音楽
ReoNaが心を込めて歌う人間・命のお歌が魂を震わせる  “HUMAN”ツアーファイナル

「歩み続けるこの道の先で、あなたの絶望に寄り添えますように」ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”ファイナル公演詳細レポート

さよナラ、さよなら。でも命はあなたを忘れない。

「いつかは訪れる。受け入れたくなくても訪れる。それは平等に、時に残酷に。やめるときも、すこやかなるときも、いつかは終わっていく。忘する事無かれ」と、いつか訪れるサヨナラを描いた「メメント・モリ」を披露。ライブでの進化が目覚ましい1曲。今後、さらに変化を遂げる予感がする。

いつかは終わりが来る。それでも命はあなたを忘れない。続けて届けられた「VITA」(今秋発売ゲームの『ソードアート・オンライン Last Recollection』主題歌)はいつにも増してエネルギッシュな熱量だ。それを証明するかのように「ありがとう」と告げれば大歓声が響く。そしてその物語は<命は始まり、続いていくだけさ><惜しむ別れもないだろう>と歌うあの曲へとつながる。

と、その前に「最近とてつもなく暑いですね」と観客を見ながらそっと話しだしたReoNa。

「あっという間に梅雨の足音が遠ざかって、すっかり夏なんだなぁと感じます。春がすぎれば花びらをちらして、夏になれば青々として葉を茂らせて、秋になればその葉も散って、冬には枯れ木のような姿になる。よくある風景のひとつ。神崎エルザ。彼女はその姿を見て自分を重ねました。だけど私には、葉のない、枝もない、幹もない、根もない。その代わりに声がある。歌がある。足がある。ここにいる、みんな。ひとり。みんなひとり。みんな、ひとり。We are alone。だからこそ、巡る季節の先で、何度だって出会えるなら、惜しむ別れも無いだろう。みんなひとり、だからこそ、後には引けない道を。自分だけの旅路を」

桜をモチーフに描かれた神崎エルザの「ALONE」。「サビの歌い方が“全然エルザじゃない”って、ギリギリのタイミングですみませんと言って翌日にレコーディングを伸ばしてもらった」というエピソードを持ったこの曲をアコギと共に力強く、5周年を迎える今だからこその声色で柔らかに届けた。

ここでうれしいお知らせが。

「改めて、今日ここにくることを選んでくれて、本当にありがとうございます。ReoNaのライブに、コンサートに、アンコールはありません。最後の最後まで一対一、受け取って帰ってもらえますように。

今日という日はあと少しで終わってしまうけれど、まだまだ、これから、受け取ってもらいたいお歌たちもあります。

今年の夏、8月29日に、ソロデビュー5周年を迎えます。そしてその翌日、8月30日、今年の3月6日に開催したReoNaの初の日本武道館でのワンマンライブ『ReoNa ONE-MAN Concert 2023 “ピルグリム” at 日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』のライブDVD、Blu-rayのリリースが決定しました。約束のあの日をおうちでも楽しんでいただけますように。そして今日、ここに来てくれたあなたに、はじめてのお知らせがあります。

今年の秋、10月から、『ReoNa Acoustic Live Tour ”ふあんぷらぐど 2023”』の開催が決定しました! ひさしぶりのアコースティックツアー、あなたの街でもお歌、受け取ってもらえますように」

客席からこの日いちばんの拍手が送られる。

「いろいろな出会いと別れを繰り返して、今がある。唐突に、冷たい雨のように、降り注ぐ、悲しい別れだってあるけれど。歩んでいくこの道の先で、きっと何度だって、何度だって、新しい出会いもある。誰かの傷を癒せるとか、誰かの闇を払えるとか、そんな大それたことは言えないけれど、歩み続けるこの道の先で、大好きなお歌を続いて、大好きなアニメに、大好きな作品に寄り添って、あなたの絶望に寄り添えますように。人はひとり。みんなひとり。みんなひとり。We are alone、We are human、だからこそ……人と出会い、人と別れ、それでも、生きていく。どうしようもなく生きていく」

