双子の兄弟が数奇な運命に翻弄されながらも絆を深めていく人気BL作品『慈と善』が待望のボイスドラマ化! 慈役・林勇さん、善役・増田俊樹さんに収録後インタビュー!
電子アンソロジーレーベル「LatteComi-ラテコミ-」に掲載された、『双子×両片思い BLアンソロジーコミック①』の人気BL作品『慈(ちか)と善(ぜん)』がボイスドラマ化!
本作は、幼少期に母親から儀式として口づけを強制され続けた双子の兄弟、七森 慈・善が親元を離れ、高校生活を送っていく中で芽生えていく絆や愛を描いた作品です。ボイスドラマは、原作をベースに、全編スピンオフストーリーとしてボリュームアップし、より魅力的になっています。
今回、慈役を演じる林勇さんと、善役の増田俊樹さんにボイスドラマ収録直後にインタビューを実施! 作品の見どころはもちろん、「双子」「おまじない」など作品にまつわるキーワードをもとに、お二人のプライベートについても語っていただきました。
性格が違う慈と善はバランスがとれた兄弟。増田さんが感心した林さんの絶妙なお芝居とは?
――収録を終えた感想をお聞かせください。
七森 慈役・林勇さん(以下、林):収録前、双子役ということで、「トーンなどを合わせたほうがいいのかな」と考えましたが、まっすん(増田さん)の声を聞いた時、「近づけるのも違うな」と。慈は兄ゆえの包容力があり、面倒見がいいし、学校で友達となじめているところなど善との違いもあって、演じていて楽しかったです。
また、冒頭に「前世で結ばれなかった男女は生まれ変わると双子になるらしい」という慈のモノローグがあるように、慈と善は双子でお互いに好意を抱いていますが、双子だからこそ二人にしかわからない呼吸や感覚、ずっと一緒にいるがゆえの空気感を感じられたらいいなと思いながら演じました。
七森 善役・増田俊樹さん(以下、増田):僕は台本を読んで感じたものそのままで善を演じました。善は、慈に対してだけではなく、すべてにおいて甘え切っているなと。慈は作品の根幹を担っていて、兄弟2人だけの世界を表現するために、自分たち以外の人にもうまく迎合したり、立ち回っていますが、善は慈以外どうでもよくて、無視しているような印象を受けました。なのでシンプルに表現することを意識して、あとは「どれくらい甘えたらいいのか」などをディレクションで微調整していきました。ただ、関西弁は大変でした(笑)。
林:お互いに関西弁は苦労したね(笑)。
――演じたキャラクターの印象や兄弟の関係性について感じたことをお聞かせください。
林:慈と善はバランスがとれているなと思いました。僕には双子の姉がいますが、性格は真逆で。今まで双子の人を何組か見たことがありますが、性格や顔つきが違ったりして、お互いに足りないものを補い合っているのかなと感じていました。なので、慈と善の違いも自然に理解できましたし、芝居をする上でもまっすんが慈につられず、善でいてくれたのでやりやすかったです。善のつんけんしているところのかわいさも感じられたので、収録も楽しかったです。
増田:慈を演じるのは大変だったんじゃないですか? 関西弁で話すのも難しいのに、標準語でも話さないといけないし。
林:モノローグや友達との会話とかね。
増田:絶妙な距離感の友達で、慈自身もそれほど仲がいいわけではない、という空気を出していて。
林:ちょっと気をつかっている感があるよね。本当の意味で踏み込んでいない感じで。
増田:原作でもありましたが、慈の「子供じゃないからわかるやろ?」みたいな遠慮感がおもしろかったです。そのおかげで、僕もぶっきらぼうにやりやすくて。お互いが芝居の中で出してくる方向性を汲み取るのはもちろんですが、相手と違うところを自分が出したり、逆に引き出させる作業は、うり二つではない、中身が違う双子ならではなのかなと思いました。
――演じた中でお気に入りのシーンやおすすめシーンがあればお聞かせください。
林:後半の、放課後のグラウンドで、善に読モの子が話しかけているのを見た慈がモノローグでまくしたてるシーンは何度も録り直しました。苦労したからこそ、印象に強く残っているので、あのシーンは注目して聴いてほしいです。
増田:僕もあのシーンを挙げようとしていました。聴き応えありますよね。
林:慈の怒りが増せば増すほど、関西弁が濃くなっていくのがわかると思います。関西弁が濃くなるニュアンスを頭の中に残したまま、芝居の勢いをもっていかなくちゃいけないのでシビれました。
増田:更に慈らしく、マイルドにしないといけないし。「うわあ」と思いながら聞いてました(笑)。絶妙なモノローグで、あれは難しいと思います。
林:「本当の怒りのようにシリアスにならないように」というディレクションもいただきましたが、何とかやり切りました。