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夏アニメ『ライザのアトリエ』第2話放送後 寺島拓篤インタビュー【連載第3回】

夏アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』第2話放送後 レント役・寺島拓篤さんインタビュー|レントにとって、ライザとタオは“特別扱いしないぐらい特別な存在”【連載第3回】

「ライザたちはずっと等身大での付き合いができていたんだな」と感じた

――『ライザのアトリエ』は、制作が発表されたときから大きな注目を集め、発売後も大ヒットしました。そういった、ユーザーの反応をどのような気持ちで見ていたのでしょうか?

寺島:発売前からすごく話題になっていて、発売後も実際にプレイしてくださった皆さんが、SNSですごい熱量で発信してくださっていたのをたくさん見ました。そういった反応がたくさんあることは、もちろん嬉しいのですが、ゲームの場合、僕らは収録した時点で一区切り付くので、少し距離感が微妙な感じもあって。僕がレントを通して生きていく上での熱のようなものは作品の中に置いてきて、少し時間が経ってから、その作品が皆さんの元に届き、そこから皆さんがライザたちとの思い出を作って、熱が盛り上がっていく感じは、すごく嬉しくもありますし、どこか他人事のようでもあったんです。なんというか、燃え上がっている炎を遠くから見ているような感じでした。

――その人気は、『2』『3』と続編がリリースされた後も止まらず、ついにアニメにもなったわけですが、アニメ化を最初に聞いたときの心境を教えてください。

寺島:ゲームが『3』まで続いたと思ったら、今度はアニメですから。「すごいな『ライザ』、どこまでいくんだよ」って感じで、嬉しいよりも先に、すごすぎてちょっと笑っちゃいました(笑)。

――アニメの第1話の台本が届くまでは、どのような心境でしたか?

寺島:ゲームのストーリーを、1話1話のシナリオとしてどんな風にまとめているのか気になったし、リハーサル用のビデオを見るときもすごくワクワクしました。当然、その時点では、まだ完成された絵ではなく、絵コンテの絵や線画なんですが、レントたちが生きていることを改めて感じることができたし、新しい形でまた触れ合えることが嬉しかったです。

――すでに放送された第1話と第2話の中で、特に印象的だったことなどを教えてください。

寺島:レントたちが住んでいるラーゼンボーデン村の規模感が、ゲームのときの感覚とは少し違っていて。アニメで用意された舞台の中にレントたちがいるのを見ると、「レントたちの育った村は、こんな感じなんだ」というのが、さらにリアルに感じられて感動しました。あと、フレッサさんのお店に買い出しにいくのは、第1話でしたよね?

――第1話の前半で、レント、ライザ、タオの3人でフレッサの雑貨店に行くシーンがありましたね。

寺島:3人がそれぞれ必要なものを買いに行ったときに、ライザの重たい荷物(肥料)をさりげなくレントが持ってあげるシーンがあって。当たり前のようにそれをできるのが、すごいなって思いました。相手が女性だからとか言うと、今の時代っぽくないですが、力のある自分が持ってあげるのは当たり前だよなっていう感じで、自然に持っているんですよ。

――「ライザに良いところを見せよう」なんて思ってはないわけですよね。

寺島:そうそう。そんなことを思わずに、それが自然とできる。「この子たちは、本当にずっと等身大での付き合いができていたんだな」って感じました。タオも嫌なことは嫌だって言うけれど、なんだかんだいつも付いてくる。そういう3人の関係性を会話としても見られるのが、すごく新鮮で嬉しかったですね。

レントにとって、ライザとタオは“特別扱いしないぐらい特別な存在”

――では、レントにとって、ライザとタオは、どのような存在だと思いますか?

寺島:レントから見たライザとタオって、一緒にいるのが当たり前の存在になっていて。一番近い言葉で表すなら「家族」かな。それくらい距離が近い親友なんでしょうね。カテゴライズするのも恥ずかしくなるような当たり前の存在で、特別扱いしないぐらい特別な存在。面白い3人組ですよね。

――そんな幼なじみがいるのは、羨ましくも感じます。

寺島:僕も、家族レベルの親友が一人いるんです。本人がいなくても、家に行っちゃうぐらいの友達で、今も付き合いがあるんですが、何でもかんでも話すわけじゃないし、何でもかんでもお互いに知っているわけじゃない。でも、なぜか一緒にいられるというか、本当に馬が合う。この3人もきっとそうなんでしょうね。一方で、幼なじみだけれど、そうはなれなかったのが、ボオスなんでしょう。

――第2話では、そのボオスのセリフで、レントの父親・ザムエルが村で厄介者扱いされていることが分かりました。レントにとっては、父親の存在がどんな影響をもたらしていると思いますか?

寺島:これを理解しようと思うとすごく難しいんですよね。というのも、生まれた頃から今に至るまでの大人の見え方って、全然違うと思うんです。例えば、3歳のときに見た大人と、15歳のときに見た大人って、全然違ってくるはず。たぶんザムエルさんって、レントの中では、ずっと怖くて疎ましい存在だったはずだけれど、今は恐怖するだけの対象じゃなくなっているのは、レントが自分で身につけた自分なりの強さだと思います。アニメの時点では、今後どういう存在になっていくかは分からないんですが、やっぱり彼の人生において必ず乗り越えなければいけない存在なんだと思います。簡単に言うと、「壁」って言えるような存在ですよね。

――では、最後に、次回放送される第3話の見どころを教えてください。

寺島:主人公はライザなので、当たり前と言えば当たり前のことなのですが、この作品が『ライザのアトリエ』たる由縁が少しずつ出てくる回になっていて、ライザの“錬金術士としての始まり”というところがしっかりと描かれていると思います。ゲームをプレイしてくれた方も、プレイヤーとしての主観ではなく、アニメで客観としても観て、応援してもらいたいです。

[取材・文/丸本大輔]

TVアニメ『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』作品情報

ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜

あらすじ

周りを湖に囲まれたクーケン島にあるラーゼンボーデン村。ロテスヴァッサ王国の辺境にあるこの村では、穏やかな時間が流れている。

そんな刺激が少ない村での暮らしに活力を持て余していたのは、平凡で特徴がないことが特徴の少女、ライザ。「あーあ。何か面白いことないかな。」窮屈で退屈な村、そこに身を置く“なんてことない農家の娘”である自分に不満を抱いていたライザは、ある日、幼馴染みのレントやタオとこっそり小舟に乗り込み、島の対岸へはじめての冒険に出かける。

そこで出会ったのは、“錬金術”という不思議な力を使う一人の男だった。その力に魅せられたライザは、錬金術を教えてほしいと頼み込む。“なんてことない農家の娘”から“錬金術士”へ。これまでの遊びとは違う、自分たちだけの“ひと夏の冒険”が始まる――。

25周年を迎えた「アトリエ」シリーズの人気作『ライザのアトリエ』が遂にアニメ化!

キャスト

ライザリン・シュタウト:のぐちゆり
クラウディア・バレンツ:大和田仁美
レント・マルスリンク:寺島拓篤
タオ・モンガルテン:近藤唯
アンペル・フォルマー:野島裕史
リラ・ディザイアス:照井春佳

(C)コーエーテクモゲームス/「ライザのアトリエ」製作委員会
(C)コーエーテクモゲームス/「ライザのアトリエ」製作委員会
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