重面は満場一致でクソ野郎!? ついにやってきた、覚悟の時ーー『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」第2期12話(第36話)放送後インタビュー 釘崎野薔薇役・瀬戸麻沙美さん×七海建人役・津田健次郎さん×重面春太役・羽多野渉さん
野薔薇を助ける七海の台本は、まさかのト書きなし!
ーー第2期6話から12話までで印象深かったシーンはどこでしょうか?
瀬戸:「渋谷事変」が始まる時のメンバー分けには驚きました。この先が言いたい……まだアニメのシナリオはお話できませんが、早く重面のあのシーンが見たいです(笑)。
羽多野:それね、言えないけど(笑)。
瀬戸:そして、そこに繋がる、第12話のラストにナナミンが助けに来てくれるシーンがとても格好良かったですよね。先を知っているからグッとなりつつ、「来てくれた!」という感じがすごく好きです。
ーー台本にト書きがなかったそうですが、大変じゃなかったですか?
津田:そう、これ大変だった。「何が起きてる?」みたいな。
羽多野:皆さん、(ト書きが)ない状態でアフレコされているので、すごいなと思いました。七海のところは全くないですもんね。
津田:そうそう。なんとなく原作を見ながらでしたけど。
瀬戸:アニメスタッフさん達の中ではきっと正解があると信じていたので、アニメのシーンが完成した時に、ナナミンが登場してくれたシーンがどういう風に印象付けられるのか、本当に楽しみです。
ーー津田さんはどこのシーンが印象に残っていますか?
津田:七海登場の直前、野薔薇の苦しい戦いがやっぱり印象的でしたね。すごく頑張っているので、(七海として)助けられて良かったなと思います。
ーー羽多野さんはいかがですか?
羽多野:本当に申し訳ないです……。申し訳ないに尽きます。
津田:(笑)
羽多野:(重面は)一番調子に乗っている有頂天中の有頂天なところと、死がすぐそこに見えている一番ショッキングな場面との落差を短い時間で味わうことができるキャラクターだと印象に残っています。
あんなに調子に乗っていらないことをベラベラ喋っていたのに、七海が来てから突然喋れなくなってしまうという(笑)。
ーー第12話は、羽多野さんもおふたりとご一緒に収録されたのでしょうか?
羽多野:一緒に収録させていただきました。この回は僕の久しぶりの『呪術廻戦』の収録だったんです。
ーー久しぶりの『呪術廻戦』の現場はいかがでしたか?
羽多野:普段であれば、映像の中に色んなヒントがあり、映像から情報をもらうのですが、第12話はアクションが多くて通常の形でお芝居を作ることができなくて。そのため、しっかりと原作と照らし合わせながら「ここはこういう風に、こんな表情でやってるのかな」とか「こんな動きをしながら言っているのかな」と考えながら録らせてもらいました。
テストが終わった後、本番の前に、ディレクターさんから「もっともっと表情豊かに。近くにいても遠くに話しかけているような不気味さ、人と人との心の距離感を全く理解していない喋り方をしてみてください」という演出をいただきました。
本来、掛け合いする上では(距離)を考えながら演じますけれど、かなりデタラメであえて壊す、人のことを何も考えていないように臨ませていただいたので、正直どうやったかを覚えていないんですよね(笑)。
ピンポイントで狙って再現することは二度とできませんので、(重面は)変わったキャラクターですね。非常に酷いことをするキャラクターだなと思いながら演じさせていただきました。
ーーおふたりと掛け合ってみていかがでしたか?
羽多野:津田さんが……怖かったです(笑)。途中から津田さんが物凄い形相で、すごい怖い目に合わされたという強烈な記憶だけは残っています。自分(重面)が果たして何をされたのかとか、どうなっちゃったのかは全然覚えてないんですよね。それくらい強烈でしたね。
ーー瀬戸さんはいかがですか?
