<ヒロイン“じゃない”><物語の“モブ”>にスポットライトをあてる──コンセプトミニアルバム「本壊」リリース記念ニノミヤユイさんインタビュー|歌詞もたくさんみて、私の気持ちを受け取ってもらえたら、とても幸せです
TVアニメ『アイカツフレンズ!』の日向エマ役などで声優として活躍する二ノ宮ゆいさんが、アーティスト「ニノミヤユイ」としてコンセプトアルバム「本壊」をリリース! 2020年にデビューアルバム『愛とか感情』をリリースして以降、アニメ作品の主題歌なども担当されています。
約2年ぶりとなる今回のアルバムは、「<ヒロイン“じゃない”><物語の“モブ”>にスポットライトをあてる」というコンセプトの1枚。
各楽曲では、それぞれ“物語の中では決してスポットライトはあたらない脇役(モブ)たち”の心情が描かれており、まるでオムニバス形式の映画を見て・聞いているような気持ちで楽しめます。
また、リード曲「ヒロイン」ではニノミヤユイさんが作詞・作曲に挑戦! ミニアルバム全体のエピローグとしての1曲になっているとのこと。
本稿では、リリースを記念してアルバムに込めた想いや各楽曲の聴きどころなどニノミヤユイさんにお伺いしました。
曲も、物語も、私が挑戦したいものを詰め込みました
──約2年ぶりのリリースとなりますが、本アルバムをリリースすることが決定した際や、現在の心境をお聞かせください。
ニノミヤユイ:久しぶりにリリースできることが決まったとき、勿論すごく嬉しかったです。毎回曲づくりは楽しいし、次にやってみたいことも増えていました。それと同時に、約2年新曲を待っていてくれたファンの皆さんや、新しくニノミヤユイを知ってくれた方に「楽しんでもらいたい」という気持ちがあったので緊張も強かったです。
良いものをつくらなきゃといつも以上に考えていましたが、製作を終えた今、また新たなニノミヤユイを見せられる作品になったな、と安心しています。
──「<ヒロイン“じゃない”><物語の“モブ”>にスポットライトをあてる」というコンセプトはどのように決まったのでしょうか? また、【負けヒロイン】【日の目を見ないヒーロー】など、楽曲ごとのコンセプト(視点)をどのように決めていったのでしょうか?
ニノミヤユイ:最初にこのテーマを提案してくれたのは、ずっと一緒に製作をしているレーベルのスタッフさんからでした。
今まで「ヒロインになれない」「主人公になれない」そんな思いを私が歌詞で書いてきたこともたくさんありました。それを知っているスタッフさんだったからこそ、今回のコンセプトミニアルバムのコンセプトとして良いのではと私も賛成しました。
楽曲ごとのコンセプトは私が考え、決めていったのですが、今回は歌詞(物語)の世界観と曲のジャンルを同時に考えていったのが新しかったです。曲も、物語も、私が挑戦したいものを詰め込みました。
──アルバムのタイトル「本壊」に込めた思いをお聞かせください。(“懐”ではなく“壊“にした理由など)
ニノミヤユイ:「本懐」の「本来の願い、本当に遂げたい想い」という意味と、「本当に」「壊す」、ブレイクスルーしていくという意味のダブルミーニングで決めました。
物語の主人公(モブ)たちの強い想い、自分を打破して進化していきたいという気持ちは、私自身も通じるところだなとおもい、このタイトルになりました。
──リード曲「ヒロイン」では作詞作曲に挑戦されています。実際に作曲を行われたご感想をお聞かせください。また、どのようにして今回の挑戦は決まったのでしょうか。きっかけや経緯などをお教えください。
ニノミヤユイ:はじめは最初に言ったようにこのリリースに対して緊張感があったので、リード曲は特に失敗できない! と、私は完全に作家さんにお願いするつもりでいました。
しかし、今回のディレクターさんが、久しぶりだからこそ、作曲と作詞でニノミヤユイ成分たっぷりで作ったほうが、アーティストとして成長もできるし、ファンの皆さんも喜んでくれると思うよと言ってくださったのが、きっかけでした。
納得する自分もいる反面、プレッシャーで打ち合わせのときに泣いてしまって(笑)。そのときに思った以上に私緊張してたんだなと……結果としてその想いがあったからこそ手を抜かずにつくれたなと思っています。