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『AYAKA ‐あやか‐』連載インタビュー:上村祐翔(八凪幸人役)×寺島拓篤(沙川尽義役)【第6回】

アニメ『AYAKA ‐あやか‐』連載 第6回:上村祐翔(八凪幸人役)×寺島拓篤(沙川尽義役)|最終回直前!これまでの物語を声優陣が振り返る!

いばらの中で幸人は茶太郎や夜胡の3段階上にいる?

――第7話からは1話ごとに振り返っていきたいのですが、第7話は火の龍が出てきたり、10年前の兄弟のやり取りがあったのが肝だったのかなと思うのですが。

上村:第1話のアバンでの出来事がやっとはっきりしましたね。幸人的には覚えていない話ではあったんですけど。でも10年前は今と全然違う空気があって、みんな仲が良かったんだな~って、ただただシンプルに思いました。

そして師匠の八凪真人(CV.津田健次郎)が亡くなった場所に居合わせたのは鞍馬と伊吹で、尽義はその場にはいなかったけど、それは運命の悪戯というか。師匠を見つけたのが別の人だったらどうなっていたんだろうとか、いろいろ想像しちゃいました。

寺島:そのあとに兄弟子2人が袂を分かつように、それぞれ見たものに対して感じたことが違うだろうからね。この一門の末っ子は幸人だけど、まだ何もわからない歳だったので、この頃末っ子的な役割をしているのは尽義なんです。彼が2人を見て、何を感じ取って自分の生き方を選んだのか。この時点でほぼ決意をしていたのはすごいなって思いました。

でもそれくらい綾ヵ島と師匠の存在は、彼にとって大きいものだから、今こうやってずっと笑顔で島にいられるんだろうなと思いました。この第7話を見て、演じる上で思いが深くなったので、とても重要なエピソードでした。

――あんなに犬猿の仲だった鞍馬と伊吹が、すごく仲が良かったのがわかって、ちょっとホッとしました。

寺島:この作品って、主人公に感情移入するというより、物語を端から見て楽しむような感覚があるので、過去が分かると理解も深まって、作品にのめりこめるようになるんですよね。春兄と朱兄が仲良さそうにしていたことが分かることで、今ケンカをしていることもより深く刺さるようになるといいますか。

――火の龍も、アラミタマのデザインに通じるものがあってカッコよかったです。

寺島:そうそう。そこのデザインの統一感もあって、『AYAKA -あやか-』という作品における龍という存在が確立されているんだなって分かりますよね。いいデザインだなぁと思いました。

――先程話に出た第8話は、お祭り回でした。いばらが面白くて、ギャグ要素も挟んでいたのが良かったです。

上村:すごくキュンキュンしましたよね!!

寺島:かわいいよね、浴衣を褒められて急にお面を付けたりして。

上村:照れ隠しなんでしょうね。でも耳は赤くなっていましたけど。

寺島:そんなに!っていう。ちょっともうこれは……ってなるよね。

上村:あのシーンはすごく良かったです! でもまだ好きとかそういうことではなく、友達としてなんだけど、茶太郎くんや夜胡くんとは違う異性みたいな感じで。

寺島:そこなんだよ! ちょっと違いすぎて、明らかに3段階くらい上にいるよね(笑)。自撮りしているときも2人しか写ってなくてもいいっていう。

上村:違うステップに幸人はいますよね(笑)。でも雑に扱ってる感じも含めて、この4人の空気感がいいんですよ。

あと、浴衣姿のいばらに対して「褒めてやったら喜ぶぜ?」って幸人に言ってくる尽義も、ちゃんとお兄ちゃんをしているな~って思いました。最後に噴火があったりしますが、その直前に幸人も尽義に「尽義さんが力のコントロールを教えてくれたから、みんなと一緒にいられます。だから……ありがとうございます!」ってお礼を言ったりしていて、すべてが一度回収された感じがして、とてもハッピーな回でした。ただ、ハッピーだからこそ何かが来るとは思っていましたけど(笑)。

寺島:それであの噴火だから見事な展開だよね(笑)。

上村:現実に戻ってきたな~っていう。

――話を少し戻してしまいますけど、端から見ている視聴者としては、いばら、それは好きってことだよって教えてあげたかったです。

寺島:本当に! 本人たちだけが気づいてないだけで、いばら側にも尽義くらい焚き付けてる人がいたら進展するんでしょうね。でも、進展が遅いのが良い!

