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『鴨乃橋ロン』阿座上洋平&榎木淳弥が振り返る第1話【インタビュー】

ハードな展開を感じさせないロン&トトのドタバタ会話劇! コメディとシリアスが融合した第1話を振り返り──秋アニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』鴨乃橋ロン役・阿座上洋平さん&一色都々丸役・榎木淳弥さんインタビュー

設定自体はハードだけど……?

──放送されたばかりの第1話の感想を教えてください。

阿座上:(取材時は)まだ完成版を見れていないんですけど、ロンとトトがずっとしゃべっています。収録前は、これはやりがいがあるアフレコになるなと感じていて。実際、掛け合いの中で生まれた表現がたくさんあったんです。

よくあるんですけど、色や音が付いた完成版を見て「あの演技で正解だった!」と気付くことがあって。そこは我々も楽しみにしているところです。僕もオンエアのタイミングで、台本を片手に見たいなと思います。

──その楽しみ方は声優さんならではですね!

阿座上:ここはどんな感じになっているのかな?と気になっているシーンもありますから。

──アフレコ中、特に印象に残ったシーンはありますか?

阿座上:長いセリフが多くて難しかったですね。第1話だと「空気中の酸素濃度が18%を切った状態のことさ」から始まるセリフとか。台本2、3ページにわたって説明するシーンもあって難しかったですね。ロンの長いセリフは掛け合いではないので、ちゃんと理解できるように、ひとりで試行錯誤しました。

──榎木さんはいかがでしたか?

榎木:禁断推理というだけあり、人の生き死にであったり、ロンの病気だったりと、設定自体はハードなんですよ。でも作品全体を見るとすごくポップに作られていて。だからこそ、肩肘張らず、気楽に楽しんでもらえたんじゃないかなと。推理のバリエーションも豊富ですし、ぶっ飛んだセリフもあったりして。

阿座上:たしかに(笑)。

榎木:ファンタジー要素もあって、リアリティ以外の楽しみもあります。第2話以降もぜひ楽しみにしていてほしいです。

──コメディシーンは殺人現場の重い空気が和らぎますよね。

榎木:そうですね。難しいお話が苦手な方にも楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

──印象深いシーンはありましたか?

榎木:ロンが犯人を追い詰めて飛び降りさせてしまった後の、どこか噛み合っていないやりとりが印象深いです。トトは助けてほしいのに、ロンはひとりで盛り上がっていて。犯人は犯人はでずっと叫んでいて。そんなドタバタ感が面白かったです。

阿座上:あそこは別録りでしたが、ロンが「ピュアなマヌケだからこそ理屈より先に」と話している裏で、犯人がずっと叫んでいて(笑)。真面目なのにコミカルになっているのは面白いところですよね。

トトのツッコミが会話劇の鍵を握る!?

──演じるにあたって大事にしたポイントを教えてください。

阿座上:この作品は会話劇が主軸なんですけど、特にコメディシーンはテンポ良くボケとツッコミが進んでいきます。しかし、会話がワンパターンだと間延びしてしまうと思ったんです。

──なるほど。

阿座上:ワンパターンでボケたりツッコんだりしても、せっかくの面白いシーンの魅力が減ってしまうんですよ。我々も収録が始まる前に、「テンポ感やボケとツッコミは大事だよね」と話していて。個人的にツッコミのほうが大変だと思ったんですけど、榎木君は上手いこと変えるんですよ。

榎木:へぇ!

阿座上:全然ワンパターンにならない! 全部勢いよくツッコむとうるさく感じると思うんですけど、トトはなんにも心配がいらなくて。

榎木:ここ、絶対に書いてください。

一同:(笑)

阿座上:でも本当に「これは大丈夫だ」と思えて。僕もその流れを汲み取ったうえでひとつ上のボケを出しているので、良いやり合いになったんじゃないかなと思います。

榎木:僕も、漫画では気にならなかったけど、音声になるとちょっとうるさいな、となりかねないのがトトだと思っていて。ロンは大声でボケたりしないですが、トトは台本で「!」が付いていることが多いんですよ。そこでどこまで押したり引いたりするのかという部分は結構考えました。

トトはほかにも、一般常識的に失礼なツッコミをしたりするんですけど、それを相手に聞こえるように言うのか、聞こえないくらいに言うのか。例えば、ボロボロの建物から人が出てくるシーンは、原作だと「人いたんだ!」と書いてあって。これって聞こえるように言ってしまうと失礼じゃないですか。だから演じるうえではちょっと聞こえないくらいに調整して、なんとか押し引きを作っています。

──アニメにおいてはそちらのほうが自然かもしれませんね。

榎木:そこはディレクションでも「うるさすぎないように」と言われたので気をつけました。

──ほかにもディレクションはありましたか?

阿座上:ロンに関しては、推理パートになった際のワクワク感、楽しんでいる感じを切り替えてやっていこうと言われました。怠惰の床とかでボソボソしゃべっているところはハッキリとさせずに口を抑えたり。細かいポイントポイントでディレクションをいただいて、段々とキャラクターの輪郭を作っていきました。

──何パターンも試したり?

阿座上:そうですね。僕自身、閃いたときのセリフとか、相手を追い込んでしまうところは切り替えたほうが良いと思ったので、そこは注意して演じました。

──決めセリフ、かっこよかったです。

阿座上:推理モノによくあるやつですよね(笑)。そこは大事だと思ったので、見ている人がわかりやすいようにしています。

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