秋アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第2話放送後インタビュー:古賀 葵さん(秋里コノハ役)|出演者を悩ませる時代によるアクセントの違い、コノハのサバイバル能力の高さにも驚いた第2話【連載第3回】
タイムリープをして行ってみたい時代は?
――その他に第2話で、気になったシーンというと?
古賀:ゲーム作りをするのに会社に泊まり込むシーンです。今でも徹夜とかをしているところはあるんでしょうか?
――業種によってはあると思いますよ。ただ、仮眠室とかがある気もしますが。
古賀:そうなんですね! じゃあ地べたに布団敷いてとかではなく。
――なかなかないと思います。あと、今は家でできることも増えましたし。
古賀:確かに!
――コノハは、人がいるところでも平気で寝れちゃうところがすごいですよね。守が仕事している横で寝ていましたし。
古賀:そういうところも今どきの子な気がします。図太いと言ったらあれですけど、マイペースで、私は私、人は人みたいな子が増えている気がするので。
あとはゲーム作りで、みんなで和気あいあいとしているシーンも好きですね。メイ子さんとかおりさん(CV.川澄綾子)がギュッとしてくれたときに、コノハちゃんが当時の人たちってこんなに距離感が近いの!って驚くんですけど、そういうところも面白かったです。コノハちゃんが働いていた会社は殺伐としていたから、2人の温かさにギャップを感じているところは、90年代と今っぽいな~って思いました。
――そうかもしれないですね。今だと要件がメールベースですし、あまり会話もしないのでドライな感じはあるかも……。
古賀:そうですよね。そういうところは印象に残っています。
――気になっているキャラはいますか?
古賀:メイ子さんも好きだし、かおりさんの帽子もめっちゃ気になります! 皆さんキャラがすごく濃くて、面白いんですよね。キョンシーさん(CV.福島 潤)はマスクがすごいので、気になっています。
――古賀さんは、PC98みたいなパソコンは持っていましたか?
古賀:私、田舎出身なので、こういうパソコンが家にある人のほうが少なかったです。小学生くらいのときにパソコン室で触ったかな?っていうくらいで。パソコンゲームもやっていたわけではなかったので、結構新鮮な気持ちでアニメを見ていました。
――90年代だと、東京の家でもわりとパソコンはなかったと思います。
古賀:でもテレビの画面がブラウン管だったことはよく覚えていて。今って鮮明に画面が見えるけど、当時のVTRが流れると、画質がすごく悪いじゃないですか。でもこれでもめっちゃ見えるって感動してたよな~と思って。そういうことを思い出したりもしながら、原作を見ていました。
――今から30数年前の話なんですけどね。
古賀:そう考えると進化がすごいですよね! だからこそ、当時こうやってゲームを作っていたんだ、こうやって絵を描いていたんだ!っていうのが分かるのが面白かったです。
――古賀さん、絵は描けない人でしたよね?
古賀:私、描けないんですよ。当時のパソコンで絵を描いているシーンを見て、この人たちごいな!と思ったので、絵を描く人が見たら、もっと面白いと感じるんじゃないかな。ただ、楽しいんだろうけど、苦労することも多かったんだろうなって思います。
――鉛筆で描いてスキャナーで取り込んでデータにするところからでしたからね。今だったらタブレットで直接描けますし。
古賀:しかもマウスを使うなんて、ものすごい技術ですよ! ペンタブレットもないんですから。
――ではゲームというところだと、どんなゲームをしていましたか?
古賀:私はニンテンドー64からゲームに入りました。小学生の頃、コントローラを持ち寄って、友達のおうちに集まってゲームをして。「ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ」(99年)とか、「ドンキーコング64」(99年)とか「星のカービィ64」(00年)とか。あとゲームボーイもやってましたね。
――そういうゲームがあった中で、美少女ゲームも流行っていたということですからね。
古賀:そうですよね! だから当時の秋葉原って、大人になってから行くところだったんでしょうね。
――美少女の絵で溢れていることもなく、ただただ普通の電気街でしたから。でも、その街の中で着々と美少女ゲームが広がっていったんでしょうね。では、タイムリープものなので、タイムリープをするならば、いつの時代に行きたいですか?
古賀:この時代(92年)に、大人になった状態で行きたいというのはすごくあります! 子供の頃は分からなかったけど、大人になった今だったら、もっとこの時代を楽しめそうな気がするので。でも、そこよりももっと前の時代にも行ってみたいんです。テレビも、まだひとつの家庭に1台とかではなく、電気屋さんの前で見ていたような時代に。
――『ALWAYS 三丁目の夕日』の時代とかですかね? 1958年あたりの。
古賀:そうです。楽しそうだな~って思うんです。もちろん、不便なこともいっぱいあるんでしょうけど。
便利になればなるほど、人情味と言いますか、会話をする機会がなくなったりするので、当時の活気を感じてみたいです。
――では最後に、第3話の見どころをお願いします。
古賀:第2話の最後、ゲームが完成したあとにコノハは元に時代に戻っちゃうんですけど、ちょっとずつタイムリープの仕組みが分かってくるような感じになります。なので、今何が起こっているのか、というところにも注目して楽しんでほしいです。
[文/塚越淳一]
『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』作品情報
あらすじ
ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームをゲームショップの店主から譲ってもらうことに。美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、『同級生』のパッケージを開くと突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは過去にタイムリープをしていた!
行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?
圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――『じゃ、始めるね!』
キャスト
(C)若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT