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- おかもとみか
- 2021夏デビューのオトナ女子新人ライター。ミドル層の男性声優さん関連記事を書くことが多いです。
後宮の耳目を集める麗しの壬氏につれない態度を取る猫猫、そしてそんな猫猫を当初は「都合のいい駒」としてしか見ていなかった壬氏。
しかしながら、さまざまな謎や事件に関わっていくにつれ、2人の関係性にも変化が見え始めて来ます。
まずは壬氏の気持ちの移ろい。壬氏にとっての猫猫の存在は「都合のいい駒」から「おもしろい玩具(おもちゃ)」へと変化を見せ始めます。今後の重要イベント「園遊会」では早速、壬氏の猫猫に対する気持ちの変化の兆しが見られるかも!?
事件や謎については好奇心旺盛に、多くの「察する能力」を発揮する猫猫ですが、壬氏にまつわることになると実際とは少しずれた「勘の鈍さ」が垣間見えます。また、モノローグは多弁ながら、実際に口にする言葉数が少ない猫猫ゆえに、壬氏はその少ない言葉からさまざまな妄想を繰り広げてしまうという、ある意味ギャグ展開も。
そもそも身分の違う2人が織りなすそうした感情のすれ違いも、思わずストーリーに引き込まれてしまう魅力のひとつとなっているように思われます。
そんな2人ではありますが、その関係性がゆるやかに深まり、変化を遂げていくさまが丁寧に描かれているのも『薬屋のひとりごと』の興味深いところ。今後2人の関係性がどのように移ろっていくのか、見届けていきたいですね。
帝の寵妃・玉葉妃の「毒見役」に就任した猫猫。妃のそばにそんな職が必要となるほど、後宮はさまざまな立場の人々の思惑や陰謀がうごめく世界です。
特に「女の園」とも呼ばれる後宮。この物語では、そこで生まれる女性同士の軋轢なども多く描かれています。
アニメの1話では、上級妃である梨花妃と玉葉妃の騒動が描かれているほか、妊娠中の玉葉妃に毒が盛られた過去も露見するなど、帝やその御子にまつわる諍いがあることがまず示されています。
また、これから放送となる「園遊会」では、帝を取り巻く妃たちの裏事情や、それぞれの妃に仕える待女同士の間にまで、トラブルの火種がくすぶっている様子も……!
こうした人間関係の隙間から、さまざまなドラマが透けて見えてくるところも、本作が魅力的に映る要因のひとつなのでしょう。
今後登場する他の上級妃や関連する人々、そして猫猫の育った花街でアイドル的存在となっている伎女たちなど、華やかでありながらも人間くさい物語が紡がれる展開をどうぞお見逃しなく。
本稿では主に猫猫と壬氏についての注目ポイントをご紹介して来ましたが、それ以外にも魅力あふれるエピソードが満載なのが『薬屋のひとりごと』。
本作は、猫猫の鋭い推理を描くと同時に、玉葉妃や梨花妃等の上級妃や彼女らに仕える侍女たち、下女仲間の小蘭、ひょんなことで知り合う武官・李白などが登場し、後宮に出入りするさまざまな人々が豊かな表現で描かれているのも大きな魅力です。
また、アニメ『薬屋のひとりごと』は作画の美しさも多くの人の目を惹いており、大きな話題となっています。妖艶な壬氏や妃たちなどの人物はもちろんのこと、宮廷や風景に至るまで、実に繊細に美しく描かれています。
花言葉に詳しい方は、作中にさりげなく描かれている花のシーンにもぜひ注目してご覧ください。
[文/おかもとみか]
2021夏から駆け出した新人ライター。大人になってから乙女ゲームに触れたことがきっかけで、男性声優さんに興味を持ち、本格的にアニメを見始めた文学部出身のオトナ女子。初めての乙女ゲームは『ときめきメモリアルGirl's Side(1st)』。作品などの聖地巡礼やコラボカフェも好き。ミドル層の男性声優さんやKiramuneレーベルについての記事を書くことが多いです。
毎週土曜24:55より日本テレビ系にて全国放送中!
※放送日時は予告なく変更になる場合がございます
※地域で放送時間・日時が異なります。詳細は各局番組表をご確認ください。
放送終了後、各種配信プラットフォームでも順次配信中!
後宮を舞台に「毒見役」の少女が、宮中で起こる様々な難事件を次々に解決する、
シリーズ累計2400万部突破の大人気後宮謎解きエンタテインメントが待望のアニメ化!
大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。
名前は、猫猫(マオマオ)。
花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。
ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。
今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っているという話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。
呪いなどあるわけないと言わんばかりに。
美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。
人間には興味がないが、毒と薬への執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。
きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。
壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。
稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)
キャラクター原案:しのとうこ
監督・シリーズ構成:長沼 範裕
副監督:筆坂 明規
キャラクターデザイン:中谷 友紀子
色彩設計:相田 美里
美術監督:髙尾 克己
CGIディレクター:永井 有
撮影監督:石黒 瑠美
編集:今井 大介
音響監督:はた しょう二
音楽:神前 暁・Kevin Penkin・桶狭間 ありさ
オープニングテーマ:緑黄色社会『花になって』
エンディングテーマ:アイナ・ジ・エンド『アイコトバ』
アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM
製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会
猫猫:悠木碧
壬氏:大塚剛央
高順:小西克幸
玉葉妃:種﨑敦美
梨花妃:石川由依
里樹妃:木野日菜
阿多妃:甲斐田裕子
梅梅:潘めぐみ
白鈴:小清水亜美
女華:七海ひろき
やり手婆:斉藤貴美子
羅門:家中宏
李白:赤羽根健治
小蘭:久野美咲
やぶ医者:かぬか光明
ナレーション:島本須美
◆NOVELS
『薬屋のひとりごと』
1~14巻 好評発売中!
著者:日向夏
イラスト:しのとうこ
ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊
◆COMICS
『薬屋のひとりごと』
1~12巻好評発売中!
作画:ねこクラゲ 構成:七緒一綺 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)
掲載 月刊「ビッグガンガン」(毎月25日発売) スクウェア・エニックス刊
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』
1~17巻 好評発売中!
作画:倉田三ノ路 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)
掲載 月刊「サンデーGX」(毎月19日ごろ発売) 小学館刊