秋アニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』フェアリークィーン役・上田麗奈さんインタビュー|自分のやりたいことをやりたいようにやって過ごすアースが羨ましい
冴えないおっさんが新しくスタートしたVRMMO(仮想現実大規模多人数同時参加オンラインゲーム)の世界で、独自のプレイスタイルを貫き、目立たずにひっそりと楽しもうと思っていたら……なぜか一躍人気者に!?
そんなストーリーが展開する、TVアニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』(原作:椎名ほわほわ アルファポリス刊)が、10月よりTOKYO MX、BS11ほかにて好評放送中です。
アニメイトタイムズでは、キャストやスタッフへのインタビュー連載を実施中。今回はフェアリークィーン役の上田麗奈さんが登場です!
第5話では、主人公のアース(CV.石川界人)が、妖精族の女王となったフェアリークィーン(CV.上田麗奈)とバトル。激戦を繰り広げた結果、見事に勝利をおさめ、報酬として六属性の妖精の力が込められた第87代目フェアリークィーンリングを授かり、左手の薬指に(無理やり)はめることとなりました。その後、フェアリークィーンはアースに懐き何かと彼の前に現れるように。フェアリークィーンの表情や態度はバトル時とは大きく異なり柔らかで、お茶目な一面も見せるようになりました。
みんなで一緒に作ったほうが、キャラクターが生きていると感じられる
――先日放送された第5話を振り返っての感想をお聞かせください。
フェアリークィーン役・上田麗奈さん(以下、上田):4話でグラッドを圧倒したフェアリークィーンとアースとのバトルでは、アースの分析力の高さ、冷静さ、頭の良さが光っていました。後半ではフェアリークィーンのお茶目な部分も見られましたよね。物語の前半・後半で彼女のギャップがしっかりと描かれているのが面白かったです。
――4話の時点ではどういうキャラクターなのか見えてこず、少し謎に満ちた部分もありました。
上田:コンピューター(AI)のはずなのに、「あなたにとってこの世界は遊びなのかもしれないけど、私にとっては現実なのよ!」と、人間っぽい発言をしました。人間味があって、真剣な表情ばかりしていた4話だったのに、5話であんなにも表情がほぐれるとは(笑)。
――かなり砕けたという印象を受けました。
上田:その砕けぶりに関しては「もっともっとやっちゃってもいいですよ」というディレクションがありました。今後も女の子としての砕けた一面がたくさん見られます。回を重ねるごとにその度合いは大きくなっていくので、楽しみにしていてください。
――改めて、原作を読んでみた印象を教えてください。
上田:主人公のアースって、リーダーシップを発揮して仲間を集めるとか、派手に戦って目立ったりするタイプじゃないんです。あくまで自分が楽しむために、この世界にいるんですよ。ひとりでVRMMOの世界を自由気ままに、自分のやりたいことをやりたいようにやって過ごしているんです。それが羨ましくって。というのも、私は人の顔色をうかがうタイプなので、もし誰かから何かを言われたら、自由気ままにプレイすることをやめちゃう気がするんです。たぶん、みんなが認めてくれるようなスタイルやジョブにチェンジすると思います。思い切り好き勝手に自由に楽しむことが私はあまりできないタイプなので、アースのように生きてみたいなと思いました。
――いきなり「お前、弓使いかよ」みたいなこと言われたらね……。
上田:へこんじゃいますよ(笑)。バカにされているかもと思って、「もうこのゲームやめよう」って思っちゃうかも。だからこそアースのような人に憧れますね。。
――アースを演じる石川界人さんのお芝居にはどのような印象を持ちましたか?
上田:界人さんって分析力が高くて、頭がいい方という印象が強いんですよ。そういったところが、アースと重なりました。それもあってか、アフレコで初めて声を聞いたときにも「ピッタリだな」と思ったんです。アースって、セリフ量もこの世界ならではの専門用語を喋る機会も多いのに、それが違和感なくスッと聞けるんですよ。それも界人さんの能力の高さと努力によって、聞き心地がいいセリフになっているんだと思います。界人さんのお芝居の凄みを感じました。
――アースがこの世界を楽しんでいるというのも、石川さんのお芝居から感じました。
上田:しかも、やんちゃに、無垢に楽しいって感じじゃなくって、ちゃんとおっさん感があるんですよ。大人の主人公だということが分かるんです。その絶妙な感情表現、アウトプットの仕方が見事だなと思いました。
――本作のアフレコは、コロナ禍の影響も少しずつ緩和されて、掛け合いやマイクワークもできるような環境だったとお聞きしました。
上田:私、マイクワークが得意だったとまでは言いませんが、そんなに苦手じゃなかったんです。ただ、約3年ぶりにやってみたら、全然うまくできなくて。ショックでした。でも、みんなも同じような感覚だったらしく、「思い出しながらやっていこうね」という雰囲気だったんですよ。それに救われました。「テストのときはあっちのマイクに入っちゃったけど、本番はこっちに入りますね」といったやり取りに、何だか懐かしさを感じました。
――そういうやり取りが楽しくもある。
上田:楽しいですね。みんなで空気を作りながらアフレコ作業するのは、やっぱりいいなって思いました。作品を作っている感が、掛け合いしたほうが味わえるというか。
――もちろん、どんなアフレコ形式でも真剣に収録することには変わりないけど、みんなで収録することで気持ちの入り方や雰囲気が変わる。
上田:本当に微妙な差ですが、違いますね。掛け合うからこそ統一される温度感、セリフとセリフの間。みんなで一緒に作ったほうが、キャラクターが生きていると感じられる気がします。