瀬戸:重面はすごい酷いことをするから、すごい嫌いです(笑)。
(羽多野さん笑)
瀬戸:今回掛け合いで(羽多野さんと)ご一緒になると知り、スケジュールが来た時に「思いっきり激突していくしかない!」と思っていました。ご存知の通り、羽多野さんはこの柔らかさ、優しい物腰で、癒しの空気感が出ていらっしゃるんです。だからこそ、非道な重面のギャップがすごくて。
いざマイク前に立つと(羽多野さんが)おっしゃっていた、距離感を無視した狂気的な感じが伝わってきて。テスト前のお芝居も恐怖を感じて素敵だなと思いましたが、ディレクションを受けて変わった、その距離感に「こういう見せ方もあるんだな」と勉強になりました。掛け合いだからこそ引き出される苛立ちや緊張感は、一人ではなかなか出せないものなので、今回はそういった面でもすごくやりがいを感じました。
あと色々なところでお話しているかもしれませんが、第2期は第1期から出番の多かったキャラクターに関しては、任せていただいている部分が多かった印象なんです。
積み上げたものはありますが、ここから新しい出来事があるので、少し心細い部分があります。だけど、ずっと作ってきたキャラクターを守っていかなきゃいけないなと思うので、原作をちゃんと読み解いて、いただいたディレクションの言葉からスタッフさんたちの思いを汲み取りつつ、常にアンテナを張ってできるだけ情報をキャッチできるように臨みました。
ーー第12話のアフレコを振り返り、津田さんはいかがですか?
津田:劇的で良い回だったなと思いますね。伊地知(潔高)(CV:岩田光央)が重面に何度も刺されて、野薔薇も大変なことになってしまって。そんな状況で、七海からはボッと火が燃えている感じが伝わりました。普段は感情を表に出さない七海ですが、今回は怒りを全面に出していたので、「わかりやすく怒ってるな」と思いました。
そして重面にはイライラしましたね。本当にろくでもない(笑)。理屈がないのもまたムカつくんですよね。
羽多野:なにも大目的がないんですよ。
津田:一番タチが悪い。野薔薇も頑張っていますけど、まだまだだから。
瀬戸:そうですね。強い人がたくさんいるので、やっぱり野薔薇は呪術の強さ的に届いていないという苦しさはありますね。
津田:見ていてすごく苦しい戦いで、クソ野郎(重面)に追い込まれているのが、なかなか見てて悔しいです。新田ちゃんも大変なことになっていて、しんどいですね。また、(重面は)伊地知さんとか弱い人に行くからムカつくんですよね。
羽多野:新田に暴力を振るうところは、原作では台詞がないんですけど、アニメでは台詞が増えていました。本当に「ごめんなさい」と思いながら……。
津田:そういう役割だから。しっかりと僕をイラつかせてくれました。
ーー七海に関してディレクションはありましたか?
津田:それはなく、お任せしていただいています。ただ、各ポイントで「ここもうちょっと出しても大丈夫です」とより具体的なリクエストをいただくことはあります。
羽多野:今思い出しましたけど、津田さんが「ここのシーン、もう一回やっていいですか?」と最後にリクエストして、リテイクされた時のテイクがめっちゃ怖かったです(笑)。
津田:覚えてないな(笑)。
瀬戸:私は覚えています。
羽多野:このお話の最後のシーンのところでした。
瀬戸:「こういうパターンもありですかね」という感じで。
津田:あーやったかもしれないな。
羽多野:内から溢れる怒りを抑えた芝居が怖かった覚えがあります。
ーー七海の今後の活躍も期待しています。では、今後の注目ポイントをお願いします。
瀬戸:原作から応援してくださっている方も多いので、期待している場面であったり台詞があると思います。
現実で起きたら嫌ですし、圧倒的な強さを前に絶望や苦しみにショックを受けるかもしれません。でも、物語の中で起きているからこそ、心が動くところがあって面白いと思います。今回は苦しい方で心が動きますが、最後まで絶望感に揺さぶられてほしいなと思います。
羽多野:色々な登場人物の視点で楽しんでいただけるストーリーかなと思います。主人公の虎杖くんの視点で見ていただくこともできますが、自分には呪詛師や呪霊の視点があり、逆側をやっているから言葉にするのが本当に難しくて。
登場人物それぞれの戦いの中で生まれているストーリーを細かいところまで「これはこういう意味なのかな?」「このキャラクターがボソッと言った一言はどういう意味なのかな?」と考えながらご覧ください。非常に深く、先々のことまで伏線が張り巡らされているので、見どころしかないストーリーだと思います。
津田:いつか来るのを覚悟しながら演じてきましたが、「渋谷事変」のアフレコが始まったときは「ついに来てしまった」と思いましたし、それくらい劇的な物語です。
まずは、野薔薇と七海のドラマをしっかりと見届けていただけたらなと思います。とはいえ、同時多発的にドラマがどんどん繰り広げられていて、そのスピード感やカタルシスがしっかり描かれているので、怖くて辛いシーズンではありますけれど、ドラマチックで面白いものになっていると思います。
TVアニメ『呪術廻戦』作品情報
●第1期
Blu-ray&DVDシリーズ 第1巻~第8巻発売中!
