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秋アニメ『アンダーニンジャ』坂 泰斗×畠中 祐インタビュー|作品が持つ「匂い」を感じてほしい

秋アニメ『アンダーニンジャ』雲隠九郎役・坂 泰斗さん×日比奇跡役・畠中 祐さんインタビュー|九郎と奇跡は、緩さと緊張感が同居する忍者ならではのドライな関係――アニメを通して作品が持つ「匂い」を感じてほしい

おふたりとも一押しのキャラは「川戸さん」! 隙のある雰囲気にメロメロ!?

――映像をご覧になった感想をお聞かせください。

坂:花沢先生の、あのくすんだ空気感をよくぞここまで表現できたなと。決してビビッドな色合いの作品ではなく、天気でいえば曇りがよく似合う感じで。僕らはコンテ撮を見ながら収録することが多いんですが、第1話の冒頭シーンも絵コンテで色も付いていなくて。でも何となく曇りだろうなと思っていたら、ラッシュの映像がやっぱり曇りで。僕らが感じている空気感をすべて、うまく落とし込んでいるなと感じました。

畠中:台本を読んでいて、「これはこのまま行く気なのか?」とか「世界配信する時にどうするのかな?」と思ったセリフや描写をそのまま映像にしていたのがすごかったです。「あっ! 行っちゃってる!」みたいな(笑)。

宣伝担当:今、ひっかかっているシーンもありますけど。

坂:やっぱりダメなんだ!?

畠中:ぶっちゃけ、「超くだらないよね?」と思うシーンを全力で描いていて。まったくごまかさないので、僕としてはスタンディングオベーションなんですけど。●●●のシーンなんて、後方からの映像にすればいいのに、ちゃんと正面から描いていて。「ちゃんと描いてる! 大好き『アンダーニンジャ』!」と思ったけど、やっぱり……。僕個人としては戦うだけ戦ってほしいなと(笑)。これだけトンがっている内容で、「何でアニメ化したの?」と言われるくらいがちょうどいいと思うので。

――だいたいのアニメの初オンエアを見る役者さんたちは、ワクワクしながら見るものですが、この作品では「あのシーン、ちゃんとオンエアされるのかな?」とか「無事にオンエアされるかな?」という不安まじりだったりして(笑)。

畠中:そうですね。どこかの国からストップされなきゃいいなと。

坂:それくらいの作品があってもいいと思います。

畠中:やりたいことをやっているのだから、その想いを貫けばいいんですよ。

坂:放送前に原作10巻発売を宣伝する広告に「アニメ化が心配です」と書いてあって、ちゃんと布石は打ってありましたから。

畠中:「だから言ったじゃん」と言えますから(笑)。

――こういう空気感や雰囲気の作品は珍しいので、好きな人はすごくハマるでしょうね。

坂:刺さると思います。

畠中:僕は好きですね。ずっと曇りで、誰にも媚びてない感じが。

坂:第1話で「セミの鳴き声が超聞こえる」と思いながら見ました。

――ただ、言葉で簡単に説明するのが難しい作品でもあります。

畠中:そうなんです! 「取材の時、どう説明しよう」と。命を賭けた緊張感とくだらない感じで、隠されたせつなさもあったりして。どこから触れて、どう捉えればいいのかがずっとわからなくて。まるで忍者みたいですよね。最後まで謎で。

坂:ずっと我々が見えない、ちょっと下で動き続けているというか。

――ご自身が演じるキャラクター以外でお気に入りのキャラクターを教えてください。

坂:全員好きなんですけどね。大野さんは何をしゃべってもおもしろいし。

畠中:(演じる)チョーさんは自由ですね。

坂:台本と全然違うことをおっしゃられていても、「大野さんなら言うな」と思わせて。

畠中:台本通りにセリフを読んだ時も、僕が読んでいるのと違う感覚があって。「あっ、そこでどなるんだ」とか。チョーさん、すごいなと思いながらアフレコを聞いてます。

坂:「2回ゲロ吐いた」というセリフもアドリブも細かくて、おもしろくて。

――チョーさんのアドリブは全部OKだったんですか?

