凸凹コンビは似た者同士!?　頼れる相棒との掛け合いで確かな手応え――秋アニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』鴨乃橋ロン役・阿座上洋平さん＆一色都々丸役・榎木淳弥さんインタビュー

意外と似ている凸凹コンビ!?

──それぞれのキャラクターの印象を教えてください。

阿座上：ロンは、ボケているのか本気なのかわからないところがある、掴みどころがないキャラクターだと思いました。でも決めるところはしっかりと決めますし、掴みどころがないからこそ真面目なときの顔がよりかっこよくて。そんな彼を声で演じるにあたっていろいろなことを考えました。

──感情の波が結構激しいタイプですよね。演じるのは大変でしたか？

阿座上：トトも大変だとは思うんですけど、ロンはメリハリが大事です。感情が昂ぶってしまうところは“只事ではない感”を出さないといけなくて。でも普段の飄々としているところはより飄々と。ほかにも真面目なとき、気だるそうなとき、それぞれ印象付けられるように意識しました。

──ひとりのキャラクターなのに、何役も演じているような？

阿座上：要素がたくさんありますからね。様々な角度からアプローチできるよう、今も演技の引き出しを探っています。

──榎木さんからご覧になったロンの印象はいかがでしょうか？

榎木：禁断推理というタイトルにあるように、ロンは推理をしてはいけない状況なのですが、それって辛い状況だなと。ロンにとっての推理は、自分の存在価値を証明できることでもあるんですよね。それはゲームが得意な人がゲームを禁止されるようなもので。普通であれば「俺はなにをすればいいんだ？」となりますよね。

だからこそ推理中にあんなにテンションが上がってしまうんだと思っていて。気持ちはわかるといえばわかります。仕事をしたいのにダメだと言われる、みたいな。

──そんな角度から共感されたんですね。

阿座上：ロンも自分で言っていますが、推理は生きがいであって。特に、ロンは自分には推理しかないと思っているので、そんな人が生きがいを封じられたらストレスになりますし、怠惰な生活になってもしょうがないんじゃないかなと。

ただ、ジムで鍛えていたようにちゃんとストレスを発散していたりして。個人的には、いつか推理をする機会を伺っていたんじゃないかなと思っています。

──トトについてはいかがでしょうか？

榎木：周りからはあまり能力が高くないと評価されている刑事で、雨宮さんからは厄介者のように扱われていて。でもトト自身は困っている人を助けたいという思いがあるので、第1話ではなにもできないことが辛いと言っていました。そんな姿を見て、トトは人を助けることが幸せなんだと感じましたし、助けることが幸せなのに捜査を禁じられているような形になるのはロンとどこか似ているなと思いました。

阿座上：ロンはトトに対してピュアなマヌケと言いながらも“俺にはできないことができる人間”だと感じていますし、そこに惹かれたところはあるんだと思います。あとトトがいないとロンのボケも滑るだけのところがあったり。

榎木：トトはボケとは思っていないんじゃない？（笑）

阿座上：トトがいないと誰も回収できないから（笑）。そういう意味でも良いバディだと思います。凸凹コンビではありますが、お互いの欠けている部分を補い合う関係性ですよね。

──奇跡的なバランスでバディ関係が成立していますよね。

阿座上：ちょっとでもバランスが崩れたらボロボロになりそうですよね。まさに凸凹コンビだと思います。

榎木：トトとロンは互いに期待し合っていますし、利害が一致しているところがあるなと。推理能力がないトト、推理がしたくてもできないロン。上手いこと合致していて、今後仲良くなっていくんだろうなと思います。

──注目しているキャラクターはいますか？

阿座上：シュピッツ（・ファイア）は面白そうなキャラクターですよね。原作を読んでいるのでこの先の関わりを知ってはいますが、それでも楽しみです。

──ロンが通っていた探偵学校の教官ですね。

阿座上：シュピッツ以外にも、教官の方々は演じているキャスト陣がすごいんです。この方々だけで映画が作れそうなくらい。教官たち一人ひとりがロンとどう関わるのかにも注目してほしいです。

榎木：僕は雨宮ですね。上司ということもありますが、なによりも日笠陽子さんが演じていますから。面白いんですよね。

阿座上：面白いね（笑）。