アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』美術監督・齋藤幸洋さんメールインタビュー【連載第16回】|オールラッシュで繋がった映像を初めてチェックした時は上手く行っていてホッとしました
全世界シリーズ累計発行部数7,200万部超の大人気コミック『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(著・和月伸宏/ジャンプ・コミックス ※「北海道編」はジャンプスクエアにて連載中)の新作TVアニメが、7月6日よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送スタート!
連載開始から約30年を経ての新作TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。色褪せることのない、王道にして普遍的な物語、登場人物たちの苛烈な信念を、今再び鮮烈に映し出す──。
アニメイトタイムズでは、それぞれの信念を抱え新しい時代を生きる魅力的なキャラクターを演じる出演キャスト陣らにメールインタビューを実施! 第16回は美術監督・齋藤幸洋さんに、本作の見どころや印象的なシーンなどをお伺いしました。
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昼の背景の雰囲気が特に難しい
──まずは美術監督とはどのようなお仕事をされているのか、本作における美術監督の具体的な役割などお教えください。
美術監督・齋藤幸洋さん(以下、齋藤):解り易く言うと背景の現場監督という感じです。
美術ボードという色のついた背景の見本となる絵を管理して、背景スタッフと共有し、スタッフが完成させた背景を最終チェックして背景全体をコントロールする仕事です。
──原作漫画への印象やイメージ、魅力に感じたところなどをお教えください。
齋藤:学生の時に読んでいたジャンプ連載中の作品の中で好きだった漫画の一つです。本誌でるろうに剣心の連載第一回目を読んだ時、絵の完成度や綺麗さに衝撃を受けたのを覚えています。
また、キャラのセリフのカッコ良さも大きな魅力だと思います。「所詮この世は弱肉強食……」や「悪・即・斬」など印象深いセリフ多いです。
──山本秀世監督とのお話や印象的なことはありますか。
齋藤:山本監督からは美術ボードを作る際いつもご指示を頂いています。こういうイメージでという、要点をまとめた指示なので完成形のイメージがしやすく、とても仕事がやりやすいと感じています。
──16話まで放送されていますが、手ごたえを感じているところや印象的だったカットをあげるとしたらどこでしょうか。
齋藤:1話の昼間の街のシーンです。この作品では昼の背景の雰囲気が特に難しく、皆スタッフも苦労していたと思います。オールラッシュで繋がった映像を初めてチェックした時は上手く行っていてホッとしました。
剣心と薫の「誰にだって語りたくない過去の一つや二つ……」の会話辺りで劇中歌も良い感じで流れてきて、落ち着いた良いシーンになったと思います。他序盤では、5話の相楽良隊長の回想シーンや7話の刀衛を倒して道場に帰って来た朝のシーンなどが印象に残っています。