『白聖女と黒牧師』第6話放送後インタビュー:アベル役・石谷春貴さん|「とにかく肩の力を抜いて遊びつつ、その中で相手に必要な言葉を冷静にしっかり伝える場面は特に大切に演じております」
「ヘーゼリッタには割と雑というかフランクになるよう心がけました」
――アフレコ現場での他キャストさんとのエピソードやスタッフ陣からの印象に残ったディレクション等がございましたら、お伺いできますでしょうか。
石谷:ディレクションの中で、過去のことを話す時にあまり感情を込めずにあったことを説明してください、ということを聞いてから、アベルの人物像がさらに自分の中ではっきりしました。あとメインの4人で録ることが多かったのですが、セシリア役の澤田姫さんが初々しく、3人の見守り態勢がなんとなく作品っぽいなぁと思っていました。
――友人であるローレンスの世話になりつつも、ローレンスと彼に好意を持つセシリアを見守るといった立ち位置がアベルかと思います。加えてヘーゼリッタをはじめいろいろなキャラクターと関わる部分がありますが、掛け合いを演じる際にどんなことを意識されていましたでしょうか?
石谷:それぞれの場面の会話の潤滑油になれることです。二人で話す、というシーンでは時々アベルとして話しやすいようそれぞれへの対応を少し変えています。人はみんなそうなんですが、彼に関しては自然と端々に気遣いが見えた方が良いかなと思ったので。逆に昔から知っていたり、距離が近いと適当さが出てきますよね。ヘーゼリッタには割と雑というかフランクになるよう心がけました。いや、リスペクトを持ちつつですが。(笑)
――今回の話でアベルの過去が描かれ、見えないものが見えるが故の苦労が描かれました。少し重たいシーンもございましたが実際に演じてみていかがでしたでしょうか。また、今のアベルと比べかなりクールな印象となりますが、演じる際にどんなことを意識されましたでしょうか?
石谷:取り繕っていない、彼の当時の姿ってどうなんだろう、と思いながら作品を見た時に、笑顔の仮面を被っていない環境からの諦めと頑なさがむき出しになっているなと思いました。今の彼にとっては過去の境遇はもう、彼の中では過ぎたことだったので淡々と。そして演じる際は、空気を読みつつ、あえて干渉しない、他人への諦観、拒絶を強めに笑顔を消して若さをプラスしたら、ああいった形になりました。周りの人と関わることで色んな顔が増えて、人間らしくなっていったんでしょうね。そのどれもが本当の自分とは思っていなさそうですが、今となってはどれも立派な彼の一面なのかなと。ローレンスに出会えて良かった。
――今回のメールインタビューは、第6話放送後の掲載となります。改めて第6話を見返す際にファンのみなさんに注目して欲しい点をお願いします。
石谷:第6話というと、アベルを取り巻く環境の変化、不器用な優しさも言動にこもっているので、改めて見返していただければ。そして、これまでのアベルから次第に気を許し始めたんだなぁと感じるシーンも回を経るごとに増えていきます。セシリアとローレンスのあったかいぽやぽや感はもちろんのこと、アベルとお嬢の漫才風な掛け合いにも注目してください。