劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」セーラーコスモス役を北川景子さんにオファーした真意を監督&プロデューサーが語る|セーラームーンから勇気をもらった北川さんだからこそセーラーコスモスとリンクする
2023年6月9日(金)より≪前編≫が公開中の劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」。シリーズ最終章となる<シャドウ・ギャラクティカ>編を描く本作で、セーラー戦士たちは太陽系外の新たな敵へと立ち向かいます。そして、さらに戦いが激化する≪後編≫が、6月30日(金)に全国ロードショー。
公開後から、オープニング映像の愛にあふれたオマージュ、そして画面からあふれるセーラームーン愛に多くのセーラームーンファンから絶賛の声が鳴りやまない本作を、さらに深堀りするため、アニメイトタイムズでは、髙橋知也監督、講談社の五味秀晴さん、東映アニメーションの髙野星来さんによるスタッフ対談を独占インタビュー!
今回は、解禁後大きな話題を呼んだ≪後編≫の鍵となるセーラーコスモス役を北川景子さんにオファーした理由、アフレコ現場の様子について語っていただきました。
※本稿は、劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」≪後編≫のネタバレを含みます。
「皆さんの熱意を裏切らずにお届けしたい」
ーー本作ではどのようなポジションで作品に関わられているのかを教えてください。
髙橋知也監督(以下、髙橋):監督の髙橋です。アニメーションの企画や脚本、絵コンテ、作画、色付け、音楽など全ての工程をまとめていくような役割です。たくさんのスタッフで作業をしているので、パートごとがバラバラにならないように1つの目標に向けて、コミュニケーションをとりながら進めています。苦労もありますが、楽しい仕事です。
スタッフも、「美少女戦士セーラームーン」が好きで「Crystal」シリーズ1期から10年ほど関わっている方もいます。僕は途中からの参加ですが、スタッフ、そしてファンの皆さんの熱意を裏切らずにお届けしたいと考えて制作しました。
五味秀晴さん(以下、五味):講談社の五味です。プロデューサーの仕事は分かりづらいかと思いますが、企画立案、予算などプロジェクトを成立させるために動いています。
髙野星来さん(以下、髙野):プロデューサーとしての仕事内容は、五味さんに話していただいたので。東映アニメーションのプロデューサーとしては、髙橋監督やスタッフの皆さんがアニメで表現したいことやクオリティーを高めるために原作サイドとの調整などもしています。武内先生の描かれた原作をアニメーションにする上で、どのような表現が1番よいかを監督やスタッフと話し合いました。
映画を作るだけでなく、グッズチームや宣伝チームとも日々やり取りをしながら、ファンの皆様に、「美少女戦士セーラームーン」をより喜んでもらえるようにするための仕事をしています。
セーラーコスモスのキャスティングは満場一致
ーー前作「Eternal」の公開から2年。どのような想いで制作を進められたんですか?
五味:「Cosmos」は2014年からスタートしたシリーズの最終章で、「美少女戦士セーラームーン」の30周年の集大成となる作品です。30年間愛してくれているファンみなさまに一番良い形で届けたいと思っていました。
ーーまさしくそんな思いが込められているのがオープニングの「ムーンライト伝説」ですね!私も拝見して興奮しましたし、すごく心に来るものがありました。
髙橋:そう言っていただけて嬉しいです。ファンのみなさんの中にいろんな「美少女戦士セーラームーン」のイメージがあると思ってます。漫画、アニメの方はもちろん、音楽やドラマ、ミュージカルなど様々な形で愛されている「美少女戦士セーラームーン」の魅力を、「Cosmos」の中に凝縮出来たら、と思って作っていきました。
僕自身も、漫画・アニメで作品の魅力にハマったファンの一人なので、プレッシャーもものすごく感じましたが、公開後たくさんの方に感想をいただけてすごく肩の荷が下りました。
ーー作品がいろいろな形でメディアミックスされているからこその想いもあったんですね。≪後編≫で重要なキャラクターとなるセーラーコスモス・北川景子さんのキャスティングもそのような意図があったんでしょうか?
五味:セーラーコスモスは、【未来のセーラームーンの究極の姿】というキャラクターですが、今作ではエターナルセーラームーンから勇気をもらうキャラクターの1人です。終わらない戦いの中で苦悩し続け、過去の後悔から抜け出せずにいるという役どころ。「Cosmos」という作品の中で、描きたかったセーラームーンの【諦めずにまっすぐに前へと進んでいく】姿とは、異なるキャラクターなんです。だからこそエターナルセーラームーンに救われる一人のキャラクターとして描く必要がありました。
三石琴乃さんの声は、声そのものが本当にパワフルで、セーラームーンというキャラクターを通じ多くの人に勇気を与えてくれました。3月末に実施したアニメジャパンのステージの中で、セーラースターヒーラー/夜天光役の佐倉綾音さんも言ってましたが、まさに「世界を救ってきた声」なんです。
だからこそ、セーラームーンから勇気をもらうセーラーコスモスは違う方に、というのは監督や我々ともに一致していました。
髙野:どなたにお願いすべきかを考えていましたが、名前があがったのが北川景子さんでした。「美少女戦士セーラームーン」を愛してくれて、年一回「セーラームーン会(実写版の女優5人で集まる会)」を開いていることも度々話題になりますよね。ドラマ「リコカツ」で三石さんとも母娘役で共演され、その姿も大きな反響を呼んでたのも記憶に新しいかと思います。
北川さんの女優デビューは実写ドラマ「美少女戦士セーラームーン」で、憧れのセーラーマーズ役に受かっても、演技の難しさや周囲の方の輝かしさに日々苦悩されたと。けれどもその現場の経験があったからこそいろいろなことが学べたし今の仕事につながっているとお話ししていたんです。セーラーコスモスと同じようにセーラームーンから勇気をもらった方だからこそ、北川さんしかいないと思ってストレートにオファーしました。
五味:北川さんは、「美少女戦士セーラームーン」ファミリーですし、武内直子先生にも打診したところすぐに、ぜひお願いしたいというお返事をいただきました。
髙野:北川さんのお名前があがった時に、髙橋監督もすごく嬉しそうな表情をされていましたよね。
髙橋:僕がアニメ業界に入った1年目、ちょうど実写ドラマの「美少女戦士セーラームーン」が放送されていてすごく印象に残っていて。せっかくの30周年なので漫画とアニメだけでなく、実写ドラマやいろんな形の「美少女戦士セーラームーン」を入れたいと思っていたので、オファー受けてくださったら素敵ですねとお話したところ、みなさんが頑張って各所の調整をしてくださいました。
五味:インタビューやイベントでもおっしゃっていましたが、ご本人も悩まれて、それでも自分にとって人生の一部のような「美少女戦士セーラームーン」だからこそ、受けてくださったのだと思います。
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— 劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」🌙 (@sailor_movie) June 14, 2023
#セーラーコスモス 役#北川景子 さんのコメントが到着✨
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《前編》絶賛上映中
《後編》6月30日(金)公開#美少女戦士セーラームーン#劇場版セーラームーン pic.twitter.com/AX41p207kw