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夏アニメ『ライザのアトリエ』最終話放送後 のぐちゆりさん×大和田仁美さんインタビュー【連載第13回】

夏アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』最終話放送後 ライザ役・のぐちゆりさん×クラウディア役・大和田仁美さんインタビュー|あっちい関係の親友ふたりが作品を振り返る【連載第13回】

師弟関係がよく分かるアンペルさんの「お前はぜんぜんダメだ」という言葉

――ここまでの物語を振り返って、印象に残っているエピソードは?

大和田:いっぱいあるなぁ! でも、パッと思い浮かんだのは、第3話「思い出の香り」。クラウディアがライザの前でフルートを吹くシーンが印象的でした。あんなにも美しくてかわいいクラウディアをアニメーションで見られて幸せですし、演じている身として光栄です。

のぐち:放送後、「よすぎない?」ってふたりで盛り上がったよね。スタッフさんのなかに絶対クラウディア推しの方がいるんだと思います(笑)。それくらい、光の当たり方や髪の毛の舞い方も綺麗でした。

――のぐちさんが印象に残っているエピソードも教えてください。

のぐち:オンエアを見て特に印象に残ったのは、4話「水没坑道」。ライザの調合したタルフラムが想像以上の威力で、アンペルさんから「いい出来だ」と言われると同時に「だが、お前はぜんぜんダメだ」って叱られるシーンです。アンペルさんって、答えまでは言ってくれないんですよね。「考えるのもお前の仕事だ」って。ライザは最初こそ「ちゃんと調合できたのに、なんで?」という気持ちでしたが、師匠がそこまで言うからには、自分で考えなきゃいけないと思ったんです。そして、今まではいい方向で周りを巻き込んでいたけれど、自分の行動ひとつで仲間を危険な目に遭わせてしまうこともあると気が付きました。ライザの表情も、この話数からちょっと変わってきた気がします。ふたりの師弟関係がとても見えたシーンでした。

――随所で挿入歌が流れるのも印象的でした。ライザが歌唱する1話の挿入歌「あたしだけのなにか」については、本連載でのぐちさんにお話を聞きましたが、6話ではクラウディアが歌唱する「あたらしい勇気」が挿入歌として流れましたね。

大和田:クラウディアの素直な気持ちを素敵な言葉でまとめられた楽曲で、大好きです。
のぐち:めっちゃいい曲だよね。ライザたちが何もないと思っていた島に対して、クラウディアはこんなにもキラキラしたものを見つけてくれて。しかも、一緒にいて楽しいと思ってくれるという気持ちが表現されていて、ライザ視点からも嬉しくなりました。

大和田:アニメでは流れていないのですが、この曲には「仲間って呼んでいいかな」というニュアンスの歌詞があるんです。それがクラウディアらしいなと思いました。

のぐち:まだちょっと不安なんだよね。

大和田:そうそう! ちょっと不安なんだけど、みんなに会えて嬉しいし、クラウディアの世界が変わったというワクワクの気持ちは詰まっていて。歌っているうちにクラウディアの気持ちとリンクして、泣きそうになりました。「みんなと会えて幸せだよ」という気持ちが乗っているので、フルで聞いていただけたらと思います!

のぐち:『ライザのアトリエ』は音楽もめちゃくちゃよくて。「あたしだけのなにか」はライザの元気さを表現した歌詞ではあるのですが、曲自体は騒がしくないんです。のびのびしていて、素敵な曲ですね!

――7話ではライザとクラウディアのデュエット曲「Bright way」が挿入歌として流れました。

のぐち:この曲は主メロとハモリがライザとクラウディア交互に変わっていくんですよ。とても難しい楽曲でした。ただ改めてフル尺の音源を聞いたときに、ふたりの掛け合いがすごくよくて。恥ずかしいですけど、私と大和田が同じ方向を向いていたんだなと思いました。ライザとクラウディアの「友達よりもちょっと深い関係」や「前向きな気持ち」が表れている曲です。

大和田:これまでハモリがある曲を歌うときは、自分のパートに音をいくつも重ねて広がりを出すことがほとんどだったんです。一方の今回は、ゆりが歌っているパートで私がハモる、しかもハモリの音をいくつも重ねないで一本にして収録しました。私たち、花*花さんだったんです(笑)。

のぐち:間違いない! カラオケで歌わなきゃな。

大和田:難しい曲だけど、一緒にね!

