2ページ目：『魔道祖師』姑蘇藍氏特集｜藍氏双璧を生み出した超名門をご紹介

名：湛（ジャン）
字：忘機（ワンジー）
号：含光君（がんこうくん）
誕生日：1月23日

姑蘇藍氏の直系の第二公子。真面目で文武両道、品行方正で己にも厳しい寡黙な美男子です。言葉数は極めて少なく、無視を通すことも。

叔父である藍啓仁の厳しい教えのもと兄の藍曦臣と共に育ちます。「含光君」と称され、泰然自若で周りからは一目置かれる存在。肌は抜けるように白く類いまれなる美しさを放ち、魏無羨が彼に見惚れて容姿を称えている場面も少なくありません。

玻璃のような瞳の色は彼の視線をより冷たく見せ、印象は極めて冷淡。藍氏の白い校服が喪服にしか見えないと思っている魏無羨が、13年の時を経て再会した藍忘機を見て「妻を亡くして苦しみと深い憎しみの底にいるかのような表情」と密かに表現している場面も。そして彼の左胸には烙印、背中には三十三本の戒鞭の痕があります。

お酒に弱く、少し飲んだだけで酔ってしまいます。藍忘機の酔い方の特徴は、まず寝て、しばらくすると起きて普段の彼からは想像できない行動をとり始めます。ウサギが好きなど本音を話してくれることも多く、好きな人への感情がダダ漏れに。（ただし、その相手には一向に想いが伝わらない。）しかし、翌朝には酔ったときの記憶をほとんどなくしています。

「逢乱必出」の評判通り、妖魔鬼怪が弱くても強くても、たとえ名声に繋がらないことだとしても誰かが助けを求めれば必ず出向きます。仙門百家でその名を轟かせる七弦の古琴「忘機」と剣「避塵」を携え、修為と霊力の高さは圧巻です。義城では左手で剣を操り、同時に右手を使って琴をかき鳴らし攻撃する場面も。さらに観音廟では凄まじく驚異的な腕力を披露しています。

『陳情令』藍忘機キャラクターソング「不忘」

キャスト

藍曦臣（ラン・シーチェン）

声優	中国語	日本語
アニメ	辺江	立花慎之介
『陳情令』	辺江	立花慎之介
ラジオドラマ	魏超	日野聡

名：渙（ホワン）
字：曦臣（シーチェン）
号：沢蕪君（たくぶくん）
誕生日：10月8日

藍氏の現宗主であり、藍忘機の兄。温和で高潔な品性の持ち主です。共に「射日の征戦」で尽力していた聶明玦（赤鋒尊）、金光瑶（斂芳尊）と義兄弟の契りを結び、各々の美談が仙門世家の伝わり、「三尊」と称されるように。彼の剣は「朔月」、そして「裂氷」という名の簫でこの上なく美しい音色を響かせます。

聶明玦の死後も、彼は金光瑶と親交を深めてきました。金光瑶が何をしてきたか知ってはいるもののやむを得ない事情があるのだと思っていたと言う藍曦臣。愛憎渦巻く彼ら三尊の関係は本作の重要な見どころのひとつです。

キャスト

藍思追（ラン・スージュイ）

声優	中国語	日本語
アニメ	金弦	森川智之
『陳情令』	凌飛	森川智之
ラジオドラマ	王凱	森川智之

名：願（ユエン）
字：思追（スージュイ）
誕生日：1月12日

姑蘇藍氏の弟子。幼い頃の記憶が抜け落ちていますが、藍忘機に指導され、優秀でとてもいい子。藍景儀と仲良しで、蘭陵金氏の金凌とも交流があります。

莫家荘で姑蘇藍氏の者たちと遭遇した際に藍思追を観察していた魏無羨は、上品に話し躾も礼儀も良く出来ていて称賛に値する少年だと感心していました。そして、魏無羨はさらにこんなことを思っています。

「姑蘇藍氏のような古い堅物しか集まらない恐ろしい所で、いったい誰がこんなに優秀な若者を育て上げたのだろう」（小説第1巻「荒狂」より引用）

キャスト

藍景儀（ラン・ジンイー）

姑蘇藍氏の弟子。正義感が強い少年で、共に行動している藍思追と仲良しです。第二次乱葬崗殲滅戦では、自らを囮にしようとする魏無羨を前に、率先して自らも敵の的になろうとする姿も。口数が多く思ったことをすぐ言ってしまうタイプなので、夜狩などで遭遇する金凌とは言い争いになりがちですが、感情移入しやすい素直さも持ち合わせています。

キャスト

藍啓仁（ラン・チーレン）

前宗主の弟で、藍忘機と藍曦臣の叔父。藍氏の中でも特に規律を重んじ、世家の間では「古臭い」「頑固」で知られ敬遠されているようです。しかし「多くの優秀な修士を育ててきた名師」ゆえに、自分の子供を彼のもとへ学びに行かせたがる親が多いのです。

実は剣術も素晴らしい藍啓仁。藍忘機＆藍曦臣が16歳まで剣術の手ほどきを受けていた先生が彼であることも忘れてはなりません。

キャスト

藍翼（ラン・イー）

姑蘇藍氏の開祖・藍安の孫娘で、藍氏唯一の女宗主。弦殺術を考案したことで非難されるも、この術は藍氏の秘技の中で最も殺傷力が高く、遠距離にも近距離にも適した卓越したものであることも事実です。

キャスト

青蘅君（せいこうくん）

（※青蘅君の姓、名、字などの詳細は不明。また、夫人の名前も明かされていません。）

藍氏の前宗主で、藍忘機と藍曦臣の父親。成人する歳に突然勇退して妻を娶っています。歴代宗主の居所は「寒室」ですが、夫婦は一緒には暮らさず彼は一年中閉関しており、姑蘇藍氏のことは長年にわたって弟・藍啓仁がまとめていました。青蘅君が他界したあとは藍曦臣が宗主に。

かつて青蘅君は広く名を轟かせる名士でした。ある日、姑蘇の外れで出会った女性に一目惚れしたそうです。けれど彼女は青蘅君を好いてはくれず、しかも彼の恩師を殺してしまったのです。真相を知った青蘅君は苦悶の末にこっそり彼女を連れて帰り、一族の反対を顧みずに夫婦の契りを結びました。婚礼のあと彼は雲深不知処の奥深くに佇む建物に妻を閉じ込め、自身も別の建物に閉じ込めています。

藍曦臣からその事実を聞いた魏無羨はあれこれ考えて「姑蘇藍氏は本当に奥深くて捉え難い一族だよな。先祖が坊主で家風も堅苦しいのに、時々本当に……一途で情熱的な人が出てくるんだな」（小説第3巻「優柔」より引用）としみじみ振り返っていました。