『わたしの幸せな結婚』連載インタビュー第七回:久堂葉月役・日笠陽子さん|「それでも葉月は激動を生き抜いて今があるのだと、そんな背中を見せられるお芝居がしたい」
二〇二三年七月五日よりTOKYO MXほかで放送中のTVアニメ『わたしの幸せな結婚』(顎木あくみさん著、月岡月穂さんイラスト)。
本作の舞台となるのは、日本古来の美意識と西洋文明の流行が織りなすロマンの香り高い明治大正を思わせる架空の時代。義母たちから虐げられて育った少女・美世が、孤高のエリート軍人・清霞と出会い、ぎこちないながらも、互いを信じ、慈しみ合いながら、生きることのよろこびを知っていく――〝愛〟と〝異能〟が紡ぐ、異色のシンデレラ・ストーリー。アニメ制作を手掛けているのは『メイドインアビス』などを手掛けるキネマシトラスです。
アニメイトタイムズでは『わたしの幸せな結婚』のメールインタビューを連載形式でお届け。第七回は久堂葉月役・日笠陽子さんです。気丈な印象がある葉月。日笠さんはどのように解釈し、お芝居に向かったのでしょうか。
「あなたはどう生きたい?」
──『わたしの幸せな結婚』にはどのようなご印象がありましたか?
久堂葉月役・日笠陽子さん:以前から非常に話題の作品でしたので、アニメに関わる前から個人的に原作を購入して読んでいました。アニメに関われる事がとても嬉しいです!
原作の繊細な線や、表情や、淡い色遣いなど、美世の儚さが表現されていて、胸が苦しくなります。
──葉月は清霞の姉であり、美世の理解者、そして指導者でもあります。葉月役に決まったときのお気持ちやキャラクターの印象を教えて下さい。
日笠:葉月役のお話を頂き、とてもありがたく思いました。オーディションではなかったので、自由にキャラ作りをしようと思う反面、芯のある女性にしたかったのでアフレコをとても楽しみにしていました。
──日笠さんは葉月のどのようなところを大切に演じたいと考えられましたか?
日笠:優しいだけではない、明るいだけではない、芯があるということはそれだけたくさんの事を経験して、自分の中で噛み砕いてきたんだと思います。もちろん、そのシーンを演じることはないし、語られる事は少ないです。
それでも葉月は激動を生き抜いて今があるのだと、そんな背中を見せられるお芝居がしたいなと思いました。
──美世のことを「持ち帰りたい」というほど気に入り、そして常に案じている葉月。第9話では清霞の言葉からも、葉月と清霞がとてもいい関係を築いてきたことを感じさせます。第9話をはじめとしたお話の中で日笠さんが思い入れのあるセリフや印象的だった場面はありますか?
日笠:私の幸せな結婚というタイトルがある中で、葉月から離婚というワードが出てくるのは私の中で結構衝撃的な事でした。でも結婚というものとは表裏一体であり、また葉月は感情的に逃げてその後後悔した自分を認知して受け入れていました。それを踏まえた上で、美世に結婚や人生はこうなのだと説くのではなくて、あなたはどう生きたい?と問うたのが、とても印象的でした。
ぐるぐると自分の中で考えてしまう美世から、素直な想いをそのまま言葉として発せられたことが大事なのだと私は思います。