「改めて素敵な作品だなと思いました」──アニメ『レヱル・ロマネスク2』放送開始を記念して、かにこ役の田中理恵さんが魅力を語る!
廃線の危機に瀕した鉄道界を救う人型モジュールのレイルロオドたちの健気に奮闘する姿を描いたアニメ『レヱル・ロマネスク』の約3年ぶりの新作『レヱル・ロマネスク2』が2023年10月5日よりTOKYO MXにて放送開始!
本作では、「沿線の魅力を音で伝えよう」と、各レイルロオドたちが、魅力が伝わる音を録音するための旅が始まります。『レヱル・ロマネスク2』では新しいレイルロオドたちが登場! もちろん前作のキャラクターのすずしろ(CV.上坂すみれ)も登場します。
『レヱル・ロマネスク2』の放送を記念して、かにこ役を演じる田中理恵さんにインタビュー! アニメや演じるかにこの魅力、劇中で流れるキャラソンについてなどを語っていただきました。
かにこはASMRコンテンツに初登場から今回のアニメへ
──アニメ『レヱル・ロマネスク』に2期シリーズから参加が決まった時の感想は?
かにこ役 田中理恵さん(以下、田中):私は『畜音レヱル』というASMRコンテンツ(2020年に始まった『レヱル・ロマネスク』のスピンオフ企画)で、初めてかにこちゃんを演じさせていただきましたが、まさか『レヱル・ロマネスク』のアニメ2期シリーズに出演できるとは思っていなかったので、とても驚きました。
そして『畜音レヱル』の時は自分の間合いでできたけど、アニメになるとキャラのお芝居をキープしつつ、決まった尺の中に収めないといけないし、更に5分アニメと聞いて、「どのくらい早くしゃべるのかな?」とか「私、できるかな?」と喜びと同時にプレッシャーもありました。
また、かにこちゃんは設定では内気であまり愛想がないキャラクターだったので、「周りのキャラと、どうコミュニケーションを取るのかな?」とか、「アニメ化で設定が変わったりしないかな」とか気になることだらけでした(笑)。
──アニメ『レヱル・ロマネスク2』の台本を読んだり、演じてみた印象をお聞かせください。
田中:レイルロオドたちは鉄路が絶滅寸前になった未來で、鉄路の復興に向けて頑張っていますが、『畜音レヱル』では「沿線の魅力を音で伝えよう」とそれぞれが録りたい音を求めて、フィールドレコーディングに出かけて、録った音をみんなでジャッジします。
ただ、今回のアニメでもレイルロオドたちの音に対する真摯な向き合い方や、かにこちゃんのまじめな性格は変わらなくて、むしろ「音がちゃんと録れているのか」というジャッジがより厳しくなった気がします(笑)。
いい音がうまく録れなくて悩んだり、一生懸命、試行錯誤する姿が健気でかわいいなって。応援したくなりましたし、仲間たちが助けてくれる人も温かくて、改めて素敵な作品だなと思いました。
──かにこたち、レイルロオドは人形モジュールという設定もおもしろいですね。
田中:蒸気機関車の擬人化というのがまず珍しいですよね。また録ってきた音をみんなで審査する品評会が毎回行われて、その時に彼女たちが飲食するシーンがあるんですけど、すべて燃料で。
みんなが黒いお菓子を「おいしいね」と笑顔で食べていて、かりんとうかなと思ったら石炭でビックリ(笑)。あとレイルロオドがそれぞれ音を録りに行った時、「これをくんせいにしてほしいな」と差し出したのが石で。そのシーンはギャップがすごすぎて、もはやエモいなと(笑)。
ちなみに録音しに行く場所は、熊本県の実在する場所をモデルにしていて、熊本県の特産物や有名な場所など描かれていますが、実際にスタッフの方が熊本に行って録音しているので、音がリアルで。
彼女たちが使用するマイクもかなり精密に描かれていて、私たち声優の仕事でもマイクは欠かせませんが、マイクの種類や詳しいメカニズムなどは意外に知らないもので。
「この音を録音する時はこのマイクを使います」と丁寧に説明してもらえて、他のキャストの方と「勉強になるね」と話したことを覚えています。
──確かにアニメの台本を見たら具体的な機種や型番まで書かれていて、「こんなところまで!」と驚きました。僕らの10代の頃は鉄道ブームが起きて、乗り鉄や撮り鉄だけでなく列車の音を録音する録り鉄もたくさんいたので、懐かしさも感じました。
田中:録音ブームもあったんですね? スタッフの皆さんのこだわりですよね。一つひとつの音をスタッフさんが現地に行って収録してきたり、食材をすりおろす音までちゃんと生で録音していて。
このアニメがヘッドフォンを推奨する意味がわかります。目と耳で癒される素晴らしいアニメですね。
私もヘッドフォンを耳にして視聴するとすごく心地いいんです。それと同時に「私ってこんなフェチがあったんだ」と気付いて(笑)。特に好きだったのがボリュームのあるお肉に塩などじゃりじゃりしたものを擦りつける音で。
今までは水のせせらぎや雨音、鳥のさえずりが好きだったので、食材に手を加えたり、「料理する音が好きだったんだ、私って」とアニメを通して気付かされました(笑)。
声優のお仕事をしていると声にすごく気を遣いますが、結局、アニメや吹替でも耳で聴きながらの収録なので、ヒアリング力に長けていると思うんですよね。
特に吹替は台本に書いていない細かな息遣いも聴き取るので、聴くことに敏感な私たちがプロの方が録ったリアルな音を聴けるということは、耳が幸せになるし、癒されますね。