夏アニメ『AYAKA ‐あやか‐』連載 第2回:寺島拓篤(沙川尽義 役)|ろくでなしだけど、今後大事になるのは尽義のコミュニケーション能力
7月1日よりスタートしたオリジナルTVアニメ『AYAKA ‐あやか‐』。作家集団GoRAとキングレコードがタッグを組んだこの作品は、相棒×師弟×好敵手×兄弟という関係性と、それぞれに宿命を背負った男たちの絆の物語を描いていく。緻密なストーリー、深く広い設定、魅力的なキャラクターたち……。『K』を手掛けたGoRA作品の魅力が、ここにも詰まっている。
連載第2回は、GoRA作品のファンでもある、沙川尽義役の寺島拓篤さんが登場! 作品の魅力と尽義についてたっぷりと語ってもらいました。
GoRAファンという寺島さん、世界設計の深さに感心しきり
――オーディションの思い出はありますか?
寺島拓篤さん(以下、寺島):事務所で録ったテープを送っただけなので、ディレクションを受けたということもなかったんですけど、オーディションでは、その人物の重要なセリフ、作品上キーとなるようなセリフを言うことが多いんです。
切り取りでピックアップされているから、真面目なことを言っているシーンが多かったんですけど、実際に収録が始まってみると、何話まで進んでもずっと酔っ払っているので、「あれ? ちょっとイメージが違うぞ」って、今不思議な感覚になっています(笑)。(※アフレコ中に、インタビューを収録しています)
――何なんですかね、「ストロングZ」(缶チューハイ)って(笑)。
寺島:ね! ずっとキツめのお酒を飲んでいるから、この人、大丈夫かな?っていう心配が強いです(笑)。
――酔っ払ってるシーンのオーディションはなかったのですか?
寺島:それが全然なかったんですよね。なので、第2話くらいまでは「もっと酔っ払ってください」って何度か言われました。
――『AYAKA ‐あやか‐』は、いわゆるGoRA作品になるのですが、作家チームのGoRAさんには、どんなイメージがありますか?
寺島:僕、GoRAさんの前作『K』がすごく好きなんですよ。『K』が日本神話とかを軸にしている作品だったので、今回もそういう取っ掛かり部分があるのかなと思って、ワクワクしながら参加しました。
第1話に出てくる呪文もすごく独特というか。どうやら出典はあるみたいなのですが、なぜこの言葉をこのシーンで使う術の呪文にしたのだろうとか、すごく気になりました。(※こちら、オフィシャルでどういう表現にすればいいか修正お願いします)
世界観設計に関しても、島にしたのにはどんな理由があるのだろうとか、単純にいちオタク的に気になるポイントが山ほどあったので、GoRAさんと話す機会があったら、色々聞いてみたいです。
――いつも台本で気になったところは調べたりしているんですね。
寺島:調べるようにしています。でもこの作品にしか出てこない専門用語とかは確認し忘れて、勘でやってしまうことも結構あるんですけど(笑)。
――上村さんは、寺島さんが先陣を切って演じてくれるから、助かっていたみたいですよ。
寺島:そうなんですね。でも、それで合っていればいいんですけど、間違っていることが多々あるので、ちゃんと最初に聞かないとなって、反省しました。
――それでいうと「あやかい」など、島の方言があるのは面白いですよね。
寺島:「あやかい」って何なんだ?っていう。実際作中の彼らも細かい説明ができないくらい汎用性がある言葉なので、そういうのもよく思いつくな~って思いました。
でもそれがあるだけで、よりリアリティが増すというか。島というだけで、ちょっと閉鎖的とは言わないまでも、独自の進化を遂げていく環境にあるので、そこで特有の方言を作るって、ちょっと考えられないくらいすごいですよね。
――ミタマやアラミタマという、見たことがないものが出てくるというのはいかがでしたか? ある種ファンタジー要素になると思うのですが。
寺島:日本のアニミズムとかに通じるものがあるのかなと思いました。GoRAさんは日本のスピリチュアルなものにも造詣が深いんだろうなって感じます。今作ではミタマとアラミタマに、正と負みたいな役割を持たせることで、物語を展開させていっている。すごく大事な存在を作ることがうまいし、巧みだなって思いました。
ミタマはかわいいけど、アラミタマはわかりやすく悪そうで、怖い感じがしましたよね。でも、日本人に馴染みのあるデザインにしていて、モチーフがあるんだろうなって思わせる作りをしているところが、逆に気になるポイントでした。そのあたりの匙加減も絶妙なんですよ!