坂:第1〜2話を拝見した限りではすべてイキでした。あと僕は個人的に純粋愛(じゅんな)ちゃんが好きで。

畠中:かわいかったね。

坂:まだ誰が演じるのかはお話できませんが、「あの方しかこの色は出せないな」と。かわいいけど、彼女のバックボーンや過去の境遇がちょっとにじみ出ていて。すごいです。練魔の空気感を純粋愛ちゃんだけでも感じることができます。

畠中:言葉は悪いけど、クソガキ感があっていいんですよ。「うっせー」のひと言だけで育ちも見えて。

坂:根はいい子なんだなという中で、育った環境から口の悪さも出ていたり、現代っ子ならではのネットに精通した感じで。ひと言ひと言にも説得力があって。

畠中:僕は川戸さんですね。

坂:僕も大好き!

畠中:逆に誰が彼女を嫌いになるのでしょうか。でも女性からしたらだらしないところはダメなのかも。「あの子、ちょっと狙ってんでしょ?」みたいな。

坂:狙ってやっているとしたら男はみんな、だまされると思う。

畠中:最強だけど、同性の女性からしたら「足を閉じろ!」と。でも男子中学生はみんな、恋しちゃう。

坂:確かに。

畠中:もし僕が川戸さんと同じアパートに住んでいたら、彼女の部屋や廊下を歩く時の床のきしむ音を聞いただけでドキドキしちゃう。「川戸さんが帰って来た!」みたいな。

――こう言ってはなんですけど、お二人ともちょっとチョロすぎるのでは?

坂・畠中:本当ですか!?

畠中:そんなことないですよ。川戸さんは最強です。あんなに無防備でいられたらたまらないです。いろいろな女性キャラクターが出てきますが、みんな強すぎるから全然恋できない。鈴木さんも怖いし。

坂:フェチって業が深いなと思います。

畠中:でもあれが本当だったら、世のおじさんは勇気が出ると思う。

坂:「あんなにきれいな人が」って。でも、いそうな絶妙なラインですよね。川戸さんしかり、鈴木さんしかり。そのリアリティもおもしろいですね。

作品が持つ緊張感とコミカルさ、そして「匂い」を感じてほしい

――『アンダーニンジャ』の世界観は僕ら男性はハマると思いますが、女性にこのアニメの魅力をアピールするとしたら?

坂:男性キャラが多いけど、イケメンという感じでもないし。イケメンといえるのは蜂谷くらいかなあ。

畠中:確かに蜂谷はきれいな顔立ちしているね。むしろダメ男好きには九郎はたまらないんじゃないかな?

坂:ダメ男のバーゲンセールをしているかも。結構みんなダメですよ(笑)。

畠中:見てくださる方の男性の好み次第かなと思うけど、母性の塊みたいな方には九郎は面倒を見てあげたくなるでしょうね。「うちのアパートに住む?」みたいな。

坂:そんなに!? むしろ僕が養ってもらいたい(笑)。加藤もカッコいいと思いますよ。

畠中:でも加藤とは絡みたくないよね。

坂:一番ピリついた雰囲気があるから。でも声はみんな、イケメンですから!

畠中:でも男性キャラも女性キャラも関係なく、やらかす時はやらかすし、「こんなセリフ、言っちゃうんだ」ということもちょこちょこあるので、男女関係なく、「まっ、いいか」となれると思います。なので、現場で僕らも男女関係なく、ざっくばらんに話しているし。でも後で時間が経ってから冷静に考えてみると、「なんてことを言ってしまうんだろう?」と。

坂:畠中さんは1人反省会するって本当ですか?

畠中:うん。帰り道で「あの公共の場で、あんなこと言ったら、絶対に勘違いされるかも」と考えてしまうけど、結局、「まっ、いっか」で済ましてしまいます。

坂:……これ、女子への作品アピールになってますか?

