちによる爆裂魔法のエフェクトも大変こだわりが感じられて、劇伴も荘厳なボーカルが入りますし、色々な意味で素敵なシーンです。『爆焔を!』の作中通しての見どころになっていると思います。
――ロマン溢れる台詞の発し方とのことですが、詠唱はウォルバクの詠唱をめぐみんがなぞらえる形になりましたね。
高橋:めぐみんが小さい頃に目にしてからずっと忘れられない程の威力と詠唱……私もその詠唱を彼女が何度口にしてきたのだろうかと想いを馳せずにはいられませんでした。おそらく一番忘れられない瞬間です。それを毎日のように復唱し続けていたとするならば、口馴染みが良いのは当然なのかなと……!
「エクスプロージョン」というワードも今となっては当たり前になっていますが、習得までの年月を考えるとどうしても胸が熱くなりますし、本当に万感の想いで演じました。完成した映像も最高に気持ちの良いものに仕上がっていたので、私としてもこのシーンの詠唱は大成功だと思っています。
――そんなかっこいい場面もあるめぐみんですが、こめっこからはニート呼ばわりされてしまう場面も……。
高橋:ありましたね! 個人的には、扉を開ける前のシーンで「仕事をしたい人はニートではなく、求職者です!」っていう台詞が名言だと思っています(笑)。
豊崎:紅魔の里の働き口にも限りがあるのですが、結構な数のお店に赴いたにも関わらずダメになってしまいましたね。結果的に里での就職が絶望的なほど、メモに×印がついてしまって……。
――わざわざ一緒に仕事を探してくれるゆんゆんは優しいですよね。まるで保護者みたいで。
高橋:族長の娘のツテ、凄いです……!
豊崎:多分ゆんゆんはめぐみんと一緒に何かをしたかっただけなんです。助けてあげたというよりは、その口実のひとつだったんじゃないかな(笑)。実際、働き口を探してきて一緒にバイトもしていたよね。
高橋:爆裂魔法を撃って疲れためぐみんがゆんゆんにおんぶしてもらって帰るシーンで、「明日もよろしくお願いします」と言われるとちゃんと嬉しそうなんですよね(笑)。もう撃つなとツッコミが入るかと思っていたのですが、やっぱりめぐみんと一緒に居たいからか素のリアクションが出ているのかなって思います。明日も一緒に過ごせると思っているのが本当に可愛いです!
――最後に第7話以降の見どころや、ファンのみなさんに注目してほしい展開を教えてください。
高橋:まるで最終回かのような第6話だったのですが、次回予告でその余韻が全部吹き飛ぶような空気になるのは、さすが『このすば』シリーズだなと(笑)。カズマたちと出会うまでの旅路はまだまだありますし、これから登場する新キャラクターも非常に濃い方たちばかりです。ぜひ後半も楽しんでいただけたら嬉しいです!
豊崎:第6話までご覧になっていただきありがとうございます。第7話からガラッと雰囲気が変わるので、また新しい気持ちで楽しんでいただけるのかなと。より『祝福を!』のテイストが強くなって、あのドタバタ劇のめぐみんバージョンも見られたりと、引き続き楽しく笑っていただけると思います。
また、『祝福を!』からのファンのみなさんは気になるであろうカズマさん、アクアさん、ダクネスさんたちお馴染みのメンバーの登場シーンの有無も、見どころのひとつだと思いますので、ぜひお楽しみに!
[取材・文/胃の上心臓]
TVアニメ『この素晴らしい世界に爆焔を!』作品情報
「これは、最強の魔法にあこがれた、一人の少女の物語。」
角川スニーカー文庫より刊行中の大人気異世界コメディ『この素晴らしい世界に祝福を!』(著:暁なつめ、イラスト:三嶋くろね)のスピンオフ、『この素晴らしい世界に爆焔を!』のTVアニメ化が決定!ティザービジュアルが解禁となりました!さらに、スタッフ&キャスト情報も公開!カズマたちと出逢う前、爆裂魔法にあこがれためぐみんの物語を、どうぞお楽しみに!
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放送情報
2023年4月5日(水)よりTVアニメ放送開始
TOKYO MX4月5日より毎週水曜25:00~
テレビ愛知4月5日より毎週水曜26:05~
BS114月6日より毎週木曜23:00~
KBS京都4月7日より毎週金曜24:00~
サンテレビ4月7日より毎週金曜24:00~
※放送開始日・放送時間は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
※各種配信サイトでも配信予定!
イントロダクション
紅魔の里――そこは、生まれつき魔力と知力が非常に高く、魔法使いとしての高い適性を持つ、紅い瞳をした紅魔族がすまう土地。そんな紅魔の里には教訓がある。
「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」
けれど、“魔法学園レッドプリズン”で学ぶ同級生たちが上級魔法の習得を心待ちにするなか、紅魔族の少女・めぐみんは、ただひとり爆裂魔法の習得のため勉学に励んでいた。
幼い頃に見た、あの光景に、あの人に、追いつくために――
これは、最強の魔法にあこがれた、一人の少女の物語。
STAFF
原作:暁なつめ(株式会社KADOKAWA角川スニーカー文庫刊)
原作イラスト:三嶋くろね
監督:安部祐二郎
総監修:金崎貴臣
シリーズ構成:上江洲誠
キャラクターデザイン:菊田幸一
色彩設計:吉田沙織
美術:アトリエムサ
3D:MADBOX
撮影:EXPLOSION
編集:木村佳史子
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭正
録音:山口貴之
音響制作:HALF H・P STUDIO
音楽:甲田雅人
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:ドライブ
製作:このすば爆焔製作委員会
CAST
めぐみん:高橋李依
ゆんゆん:豊崎愛生
こめっこ:長縄まりあ
あるえ:名塚佳織
ふにふら:富田美憂
どどんこ:鈴代紗弓
ねりまき:石上静香
ちょむすけ:生天目仁美
ぷっちん:酒巻光宏