『デッドマウント・デスプレイ』原作・成田良悟さんインタビュー|第2クールはお互いの物語が絡まり始めるターン【第2クール連載第1回】
衝撃の異世界転生ノワールファンタジーとして、2023年4月からスタートしたTVアニメ『デッドマウント・デスプレイ』。その第2クールが10月よりスタート。
とある異世界から現代の新宿に転生した四乃山ポルカ。大事な仲間たちと平穏を望んでいたが、彼らの周りには、レミングスや火吹き蟲といった「厄ネタ」や、ソリティアのような奇術使いなど、とてつもなく強い上に個性的なキャラクターたちが集まってきてしまう。第2クールでは、さらにヤバいキャラクターたちが登場し、ポルカたちの生活を脅かしてくるので、どんな戦いが巻き起こるのか楽しみにしてほしい。
そして、第2クールの放送と連動した連載も再スタート! 第13話放送後となる第2クール連載第1回は、原作の成田良悟さんが登場。第1クールを振り返っての心境をはじめ、2クール目の見どころや注目のキャラクターなどについて答えていただいた。
作者自身もコントロールできない強力なキャラクターとは
――1クール目を終えての感想をお願いします。
成田:作者の私の予想を超えて漫画で動き回ったキャラクターたちが、また別の形で予想を超える形で動き回ったアニメーションという形で、とても喜ばしいものでした!
――特に印象に残っているシーンを教えてください。
成田:ソリティアと火吹き蟲が邂逅した時の炎の中でのマジックショー(第7話)。レミングスが暗闇の中で大暴れし、骨の合間を駆け抜けるシーン(第5話)。OPの映り変わる世界の情景と、エンディングで踊るサメ&ボールペン。
どのシーンも印象に残っているのですが、やはりキャラクターが派手に、かつ魅力的に動き回るシーンは頭にしっかりと刻まれますね……! 特にレミングスの暗いバーでの戦闘シーンの凄まじさは今でも溜息が出る美しいアクションだと思います……!!
――ポルカ/屍神殿のように、基本受け身で動かず、平穏を求めて守り続ける主人公は、あまりいないのかな?とも思ったのですが、彼を中心に添えることで、物語を進めるに当たってどんな面白さが生まれましたか? 先生の考えるポルカ/屍神殿の魅力も教えてください。
成田:わりと受け身で世界の謎に巻き込まれていく主人公も多いような気もしますがどうなんでしょう(笑)。ともあれ、DMDP世界の新宿という状況を設定した時に、ソリティアをはじめとして奇人凶人ばかりが出揃ってしまって、とても平穏に過ごせるような状況ではありませんでした。
そんな中で、平穏を一番崩せる力を持っている力を持ちながら、それを隠し通そうとするわけでも忌み嫌うわけでもなく、ただただそれを利用して平穏を得ようとするキャラクターとして設定しました。その戸惑いながらも力の使い方を模索する様を応援していただければ幸いです!
――1クール目最終話では、ソリティアとレミングスの激突も見られました。この2人は特にインパクトのあるキャラクターでしたが、誕生秘話などがあれば教えてください。また、ソリティアは特に突き抜けたキャラ性だったので、高橋広樹さんのお芝居を聞かれた感想もお願いします。
成田:どちらも『場を強制的に動かすジョーカー的なカード』として設定したキャラクターです。ただ強いだけだと話を御都合主義に動かすだけの駒になってしまうので、灰汁の強いキャラクターにする事ことで作者の私自身もコントロールできないようなキャラクターにしました。その甲斐もあって、私もまったく想定していなかった方向に話が動いていく感じがあり、ハンドリングは大変ですが、書いていて物凄く楽しいキャラクターになったと思います!
とにかく高橋さんの演技は最高でしたね……! ソリティアというキャラクターが、漫画を経て声がつくことで本当に完成した、という感じがあり、高橋さんには本当に感謝です! 一方、あの息づかいのためにアフレコに来てくださった蒼井さんにも本当に感謝です……!!