畠中:そういう意味で男女隔たりなく楽しめる作品ということで(笑)。

――これから放送される第1話の見どころと、アニメの全体的な見どころのご紹介をお願いします。

坂:よく「空気感」という言葉が使われますが、この作品では「匂い」だと思うんです。ちょっと湿った感じと作品の「匂い」を第1話の段階でも、ものすごく感じていただけるはずです。キャラクター同士の掛け合いや原作独特の色合いなどを第1話で感じたり、つかんでいただけると思うし、彼らが暮らしている「練魔」の空気感の中に、皆さんも等身大で入っていただけるはずです。アニメを俯瞰で眺める感覚ではなく、自分の横で九郎や奇跡たちが会話しているような。まず第1話をご覧になっていただいて、その匂いに触れてください。そこで気に入ってもらえたり、ハマった方は最後まで見たほうがいいです。なぜなのかはここでは言えませんけど、すごいし、原作でも大きな衝撃を受けましたから。

九郎は一応、主人公という立ち位置ですが、僕はこの作品は群像劇かなと思っています。彼は個性豊かなキャラクターたちの中心にいて、彼の持つ空気感や世界観が少しずつ変わっていきます。九郎とは何者なのか? 何度も見返して、考察しながら楽しんでいただきたいです。そして答えを見つけた時はぜひ僕たちに教えてください。一緒に答え合わせをしましょう!

畠中:原作ファンの方も第1話をご覧になっていただけたら「えっ!? こんなふうに始まるの?」と新鮮な驚きがあると思います。もちろん原作の雰囲気はそのままですし、エピソード感の区切りを感じさせず、シームレスに楽しんでいただけます。

まだ『アンダーニンジャ』に触れたことがない方には、「命のやり取りはしているけど、肩肘張らずに見られる」と伝えたいです。九郎たちの何気ない会話やコミカルなやり取りに笑っていたら、いつの間にか緊張感の真っただ中にいたみたいな、不思議な感覚になると思います。僕自身も笑っている自分に思わずハッとすることがあるシリアスな瞬間もあって。そのバランスが絶妙なんですよね。おもしろがっている自分と、冷静に俯瞰している自分の2つの視点で見られるアニメかなと。作品の持つ緊張感とシュールさを楽しみながら、僕らも演じているので、皆さんもこの独特の空気感にどっぷりつかってもらえたら嬉しいです。

TVアニメ『アンダーニンジャ』作品情報

放送情報

TBS:10月5日より毎週(木) 25:28~
BS11:10月6日より毎週(金) 23:30~
※放送日時は変更となる場合がございます。

スタッフ

原作:花沢健吾『アンダーニンジャ』(講談社「ヤングマガジン」)
監督:桑原 智
シリーズ構成・脚本:大知慶一郎
キャラクターデザイン:結城信輝
サブキャラクターデザイン:上野ちひろ
メカプロップデザイン:反田誠二
プロップデザイン:山田菜都美
総作画監督:氏家章雄 岩崎令奈
美術監督:斉藤 雅己
色彩設計:油谷ゆみ
3DCGI:酒井英之
撮影監督:志村豪(T2スタジオ)
編集:内田 渉
音響監督:本山 哲
音響制作:ダックスプロダクション
音楽:小鷲翔太 瀬尾祐介 中野定博 MK Ryu*
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:手塚プロダクション

キャスト

雲隠九郎:坂泰斗
加藤:新垣樽助
日比奇跡:畠中祐
鈴木:種﨑敦美
蜂谷紫音:山下大輝
川戸:安済知佳
大野:チョー
瑛太:内田修一
野口:徳井青空
小津:相馬康一

公式サイト
公式ツイッター(@UNDERNINJAanime)
ヤングマガジン公式サイト

書籍情報

原作コミックス『アンダーニンジャ』
著者:花沢健吾(講談社/ヤングマガジン)
第1巻~第10巻 好評発売中
https://kc.kodansha.co.jp/title?code=1000032656
最新11巻 2023年9月6日発売

★購入はこちら

(C)花沢健吾・講談社/アンダーニンジャ製作委員会
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