音楽
にじさんじ 叶 1st single 発売記念インタビュー

配信活動を始めて5年。メジャーデビューから1年。今の叶さんが贈る3曲のラブソング|1st single「How Much I Love You」発売記念インタビュー

2022年7月に1st mini album「flores」でメジャーデビューを果たし、2023年3月には初のソロイベント「叶 1st Concert『午前0時の向こう側』」を大成功に収めたにじさんじ所属のVTuber・叶さん。

2023年8月30日(水)に待望の1st single「How Much I Love You」が発売となります。1st singleには、『叶 1st Concert「午前0時の向こう側」』で初披露となった「わたしのリンゴ」を含めた3曲のラブソングが収録されているとのこと。

そして今回、1st singleを深掘りするために、叶さんへインタビューを行いました。1st singleに込めた想いや収録時のエピソードなど、たっぷりとお伺いしているのでぜひご覧ください。

 

 

恋愛漫画好きがきっかけで全曲ラブソングに

──1st singleが全曲異なるテイストのラブソングとなった理由はなんだったのでしょうか。

叶さん(以下、叶):もともと僕が恋愛漫画が好きでよく読んでいる話をしていたので、ご提案をいただいて全曲ラブソングにしました。

──確かに、配信でもよく恋愛漫画のお話をされていますよね。

叶:はい。最近は、『正反対な君と僕』を読んだり、今(インタビュー当時)アニメで放送されている『山田くんとLv999の恋をする』を見ながらご飯を食べたりしていました。

たぶん、僕が恋愛漫画をちゃんと読み始めたきっかけになったのは『僕と君の大切な話』だったと思います。この作品を読んでから恋愛漫画が好きになって、そこからいろいろな作品を読み始めました。

──恋愛漫画にもさまざまな関係性があると思いますが、叶さんが恋愛漫画で好きな関係性は何でしょう?

叶:同じクラスメイトだったり、幼馴染だったり、距離がもともと近い関係性が好きかもしれません。恋愛に発展していなかったけれど、ふとしたきっかけで意識し始めるのは良いなぁと思います。

──1st singleに収録されている全3曲はラブソングということで、叶さんが好きなラブソング、影響を受けたラブソングがあれば教えてください。

叶:収録する前は、マカロニえんぴつさんの「なんでもないよ、」をすごく聴いていました。アニメの歌だと、『ヲタクに恋は難しい』のオープニング曲になっていたsumikaさんの「フィクション」がすごく頭の中に残っています。

僕、配信でアニメを見ることが多いんですけど、このオープニングは毎話イントロスキップを使わずに見るぐらい好きでした。好きな曲ができるとずっと聴いて、また新しい好きな曲ができると次はその曲をずっと聴いてということが多いですね。

 

 

──表題曲の「How Much I Love You」は、ハッピーなラブソングです。

叶:この曲を最初に聴いたとき、本当にハッピーな恋愛というか、“THE 恋愛ソング”というイメージがありました。最近は失恋ソングなどさまざまな恋愛ソングがありますが、「How Much I Love You」は1周回って王道のラブソング。めっちゃ甘々な楽曲です。

歌詞を見ていただくとわかるように、付き合い始めて少し浮かれている感じがあります。付き合う期間が長くなるほど、そういう時期が懐かしく、すごく楽しい思い出になるんだろうなと思いました。

──実際に歌ってみていかがでしたか?

叶:「ブロードキャストパレード」の収録を思い出しました。レーベルデビューをしてしばらく経ちましたが、ふと初心にかえるほどキーが高かったです(笑)。むしろ音の高低差があったほうが楽なんですけど、「How Much I Love You」はずっと高い音が続くので結構大変でした。

──確かに、全体的にキーが高い感じがします。また、歌詞からもハッピーな気持ちが感じられますが、好きなフレーズはありますか?

叶:僕が1番好きなフレーズは、サビの1番最後の“皆が思ってる その倍の倍の倍くらいには 君のこと大好きだよ”です。

相手に伝わっているのは、実際自分が思っていることの何分の1というか、あまり伝わりきっていないことのほうが多いと思うので、それを理解してちゃんとストレートな言葉で伝えているのは良いなぁって。普通、恥ずかしくて言葉にできないですよね。

また、「衣食住君 もはやそのレベル」という言葉もすごいなと(笑)。ちょっとバカなくらいストレートな表現ですが、僕はすごく好きです。

──本当に好きなんだろうなぁと伝わってきますし、叶さんの包容力のある歌声が合わさるとより説得力が増したように感じました。

叶:喜んでくれるとは思いますが、急にベクトルが変わっているのでみんながどう思うのか、どういう風に感じてくれるのか楽しみです。

 

予想外の反響があった「わたしのリンゴ」

──「わたしのリンゴ」は、『叶 1st Concert「午前0時の向こう側」』で初披露となりました。

叶:1st Concertでは曲順的にも後のほうでしたので、等身大というか、そのときの感情のまま歌いました。正直すごく気分良く歌えたことは覚えていますが、それ以外の記憶はないぐらい満身創痍で。

でも、「わたしのリンゴ」は曲自体の雰囲気がめちゃくちゃ良いので、(1st Concertの)練習が始まったときからずっと聴いていましたし、歌詞の気持ちを考えたりしながら歌っていました。

 

 

──特に、歌詞の表現が独特ですが、叶さんの中では、どのように解釈されたのでしょうか。

叶:リンゴの花言葉が実の花と木の花で違っていて、実の花言葉には「後悔」、木の花言葉には「名誉」という意味があるんです。

恋愛って後悔することもたくさんありますが、後悔することだけじゃないと思っているんです。“ひとくち齧った”という歌詞もどっちつかずなことなんじゃないかなと。

苦悩が出ている歌詞ではありますが、“結局決めたのは自分だから”と感じられる歌詞になっているのはすごく良いなと思いました。

──なるほど……洞察力がすごいのでお話を聞いていると叶さんに恋愛相談したくなってきますね……。

叶:あはははは(笑)。僕自身も恋愛相談を受けるのが好きですし、実際にも結構受けることはあります。

──やっぱりそうなのですね! 恋愛相談したい気持ちは置いておきまして……「わたしのリンゴ」の初披露後、反響はいかがでしたか?

叶:ありがたいことに、反響はすごくよかったです。この曲が好き!という方を結構見かけて、曲自体のアンニュイさもあり、共感しやすい歌になったんじゃないかなと。

恋愛じゃなくても、何らかの苦労ややるせない出来事をみんな経験してきていると思うので、そういう方にも気に入っていただけているのかなと思います。正直、こんなに反響があるとは思っていなかったのでびっくりしました。

──叶さんにとっては意外だったのですね。

叶:はい。1番好きだとおっしゃってくれる方が多かったのは予想外でした。「わたしのリンゴ」はサビの入り方がずっと頭に残る曲なので、そういう意味でも刺さった方が多かったんじゃないかなと思います。たくさんの方に喜んでもらえて嬉しいです。

──収録はいかがでしたか?

叶:CDの収録時とライブでのお披露目では結構感じ方が違いました。CDの収録が先だったんですけど、そのときはまだちょっと俯瞰していた部分がありましたが、ライブで歌ったときは等身大というか、自分が歌っている曲というのをより強く感じました。

また、「わたしのリンゴ」は振り付けが少なく、自分の思うように動く感じだったこともあってライブでは体全体で表現できたことと、CDの収録時は歌詞を確認しながら歌うことでの違いもあったのかなと思います。

 

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