――伊吹も電話でいばらが楽しんでるか確認したりしていたし。

寺島:あれは完全にお父さんでしたね(笑)。

上村:そうでしたね。でも、視聴者の皆さんもみんなを見守って、頑張れ!って微笑ましく思ってくれていたんでしょうね。

――あとは、このあたりで幸人が龍だということが分かってきますね。

寺島:今までも予兆はありましたよね。

上村:第1話から龍の目になっていたから、もしかしたら気づいていた方もいたと思うのですが、この第8話と第9話あたりで確実に皆さんにも伝わったかなと思います。

寺島:でも感想を見ていたら、そういう感想もあったし、尽義が命を懸けるのではって考察もあって、鋭いなって(笑)。

――キャスト内でも、幸人が水の龍であることは考察していたのですか?

上村:実は中盤あたりで言われてはいたんです。ただ、水の龍だからどうなっていくのかというのは知らないままで。龍だと知ったときは、色んなものが繋がりました。もともと幸人は力の制御ができなかったけど、それほどの力を持っているということなので、ある程度予想はしていましたが、改めて聞くと、そうだよな~って。

これまではアラミタマを鎮めるというだけの話でしたが、脈接ぎだから覚悟をしなければならないという、覚悟の部分のステージが上がったのが第9話で、ここで、火の龍と戦っている師匠たちを助けよう!というところまでいくんです。

最初は逃げようと話していたけど、立ち止まって、本当にいいのかな?って考える。最後のシーンで幸人が「僕たちも、八凪を継ぐ者です!」って言っていたのが、すごく印象的で。あの言葉が自然に出てきて、4人が真剣な眼差しで今の事態を捉えている。だから、想いは受け継がれていくものなんだなって思いました。

春秋と朱が八凪真人のことを思って戦い、その弟子たちもやっぱり来てしまう。これはもう運命なんだなって。展開としても、とても熱いものがありました。

寺島:子は勝手に育つっていうことだよね。育てる側の想いはいろいろあるけど、それとは無関係に子供には子供の考えがあって、そこで成長が見られるのが素敵ですよね。「八凪を継ぐ者」っていうワードはすごくカッコ良くて、継承されていくんだけれど、それぞれの世代で全然違っているというのも、時代の変化に繋がってとても面白いことだなと思いました。

――弟子たちのメンタルが強いですよね。いばらは「足手まといだ」とまで言われていて、茶太郎たちは自分たちでそれを悟る。幸人は龍であると告げられてもなお、戦いへ向かうので。

寺島:頭ではわかっていても、その通りにするわけではないっていうことなんでしょうね。

――それと、師匠の元に行くかどうかの多数決で、茶太郎や夜胡より強いから、自分は2人と同じ2票分だという、いばらのトンデモ理論が飛び出したり、シリアスな中にもギャグを忘れないところも良かったです。

寺島:いばらは本当に、この2人のことを馬鹿にしてるからなぁ(笑)。

――春秋と朱は何だかんだ言いながら、いいコンビネーションで火の龍と戦っていました。

寺島:待ちに待った最後の戦いで、2人にとっては師匠の弔い合戦でもある。自分たちが今度は役割を果たす番だという思いもあるんでしょうね。コンビネーションの良さについては、やっぱり根本的には通じているということなんだと思います。

上村:根っこは変わらないですからね。もともと2人は思いが強いがゆえの反発しあっているだけなので。

――前半の仲の悪さを見ると、この2人がぶつかり合う展開になるのかなと思ったら、2人とも島のことを想う、すごく良い人だったんですよね。

上村:そうなんです!

寺島:朱は特に怖い人に見えるから、余計にですけど、どちらかというと朱のほうが優しすぎるがゆえに……っていう。春兄は理路整然としているから、突き詰めると冷たい人にも見え兼ねないんだけど。

上村:こうやっていろいろ知っていくと、第一印象と変わるかもしれないですね。僕は結構あの2人は似ていると思うんです。その中で、尽義という存在が、やっぱり際立ってくるというか。

寺島:そうなんだよねぇ。だから尽義って、脚本的にも人間的にも、この2人にとってとても大事な存在なんですよ。

10話で尽義は、身寄りがない自分だから何でもできるって言っていたけど、それはいざというときのためだけではなく、生き方として、どうとでも生きられると、自分自身が捉えていたんだろうなって思います。

(C) GoRA・KINGRECORDS/Project AYAKA
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