そう前置きし、スモークが漂う幻想的なシチュエーションで、デビューしてから5年間の歩み、出会いに対する感謝を込めながら、アルバムの表題曲「HUMAN」を歌う。最後の最後まで濃密な一対一で。

「私たち、human。同じ時間を過ごす今日も、あと少しで終わってしまいます。惜しむ別れは無くとも、終わりって寂しいものですね。次が最後の歌。大切な、大切なお歌の名前に、美しくもしたたかな、大好きなお歌の名前を、大好きな場所の名前をつけました。例え季節に、風に、雨に、散らされようとも、季節が回れば、まだ咲き誇る。だから“bye for now”。今は、さよなら」

クライマックスを飾ったのは澤野弘之が作曲・編曲を、cAnONが作詞を手掛けたアルバムのラストナンバー「SACRA」。ピンク色のライティングの中を花びらが舞う中、「SACRA」が未来への約束の歌として輝く。

間奏で改めて感謝の気持ちを伝えたReoNa。「今日、これは終わりじゃない。巡る季節の先へ、未来へ。またこうして、同じ空間で、受け取ってもらえますか?たくさん、温かい拍手を、声をありがとうございました。じゃあな!」。

足元の一枚の板が光り輝く。バンドの壮大なサウンドスケープが届けられる中、聴き手の記憶の頁に鮮烈な印象を残して、凛とした背中を向け新たな一歩を踏み出していったReoNa。その足取りは軽やかで、そして力強い。

当たり前ではあるが、最高を更新していくのは決して簡単なことではない。今回のライブもセットリストを変えたり、アレンジをさらに加えたり引いたりと、仲間の力を借りながら試行錯誤したことが伝わってきた。その日、1日しかライブに来られない人だっている。仕事や家庭の事情から、しばらくはライブに来られない人もいるかもしれない。だからこそReoNaにとっては「全国ツアーの1日」だったとしても、時間を預けてくれた人に対して、その1日を全力で「とくべつ」にするのだ。

この日発表になった『ReoNa Acoustic Live Tour ”ふあんぷらぐど 2023”』はReoNaの誕生日からスタートする。

きっとこのツアーでもまた新しい「とくべつ」が生まれるのだろう。新しい季節の先で何が起きるのかを楽しみにしながら、今日も明日も、生きていく。

[文/逆井マリ]

「ReoNa Acoustic Live Tour “ふあんぷらぐど2023”」開催決定!

2023年10月20日(金)三井住友海上しらかわホール

18:00 OPEN/19:00 START

2023年10月27日(金)品川インターシティホール

18:00 OPEN/19:00 START

2023年11月2日(木)福岡DRUM LOGOS

18:00 OPEN/19:00 START

2023年11月10日(金)なんばHatch

18:00 OPEN/19:00 START

全席指定 ¥7,800(税込)

※一部、ドリンク代別

チケット購入はコチラから
※スマホのみ閲覧可

プロフィール

絶望系アニソンシンガー。

陰のある少女らしいルックスながら、繊細で深い、少年の様な歌を歌うシンガー。

テレビアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」にて劇中歌アーティスト・神崎エルザの歌唱を担当し、“神崎エルザ starring ReoNa”として2018年7月にミニアルバム「ELZA」をリリース。2018年8月にReoNa名義でテレビアニメ「ハッピーシュガーライフ」のエンディングテーマを表題曲とした1stシングル「SWEET HURT」をリリースしてソロデビューした。

2023年3月には自身初の日本武道館ワンマンライブ「ReoNa ONE-MAN Concert 2023 “ピルグリム” at日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~」を開催。チケットは即日完売。

武道館公演の2日後には2nd フルアルバム「HUMAN」をリリース。

アルバム「HUMAN」をひっさげた全国7都市を巡るコンサートツアー「ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”」を開催。

2023年5月15日からNHK「みんなのうた」4-5月にかけて放送中の「地球が一枚の板だったら」が配信開始。同年8月にライブ映像作品『ReoNa ONE-MAN Concert 2023「ピルグリム」at日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』をリリース。

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