夏アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』第5話放送後 タオ役・近藤唯さんインタビュー|水着にギャグに!タイトル回収!…盛りだくさんな内容だった第5話を振り返る【連載第6回】
タオ同様、近藤さん自身もアンペルに興味津々
――収録の合間、共演者の皆さんとは、どのような会話をすることが多いですか?
近藤:作品に関わる話だと、それぞれの話数のお話だけではなくて、私が関われていないゲームの『2』や『3』は、こういうお話になるんだよという話を教わったり、私が知らないタオ君の話を聞いたりもしました(笑)。作品とは全然関係の無い、お互いの好きなことの話で盛り上がったりもしますし、すごく和気あいあいとしていましたね。楽しくて温かい、すごく良い雰囲気の現場だと思います。
――タオは、アニメの物語の中でも着実に成長していますが、第5話時点でのタオと近藤さんご自身を比較して、似ていると感じるところがあれば教えてください。
近藤:幼なじみのライザやレントにはちょっと強めの軽口とかも叩けるタオ君のように、私も内弁慶的なところがあって。元々、すごく人見知りなんですが、仲が良い人にはちょっと辛辣なことも言えちゃうんです(笑)。タオ君は、私ほどひどくはないですが、そういうところは少し近いかなって思います。それと、私は考え方が基本的に保守的で、だからこそ、ライザの前向きな明るさや切り開いて行く感じに憧れるし、魅力的に感じるんですよね。そこもタオ君に似ている気がします。
――では、逆に「これは私にはできない」と感じるところなどもありますか?
近藤:尊敬しているのは、知識を学ぶときの集中力がすごいところです。私はそんなに長く集中力が保たなくて(笑)。「集中しなきゃ!」という意識を強く持って頑張らないとダメなタイプで、集中すること自体に、すごく力を使ってしまうんです。でも、タオ君は、知識欲を刺激されると自然と集中できる子だと思うので、すごいなって思います。あと、私はわからないことがあると、頭を抱えて不安になってしまうんですが、タオ君は知らないことや不思議に思うことがあったら、すぐに調べて理解しようとする。そういうところも私とは違って尊敬してますね。
――ここまで、タオ、ライザ、レントの幼なじみ3人については、いろいろと伺ってきたのですが、第5話までに登場したキャラクターの中で、3人以外にも特にお気に入りのキャラクターがいれば教えてください。
近藤:たくさんいるので難しいんですが、やっぱり、アンペルさんかな。モノクル(片眼鏡)も好きだし、シンプルにキャラクターデザインも好きなんですが、タオ君にとっても尊敬する人だし、目標でもある人だと思うので、私もタオ君と同じように、アンペルさんに興味があるというか、好きだなって感情が強いです。
――モノクルが好きなのですね。
近藤:はい(笑)。タオ君の丸眼鏡も可愛いんですけど、モノクルはさらに好きです。いかにも頭が良さそうなイメージがあって、カッコいいですよね。
「タオ君の成長を、親のような気持ちで温かく見守っています」
――近藤さんにとって、『ライザのアトリエ』という作品や、タオというキャラクターは、どういった存在になっていますか?
近藤:『ライザのアトリエ』って、ひと夏の冒険、子供の時にやりたかったような冒険を描いた作品で、そのワクワク感が私はすごく好きなんです。それ以前に私が関わらせていただいた「アトリエ」シリーズの作品では、主人公の子は最初から錬金術士だったり、錬金術士を目指しているところからのスタートでしたが、ライザは、最初、錬金術のことをまったく知らないところから始まる。島の中でのちょっとした冒険から始まっていくところが、『ライザのアトリエ』という作品の魅力かなと思っています。きっとアニメでも、だんだんと大きな話にはなっていくと思うんですが、身近なところから始まっていることで、いつでも子供の頃のワクワクする気持ちを思い出させてくれる。そういう作品です。
タオくんに関しては、これだけ怯えて「嫌だ、嫌だ」と言っている子なので、この子が前向きになった時は、きっと一番成長がはっきり見えると思うんです。そんなタオ君の成長を、親のような気持ちで温かく見守っています。
――ご自身が演じるキャラクターでありながら、見守る対象でもあるのですね。
近藤:巻き込まれ体質で、そんなところも可愛いんですが、苦労が絶えない子でもあるので。「結果的に楽しいこともあるよね。頑張れ!」って思いながら見ています(笑)。
――いつも一緒にいるのがガンガン前に進むライザだからこそ、タオの巻き込まれ体質がますます輝いている印象です。
近藤:ライザに良い意味での子供らしい無鉄砲さがあるとしたら、タオ君は知識的にも、考え方の面でも大人だと思うんです。でも、さっきもお話ししたように、怖がりで保守的なので、ライザみたいに自分で新しい世界をどんどん切り拓いていくタイプではない。その心の成長を見守るのが楽しい子です。一つ一つのちょっとした行動に、成長が強く出る子でもあるので。
――では、最後に、次回放送される第6話以降の見どころを教えてください。
近藤:(インタビュー時点で)ついこの前、第6話を収録したところなので、ゲームのストーリーをここからアニメとして、どうまとめて行くかについては、私もまだ知らないことばかりです。でも、第5話の最後でタイトル回収があったので、ここから物語がどう変化していくのか? これまでは、ライザが錬金術に出会って日常が変わっていく変化をゆっくりじっくりと描いていただいたと思うんですが、秘密の隠れ家を作ることになり、これから、また大きく物語が動いていきそうな気配を感じられたはずです。この先も、どうやって、物語が展開していくのかを楽しみにしていただきたいですし、私も楽しみにしています。
[取材・文/丸本大輔]
TVアニメ『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』作品情報
あらすじ
そんな刺激が少ない村での暮らしに活力を持て余していたのは、平凡で特徴がないことが特徴の少女、ライザ。「あーあ。何か面白いことないかな。」窮屈で退屈な村、そこに身を置く“なんてことない農家の娘”である自分に不満を抱いていたライザは、ある日、幼馴染みのレントやタオとこっそり小舟に乗り込み、島の対岸へはじめての冒険に出かける。
そこで出会ったのは、“錬金術”という不思議な力を使う一人の男だった。その力に魅せられたライザは、錬金術を教えてほしいと頼み込む。“なんてことない農家の娘”から“錬金術士”へ。これまでの遊びとは違う、自分たちだけの“ひと夏の冒険”が始まる――。
25周年を迎えた「アトリエ」シリーズの人気作『ライザのアトリエ』が遂にアニメ化!
キャスト
(C)コーエーテクモゲームス/「ライザのアトリエ」製作委員会