TVシリーズ 各動画配信サービスで配信中!
●第2期
毎週木曜23:56~MBS/TBS系列全国28局にて放送中!
イントロダクション
少年は戦うーー「正しい死」を求めて
集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々による漫画作品『呪術廻戦』。
2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊20巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の7,000万部を突破。
2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてTVアニメ第1期が放送され、国内のみならず全世界で大きな反響を呼んだ。さらに、同年12月24日、第1期の前日譚にあたる物語が描かれる『劇場版 呪術廻戦 0』を上映し、全世界で一大ムーブメントを巻き起こした。
そして、2023年に放送が決定している第2期で描かれるのは、五条 悟と夏油 傑の高専時代の物語「懐玉・玉折」。劇場版にて示唆された五条と夏油の決別した過去がついに明らかとなる。
さらに、連続2クール内にて「懐玉・玉折」の後、第1期から続く時間軸の物語「渋谷事変」も描かれることが決定。10月31日、ハロウィンで賑わう渋谷駅周辺に突如“帳”が下ろされ大勢の一般人が閉じ込められる。単独で渋谷平定へと向かう五条だが、これは夏油や真人ら呪詛師・呪霊達による罠だった…。虎杖、伏黒、釘崎といった高専生のメンバーや呪術師たちも渋谷に集結し、かつてない大規模な戦闘が始まろうしていた。
呪いを廻る壮絶な物語が再び廻りだすー
「渋谷事変」ストーリー
最後に笑うのは、人か―呪いか―
「五条 悟は 然るべき時 然るべき場所
こちらのアドバンテージを確立した上で封印に臨む
決行は10月31日 渋谷」
2018年10月、特級呪霊による交流会の襲撃以降呪術高専内の緊張が高まる中、ついに内通者の正体が判明する。
果たして内通者は誰なのか、その目的とは―!?
そして、2018年10月31日。
ハロウィンで賑わう渋谷駅周辺に突如“帳”が降ろされ大勢の一般人が閉じ込められる。“一般人のみが閉じ込められる帳”という高度な結界術に加え、一般人を介して告げられた「五条 悟を連れてこい」という指名から、上層部は被害を最小限に抑えるために五条単独での渋谷平定を決定する。
罠を仕掛け待ち構える夏油や真人ら呪詛師・呪霊達、そこに単独で乗り込む五条、さらには“帳”の外側に集結した虎杖、伏黒、釘崎、七海、そして数多くの呪術師たち。
渋谷に集結した呪術師VS.呪詛師・呪霊の
かつてない大規模な呪い合いがついに始まる―!!
STAFF
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史・小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東 潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳 圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
主題歌
「懐玉・玉折」オープニングテーマ:キタニタツヤ「青のすみか」(Sony Music Labels)
「懐玉・玉折」エンディングテーマ:崎山蒼志「燈」(Sony Music Labels)
「渋谷事変」オープニングテーマ:King Gnu「SPECIALZ」
「渋谷事変」エンディングテーマ:羊文学「more than words」(F.C.L.S./Sony Music Labels)
CAST
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒 恵:内田雄馬
釘崎野薔薇:瀬戸麻沙美
五条 悟:中村悠一
真人:島﨑信長
夏油 傑:櫻井孝宏
両面宿儺:諏訪部順一