のぐち:あっ、この曲もだけど、花*花さんの楽曲を。

大和田:いや、花*花さんのほうかよ(笑)。

のぐち:この曲も歌おうね(笑)。私、2番サビのクラウディアのソロパートがすごく好き。めっちゃいい声なのよ。あそこだけ何回も巻き戻したもん。

大和田:ありがとう! 今回の曲はライザとのバランスを考えて歌いました。実際、ゆりの声を聞きながら収録したのですが、ライザがしっかり高らかに、気持ちいい声で歌うんですよ。だから、一緒に歌う部分はライザとの調和も考えて地声で歌ったりもして、そちらのテイクが使われていると思うのですが、ソロのところは“らしさ”も残したくて。

のぐち:めっちゃ“らしさ”が出ていてすごくよかった! ぜひみなさんにも聞いて欲しいです。

クラウディアが認めてもらうために強くなろうとする姿を見ると、成長したなと感じます

――物語を経て、それぞれが演じるキャラクターの成長を感じた部分を教えてください。

のぐち:ライザは基本的に一直線ではありますが、先ほどお話した「水没坑道」での出来事を経て、人として成長しました。8話「錬金術は爆発だ!」では、ルベルトさんの課題だったとはいえ、村のみんなが危険にならずに廃棄物を撤去できるフラムを作るために、とことん研究をして調合を繰り返しました。きっと序盤だったらアンペルさんに「いいレシピない?」「どうにかできませんか?」と聞いていたと思います。師匠の言葉を受け止めて行動している姿を見て、ライザの成長を感じました。

大和田:クラウディアって、もともと溢れんばかりの強い意思を持っている子だと思うんです。ただ、もうひとつ勇気を出せなくて行動に移せない、諦めてしまう面があって。そんな彼女はライザと出会ったことで、一歩を踏み出せました。言葉で「行きたい」と伝えるだけでなく、お父さんに認めてもらうために自分も強くなろうとする姿を見ると、すごく成長したなと感じます。10話で「ライザたちと一緒に討伐隊を助けに行きます」とお父さんに伝える彼女は凛々しかったですね。これまでは、向き合い切れていなかったのかもしれません。

のぐち:確かに「どうせ言っても……」みたいな気持ちがあったのかも。ただ、10話に至るまでに、弓の練習をたくさんやったことで、お父さんにも強い態度を取ることができるようになったんだと思います。「お前が行って何ができる?」というルベルトさんと、それに対するクラウディアのリアクションは、アフレコのときも印象的でした。

大和田:お父さんに反対されたときのリアクション、早かったよね。「分かりました、お父さん」「今日はもう休みます」って。

のぐち:あの言い方、「いや、もう明日絶対行くつもりやん!」って思ったよね(笑)。大和田と浜田さんの掛け合いが、本当の親子みたいでした。

大和田:アニメではルベルトさんの課題がすごく丁寧に描かれていて、親子の関係性もより解像度が上がったと感じました。ああやって反発もしましたが、それによってむしろより良い親子関係が築けたのかなと感じています。

――最終話で、「子供の遊びに……いちいち目くじらを立てることもないでしょう」と言うルベルトさんは、これまでと少し違った表情を見せていた気がします。

大和田:いいですよね! 大人チームの変化も素敵な描かれ方をしているんですよ。

のぐち:10話でレントのお父さんを討伐隊メンバーに誘うも失敗したとき、レントの気持ちを察して肩を叩くアガーテ姉さんにジーンときちゃいました。

大和田:アガーテ姉さんで言えば、「モリッツさんはあれで、真面目に仕事をする人だぞ」「好き嫌いで人を評価するようじゃ、おまえもまだまだだな」とライザに言った言葉が刺さりました。

――アニメでは人間関係がよりフィーチャーされていたように思います。

のぐち:そうですね!

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