堀の甘えを宥められるのは宮村しかいない──『ホリミヤ -piece-』堀 京子 役・戸松 遥さんインタビュー｜今作は堀家の賑やかな会話にご注目を！

「もう一度『ホリミヤ』の世界で堀さんを演じられるのが嬉しかった」

──新作の『ホリミヤ -piece-』が放送決定した時はどのようなお気持ちでしたか？

戸松：とても嬉しかったですね。前回が綺麗に終わり、続きがあると思っていなかったので、新作が決まった時はどう描かれるのだろうと思いました。

『ホリミヤ -piece-』は、前作の時系列の中にあった面白いお話がピックアップされています。もう一度『ホリミヤ』の世界で堀さんを演じられるのが嬉しかったです。

『ホリミヤ』は素敵なお話が多いので1クールだと掘り下げきれなかったですし、堀さんと宮村くん以外の登場人物も魅力的ですから、今作ではその良さを伝えられたらと思います。

──『ホリミヤ -piece-』では友情面もたくさん描かれていますね。

戸松：そうですね。恋愛は安定した状態で、修学旅行や体育祭など学校行事が描かれています。

人によっては体育祭が嫌で沈んでいたりなど、学校のあるあるや登場人物の個性が見られるのが楽しいポイントです。学校行事が多くて、賑やかで演じていて楽しかったです。

自分の学生時代と重なる部分もありますし、憧れる場面もありました。学校行事では友達同士で話す台詞量が多くテンポが早いので、前作に比べると台本が少し厚くなりましたね。

登場するお話によって、ワード数の振り幅が全然違います。前作は全体的に話していましたが、今回はたくさん話す時と一言だけの時の差が大きいです（笑）。

堀さんと宮村くんだけでなく、他の登場人物の当番回もありますので、全体的にたくさん喋ります。

──今回は時間軸も様々ですが、どのように演じられましたか？

戸松：堀さんは裏表がないので、演じ方に変化は付けませんでした。宮村くんとの距離感は付き合う前と後で少し変わりますが、友達同士の距離感は変わっていません。

“もしも話”の時は、宮村くんとの関係性をリセットした接し方にしていますが、基本堀さんは壁がないからこそ温度感を意識していないです。

──今回の堀の注目ポイントはどういったところでしょうか。

戸松：今作は宮村くんに罵ってほしがるシーンが多くて（笑）。敢えて罵倒してもらって宮村くんを困らせて楽しんで……堀さんの悪いところです（笑）。

仙石（翔）（CV．岡本信彦）に冷たくする場面で「もっと低いトーンで怖く言ってください」とディレクションを受けたので、演技のコメディさがパワーアップしています。

　
体育祭の応援の時などもギャグ顔で、思いっきり面白い方へ振り切っているかと思います。もちろん真面目なシーンもありますが、特に京介や仙石とのやり取りはギャグです。

堀家のお当番会では、思いっきり京介と言い合いしています。メインで話している方たちの後ろで堀さんと京介で喧嘩していたりと、アドリブもあるので聞いていただけたらと思います。

──アドリブはどのような意識で入れられたのでしょうか？

戸松：結構長い台詞を用意していただいていたのですが、実際に演じるとテンポが早くて台詞を使い切ってしまうことがありまして（笑）。そんな時は、勢いでアドリブを入れていますので、裏の聞きどころです。

──そういったお話を伺うと楽しげな収録風景が浮かびますが、収録現場はいかがでしたか？

戸松：宮村くん役の内山さんと一緒に収録することが多かったです。全員はできませんでしたが、掛け合いが多い方とは比較的一緒にお芝居できました。

あとは、堀家の時は京介役の小野さんと一緒に録りました。小野さんとは別室だったので、耳から「京介いるな」と思っていました（笑）。

堀さんの台詞が多かったり被っていると、私が別室に行くことも多くて。みんなで一緒に録れる時は、コロナ禍だったので行きたい旅行先のお話をしていました。

──ちなみに戸松さんはどこに行きたいと思っていましたか？

戸松：収録が冬場だったので沖縄とかハワイとか、とにかく暖かいところで美味しいものが食べたいなと現実逃避していましたね（笑）。

堀家の賑やかな会話と男子の青春感に注目！

──先ほど「堀と宮村以外の登場人物も魅力的」とお話されていたように、友人たちの成長なども本作の魅力だと思います。友達の石川 透（CV．山下誠一郎）と吉川由紀（CV．小坂井祐莉絵）の関係をどのような気持ちで見ていますか？

戸松：石川と由紀の関係もすごく好きで、10年後どうなっているのかな？ と気になります。

たぶん結婚するか、親友のままかの二択だと思います。交際0日で結婚できそうなふたりなので、この先が一番気になるふたりですよね。

（綾崎）レミ（CV． M・A・O）と仙石、堀さんと宮村くんは安定感あるので……。（河野）桜 （CV．近藤玲奈）のアナザーストーリーも気になりますね。

──桜の今後も知りたいですよね。今作でのお気に入りのエピソードはありますか？

戸松：堀家のお話がすごく好きです。こたつの中で足がジェンガみたいにもつれ合うお話がありまして、良い意味でくだらなくて「バカだな〜♡」と（笑）。

こたつの中で宮村くんと京介と堀さんの足が抜けなくなって、3人同時にわちゃわちゃと話すので、収録中も楽しかったです。収録中の思い出も含めて、賑やかな雰囲気が伝われば良いなと思います。

あと、青春感のある男子の会話も好きです。女子校出身なのでリアルな男子の日常を知りませんが、生まれ変わって男子高生になったら「今日何を話したか覚えていないけど、いっぱい笑ったな」みたいな青春を送りたくなります。

「安田（真）！」と先生を呼び捨てにしている男子と先生のやり取りも好きです（笑）。先生と生徒との緩めの距離感が良いな、安田のような先生は人気が出そうだなと思います。

──改めて、堀を演じて感じた宮村の魅力についてお教えください。

戸松：宮村くんは懐が広いなと改めて思いました。堀さんは明るくてリーダーシップもあって良い子ですが、恋人として宮村くんの側にいるとめんどくさい一面もあって（笑）。

罵ってほしいとか嫉妬したり、堀さんはかわいくもあり人間らしいんですよ。ちょっとした事件が起きて堀さんが不安になったりしますが、宮村くんが堀さんを包み込んでくれてラブラブになります。

感情の振り幅が大きい堀さんを上手に宥めてくれるのは、やっぱり彼しかいないなと思いました。堀さんは、彼氏への甘え方がかわいくてめんどくさいですが（笑）、宮村くんは天然に落ち着かせられるし、堀さんを本当にかわいいと感じていて。

堀さんと宮村くんはお互いのピースがぴったりくっついて成立している関係だと思います。

　
［取材＆文＆撮影・杉村美奈］