夏アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』第3話放送後 レント役・寺島拓篤さんインタビュー|『ライザのアトリエ』は“夏休みに帰る田舎”のような、尊さを感じさせる作品【連載第4回】
シリーズの世界累計出荷本数が200万本を突破した、大人気ゲームを原作とするアニメ『ライザのアトリエ』が、2023年7月1日(土)より放送中。
先日放送された第3話では、錬金術士としての才能を開花させ始めたライザと、幼馴染のレント、タオが、魔物が潜む「小妖精の森」への冒険に再び出発。当初の目的は果たせなかったものの、ライザの錬金術は、村に住む老婦人・バーバラの大切な思い出と友情を甦らせるきっかけとなりました。
アニメイトタイムズでは、本作のリレーインタビューを実施中です。第4回は、前回に引き続きレント・マルスリンク役の寺島拓篤さんにインタビュー。レントや作品に対する思いをさらに深く語っていただきました。
“変わらないもの”も大事にしながら、レントを演じてきた
――第3話では、レントたちは花の採取のため小妖精の森に出かけましたが、この冒険には、レントが弟子入りした女戦士のリラ・ディザイアスも同行してくれました。レントにとって、リラはどのような存在だと思いますか?
レント役:寺島拓篤さん(以下、寺島):ざっくり言ってしまうと、憧れの対象なんだと思いますが、そこにはいろいろな感情が内包されていて。島の外の世界で、自分よりも多くのものを見て戦ってきた人だという戦士的な憧れに加えて、単純に大人であるということへの憧れもあるかなと思います。
――自分がなりたい理想像のような?
寺島:なりたいというよりは、今、自分が持っていないものをいっぱい持っていて、「大人ってすごいな」と思える対象だと思うんですよね。なので、リラからいろいろなものを得たいと思って教えを乞うんですが、自分が求めているようなものは返ってこない。でも、そこのモヤモヤを相手にぶつけないのがレントの良いところですよね。「くそ! なんで教えてくれないんだよ!」みたいにはならない。「自分じゃダメなのかな」とか、そのことに対するガッカリした気持ちが自分に返ってくるんですよね。
――たしかに、視聴者目線で見ると、地図の書き方を教えたり、まずは退路を確保することを教えたりするのは、戦士としてすごく理にかなっているんですが、レントが今知りたいのは、きっとそういうことではないはずですよね。
寺島:そう、全然違うはずなんですよ。攻撃の仕方とか、戦闘での立ち回りとかを知りたいはずなので、「あれ? なんで?」ってなるんですが、それを飲み込むっていう。そういうところも、成長過程の中でレントが得たものだと思います。
――仲良し3人組の中で、一番精神的に大人なのは、レントかもしれませんね。
寺島:それは、間違いなくレントだと思います。でも、まあ子供ではあるので、ライザとタオに比べたらっていうだけですけどね(笑)。
――寺島さんは、『2』『3』とシリーズ化したゲームの中で、成長し20代の大人になったレントも演じてきたわけですが、アニメで改めて18歳のレントを演じる際、特に意識していることなどはありますか?
寺島:実は、若くしようみたいなことは、あまり意識していなくて。ゲームの一作目から三作目に至るまでのレントって、仰る通り、ものすごく成長を遂げているんです。ただ、『ライザのアトリエ』って、幼少期からの幼馴染みだったり、生まれ育った場所とかも変わらず登場する作品なので。物語の中で、変わっていくものもいっぱいある中で、どちらかといえば、変わらないものの方を大事にしたいなって感覚がゲームのときからありました。(レントの)根っこにあるものの変わらなさというか、大事な過去の面影みたいなものもあった方が良いかなと思って、あまり(芝居を)変えないようにしてきたんです。なので、アニメのときもそんなに構えず自然に入れました。